- ゲーミングPCを考えてるけどゲーム以外にも動画編集ってできるの?
- ゲーミングPCと動画編集向けのPCって違いは何なの?
ゲームメインなのでゲーミングPCを検討しているけど、動画編集も少しやりたいと考えている方は多いと思います。
最近は、気軽にゲーム実況などのYouTubeへの動画投稿ができますし、それ以外にもホームビデオなども編集したい方もいらっしゃると思います。
そこで、メーカーから実機を借りて色々ベンチマークしていて、ゲームや動画編集もしている私が、ゲーミングPCと動画編集向けPCのスペックの違いや両方の用途で使えるのか、どういう部分をカスタマイズするのが良いのかなどを解説していきます。
結論から言うと、
ゲーミングPCでも動画編集は基本は大丈夫です。
ですが、状況によってはメモリ容量、ストレージ容量、モニターをアップグレードする必要があります。
ケンさん
他にゲーミングPCでよくある疑問、目安スペック、ベンチ結果、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
目次
ゲーミングPCと動画編集向けPCの違い
ゲーミングPCと動画編集向けPCで、どういう部分が違うのか、スペックなどを比較しつつ解説していきたいと思います。
違いを知っておくことで、両方の使用用途を満たせるように柔軟にカスタマイズできるようになります。
まずは、ゲーミングPCと動画編集向けPCの同価格帯のスペックを比較してみましょう。
ミドルレンジとハイエンドの2種類調べたので、それぞれどのくらいのゲーム、動画編集までできるのかも含めて解説していきます。
サンプルとなるPCは、メーカーが変わってしまうと価格感などが変わってしまうため、マウスコンピューターに統一しています。
また、構成等もメーカーによって若干違ってくるので、あくまで1サンプルとして参考程度にして下さい。
ミドルレンジのスペック比較
ゲーミングPC (G-Tune EL-B) | 動画編集向けPC (DAIV Z3) | |
---|---|---|
CPU | Intel Core i5 12400F | Intel Core i5 12400F |
メモリ | 16GB | 16GB |
GPU | GeForce RTX 3050 | GeForce GTX 1650 |
ストレージ | NVMe SSD:512GB | NVMe SSD:512GB HDD :1TB |
価格 | 174,900円 | 174,900円 |
ミドルレンジのスペックの違いとしては、ゲーミングPCはGPUが強くて、動画編集向けPCはGPUが1ランク下がるものの、代わりにHDDストレージが追加されています。
ゲーム視点から言うと、RTX 3050はFHDの最高画質で軽め、中程度の3Dゲームは快適、重めの3Dゲームは一部画質調整は必要なものの快適なレベルです。
しかし、GTX 1650は中程度で画質調整が必要になってきて、重めの3Dゲームは調整しても快適は厳しいレベルになってきます。
≫ 関連記事:ゲーミングPCのグラボ性能と目安のベンチマーク結果
動画編集視点で言うと、動画のデータサイズが大きいので、それをカバーするためにHDDが追加されています。
私はYouTubeチャンネルもしていますが、素材動画と10分程度の完成動画を保存して1本当たり平均4.85GB程度でした。
編集頻度にもよりますが、OSや他のデータも含めるとSSD 512GBは厳しいので、動画保存向けにHDDも追加されていますね。
動画が完成したら、素材動画は消すとか、YouTubeにあげてるから完成動画は消すとか、編集が終わったら外付けストレージに保存するとか、運用方法でかなり変わってきます。
しかし、週に数回などの日常的、高い頻度で動画編集をするのであれば、ストレージも必要になってきますね。
ケンさん
このようなゲーミングPCのスペックであれば、動画編集をする分には、CPU・メモリ・GPU的には十分な性能です。
エントリーからミドルレンジクラスで、FHDで編集後の動画の長さで1時間程度の動画であれば快適に編集できます。
あとは、ゲームと動画編集することを考えるとストレージが512GBは少ないので、追加した方が良いですね。
ハイエンドのスペック比較
ゲーミングPC (G-Tune HN-Z-3070Ti) | 動画編集向けPC (DAIV Z7-3060Ti) | |
---|---|---|
CPU | Intel Core i7 12700F | Intel Core i7 12700F |
メモリ | 16GB | 32GB |
GPU | GeForce RTX 3070 Ti | GeForce RTX 3060 Ti |
ストレージ | NVMe SSD:512GB HDD :2TB | NVMe SSD:1TB HDD :2TB |
価格 | 309,800円 | 309,800円 |
ハイエンドのスペックの違いとしては、ゲーミングPCはGPUが強くて、動画編集向けPCはGPUが1ランク下がるものの、代わりにメモリが32GB、NVMe SSDが1TBとなっています。
ゲーム視点から言うと、RTX 3070 TiはFHDの最高画質で激重3Dゲームまで快適で、120FPS、240FPSなどの高FPS、4K画質もOKなレベルです。
RTX 3060 Tiは重めの3Dゲームまでは快適で、激重ゲームは画質調整をした上で快適になるレベルで、こちらも、中程度の3Dゲームまでであれば高FPS、4K画質も狙えますね。
FHDでゲームをする分には、ほぼ関係ないレベルの高性能差ですが、動画編集向けPCよりゲーミングPCの方がGPU性能は高くなりますね。
≫ 関連記事:ゲーミングPCのグラボ性能と目安のベンチマーク結果
動画編集視点で言うと、編集中の表示も、GPUを使ったエンコード速度もあまり差はなく問題はありません。
また、メモリ容量が16GBだと、FHD動画で全体に重いエフェクトをかけたり、4Kで編集をしたりは難しいですね。
そこまでしたい方は、最低でも32GBは欲しいところです。
ストレージは、SSDが512GBなので、これはどれだけゲームをインストールしたいか、どのぐらいの頻度で編集したいかに依存してくるので、これは人それぞれです。
しかし、ゲーム3,4タイトル、週2ぐらいの頻度で動画編集する方であれば、SSDもアップグレードしておいた方がいいでしょう。
HDDもありますが、ゲームは基本的に起動・ロード時間短縮のためSSDにしておきましょう。
また、動画編集も編集時はソフトの読み込み速度を短縮するために素材をSSDにおいて編集して、編集が終わったらHDDに移すというような運用が良いかなと思います。
ゲーミングPCでもFHDの動画編集は、メモリとストレージ面でやや劣るゲーミングPCでも基本的に問題ないです。
しかし、FHD動画で全体に重いエフェクトをかけたり、4Kで編集をしたりしようと思う場合は、16GBではメモリ不足ですね。
スペック面:GPUとメモリ・ストレージ容量
GPU :ゲーミングPC > 動画編集向けPC
メモリ :ゲーミングPC < 動画編集向けPC
ストレージ:ゲーミングPC < 動画編集向けPC
ゲーミングPCではGPUの性能が高く、動画編集向けPCではメモリ・ストレージ容量が多い傾向にあります。
ゲームを快適に遊ぶためにはFPSが重要になってきますが、そこに大きく影響するのがGPU性能です。
一方で、動画編集向けPCは、編集部分が多くなったり、動画全体にエフェクトをかけたりするためにメモリが多く必要になってくるので、メモリ容量が多くなっています。
また、動画編集する頻度や本数によって大きく変わりますが、動画ファイルのデータサイズが大きいので、ストレージ容量も大きいのが特徴です。
ミドルレンジクラスの動画編集向けPCは、GPUが少し下がっている分、ストレージ容量が増えている感じで、メモリ容量は変化がありません。
しかし、ハイエンドクラスになると、メモリ容量も16GBから32GBと大幅アップすることが多いです。
ミドルレンジの動画編集向けPCは、FHD動画で、動画編集初心者やYouTubeに動画を上げるユーザーを想定しているので、基本的にメモリ16GBでも大丈夫です。
しかし、ハイエンドになると、4K動画やFHDでも動画全体に重いエフェクトをかけるなどのこだわりを追求していくレベルの編集をするのであれば、32GBは必要になってきます。
GPUは、編集中のプレビュー画面を再生した時やエンコードの時に使いますが、それほど高い性能が必要なわけではありません。
そのため、ある程度のGPU性能があればOKですし、ゲーミングPCの方が性能が高いので大丈夫です。
ストレージは、動画ファイルのデータサイズが多い上、人それぞれの動画制作の頻度によって必要な容量が大きく異なるので、容量が多めになっています。
ゲームであれば色々なゲームをプレイするにしても3,4個ぐらいで、数十GBもするビッグタイトルの3Dゲームを10個も20個もインストールしないと思うので、人それぞれで幅はなく、数タイトルかインストールできる512GBが標準となっていますね。
ゲームと動画編集でどちらもデータ容量の必要な用途になってくるので、数タイトルぐらいのゲームを遊びたいか、どれくらいの頻度で動画編集するのかを踏まえて、必要そうであればカスタマイズでストレージをアップグレードしておきましょう。
大体ではありますが、次を参考に目安を決めておくと良いでしょう。
3Dゲーム1本当たりの平均:約60GB
動画編集1本当たりの平均:約4.85GB(※)
モニター面:リフレッシュレートと色域
モニターについても、ゲームと動画編集で意識しなければいけない部分が異なります。
ゲーミングPC :モニターのリフレッシュレート(Hz)
動画編集向けPC:モニターの色域
ゲーミングPCの場合は、どれだけヌルヌルに動作するかが重要なので、モニターのリフレッシュレートを見ておく必要があります。
ゲームの快適さを示す指標としてFPS(※)がありますが、モニターのリフレッシュレートがFPS以上でなければ意味がありません。
※FPSとは、1秒当たりに描画されるフレーム数(frames per second=フレーム毎秒) を表しており、数字が高い方がヌルヌルで快適に動作します。
普通のモニターは60Hzなので、ゲームで60より高いFPSが出ていても表示しきれないことになります。
例えゲームで120FPSでていたとしても、60Hzの普通のモニターを使っていると60FPSまでしか表示できないので、120Hz以上のゲーミングモニターが必要になります。
一方で、動画編集の場合は、どれだけ色を表現できるかの基準となる色域を見ておく必要があります。
色域にはsRGB、Adobe RGB、NTSCなどの規格があり、それぞれの規格に対して何%表現できるというような形で書かれています。
この割合が高いほど、色の表現力が高いということになります。
このようにモニターと言ってもゲーム向けと動画編集向けでは見るべきところが違います。
ですが、ゲームや動画編集が初心者・中級者の方は、ここまで気にする必要もないと思います。
普通のモニターでも60FPSまでしか出ませんがゲームは快適にできますし、色がおかしいことも無いです。
そのため、自分がどこまで追求するのかや予算の兼ね合いで決めると良いでしょう。
ゲームのプロやストリーマー、プロのクリエイターなどの方であればここまで追求しますが、一般人はロマンの世界かなと思います。
感覚的には、携帯や車のオプションのような感じで、必要そうなら付けておきましょうという感じですね。
結論:基本的にゲームと動画編集の両方で使える【状況次第でアップグレード】
ゲーミングPCで動画編集をしたい場合を中心に説明しますが、中には、動画編集向けPCでゲームをしたいパターンもあると思うので両方解説していきます。
基本的には、両方のパターンでゲームも動画編集もできますが、状況によっては、メモリ・ストレージ・モニターなどをアップグレードする必要があります。
どのようにカスタマイズすれば良いかも含めて解説していきます。
ゲーミングPCで動画編集はできるのか?
ゲーミングPCは、CPU・GPU性能は十分高いので動画編集もOKです。
問題はメモリ容量とストレージ容量です。
FHDの動画編集で、編集を始めたばかりの初心者の方やYouTubeでどうか投稿するような中級者ぐらいの方であれば、メモリ16GBでもOKです。
しかし、4K動画編集やFHDでも色合いなどを良く見せようと動画全体にエフェクトをかけるようなことをした場合は、32GBは必要欲しいですね。
ストレージ容量は、ゲーミングPCの標準構成だと512GB / 1TBなので、この容量でゲームと動画を保存していけそうか目途を立てておきましょう。
3Dゲーム1本当たりの平均:約60GB
動画編集1本当たりの平均:約4.85GB(※)
例えば、やりたいゲームが3タイトルぐらい、週2で動画制作して3年ぐらいPCを使っていきたいと考えたとします。
そうなると、(ゲーム3本 × 60GB)+(2本 × 52週 × 5GB)= 700GBです。
さらに、Windows OSの約30GBやPCを使うにつれてキャッシュデータが増えていくことなどを考えると、このケースでは1TBが良さそうです。
このように大体で良いので計算して、そこから1.5~2倍程度の余裕のある容量にしておきましょう。
もし、それで足りなくなっても、完成した動画はあまり必要無いと思うので、外付けのSSDに保存したり、素材動画は削除するなどの運用方法を見直したりすることで対応できます。
また、色にこだわって動画編集をしたいのであれば、モニターは色域の広いものを選ぶようにしましょう。
ケンさん
動画編集向けPCでゲームはできるのか?
動画編集向けPCでゲームをしたい場合は、GPU性能にさえ気を付ければOKです。
メモリとストレージ容量は基本的に動画編集向けPCの方が高いので問題ありません。
ハイエンドな動画編集向けPCであれば、RTX 3060 Tiなど結構性能の高いGPUが搭載されているのでゲームも問題ありません。
しかし、ミドルレンジだとGTX 1650などゲームをするには少し不十分なGPUの場合もあるので、そこは注意しておきましょう。
まずは、自分がどの程度ゲームをしたいかを明確にしておきましょう。
GTX 1650だと中程度の重さの3Dゲームで画質調整が必要で、重めの3Dゲームは調整しても快適は厳しいレベルです。
できる範囲のゲームをするから良いという方であればGPUはそのままでOKです。
一方で、とりあえず、やりたくなったゲームを快適に遊べるようにはしておきたいユーザーであれば、性能不足でアップグレードが必要と言えます。
このように自分がどの程度ゲームをするのかを基準に考えましょう。
とは言え、どのゲームがどのくらいの重さなのか、どのGPUだとどこまでのゲームができるのか分からないと思うので、こちらを参考にして下さい。
≫ 関連記事:ゲーミングPCのグラボ性能と目安のベンチマーク結果
まとめ:ゲーミングPCでも動画編集は基本OK!ただ必要に応じてメモリとストレージ容量のカスタマイズを!
ゲームや動画編集をしていて、かつ、色々なスペックのPCを何十台とベンチマークしてきた結果をフルに使って、ゲーミングPCと動画編集向けPCのスペックの違いや両方の用途で使えるのか、どういう部分をカスタマイズするのが良いのかなどを解説しました。
結論としては、
ゲーミングPCでも動画編集は基本は大丈夫です。
ですが、状況によってはメモリ容量、ストレージ容量、モニターをアップグレードする必要があります。
ストレージ容量のアップグレードが必要がどうかは、ゲーム本数と動画制作の頻度が影響して個人差が大きいので、大体で良いので計算して判断しておきましょう。
その他の性能に関しては、初心者や中級者であれば、ゲーミングPCでも動画編集できるのでそのままでOKです。
ただ、4K動画編集やFHDでも重いエフェクトなどかけるなどこだわりたい場合は、メモリ32GBは欲しいです。
他にゲーミングPCでよくある疑問、目安スペック、ベンチ結果、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
また、動画編集を中心に目安スペックなども解説しています。
≫ 関連記事:動画編集パソコンに必要な目安スペックを徹底解説!