
できるだけ静音性の高いPCが欲しい!
今使っているパソコンの騒音がすごいから買い替えたい!
という方向けに、原因と対策を解説した上で、静音性の高いBTOパソコンをセール情報と共に紹介していきます。
目次
静音PCとは?
静音PCとは、パソコン本体から発生する騒音・ノイズをできるだけ抑えたパソコンのことです。
要は、静かなパソコンですね。(笑)
普段、みなさんが使っているパソコンは静かでしょうか?
「ヴオォォーーン」というファンの音がうるさいくて気になるということは無いでしょうか?
「パソコンの音なんて大したことないじゃないか!」という方もいると思います。
しかし、音に敏感だったり、神経質な方にとっては
- 「気が散って仕方ない!」
- 「作業に集中できない!」
という方もいると思います。
私も神経質な方で音が気になるタイプです。
訳あって、就寝中にパソコンを起動していることもあるので、静音性を意識したパソコンにしていますね。
そんな経験から静音性の高いパソコンの選び方を解説していきます。
騒音の原因と静音性を高める方法について
まず、音がうるさい原因と対策について解説しようと思います。
その後に、騒音となるパーツ毎にどのように音を抑えれば良いのかを解説していきます。
騒音の原因について
騒音の一番の原因は、パソコンの様々な場所に付いているファンが原因です。
主にこれだけのパーツにファンが搭載されています。
- CPUクーラー
- ケースファン
- グラフィックボード
- 電源ユニット
むしろ、ほとんどこれだけといっても過言ではありません。
もっと言えば、ファンの回転数が原因でこれが高ければ高いほど音が発生します。
扇風機で説明すると、「弱」より「強」の方がモーターの回転数が上がってうるさくなりますよね。
パソコンのファンの場合も同じです。
ファンの目的は、パソコン内部の発熱した各パーツを冷却することです。
パソコンは、内部の温度をモニタリングし、高温になると冷却性能を高めるために、ファンの回転数を上げて風量を増やすということを自動制御で行っています。
(製品によっては固定であったり、ケースに付いているファンの場合、物理的なスイッチによって手動制御するものもあります。)
内部の温度上昇を検知して、冷却性能を高めるためにファンの回転数が上がります。
結果、うるさくなるというわけですね。
ファンは、温度が高くなくても基本的に常時低速で回転しているので、その状態でもうるさいと感じる人は、尚更うるさいと感じることでしょう。
つまり、ファンの回転数をどれだけ抑えることができるかが静音性の高さのカギとなるわけです。
音を抑える方法について
ファンの音を抑える方法としては、次の2通りがあります。
- ファンのサイズを大きくする。
- ファンの数を増やす。
1つ1つ詳しく解説していきます。
1.ファンのサイズを大きくする。
もっとも有効な方法はファンのサイズを大きくすることです。
なぜ、ファンの大きさ?
となるかもしれませんね。
ファンの役割は、風を送って内部を冷却することなので、冷却するまで一定の風量を送る必要があります。
この風量を上げる方法としては、
- ファンの回転数を上げる
- ファンのサイズを大きくする
の2通りです。
回転数を上げるのは、騒音に繋がるのでダメですね。
ファンのサイズについてですが、
- サイズが小さいファン
- サイズが大きいファン
で同じだけの風量を送ろうとする場合、ファンサイズが大きい方が回転数が少ないです。
(回転数が下がる=騒音が軽減される)
イメージとしては、”USB扇風機などの小さいサイズの扇風機”と”家庭用サイズの扇風機”を比較した時に、小さい扇風機は、ファンが高速回転してもあまり風が来ませんが、家庭用サイズの場合は、[弱] 設定でもある程度風が来ますよね。
つまり、ファンのサイズを大きくすることで、ファンの回転数を減らし静音性を高めようということです。
2.ファンの数を増やす
ファンの数を増やすことで、回転数を落としても風量を確保することができます。
1つの場合だと高速回転していたファンが、2つの場合だと回転速度を落としても同じだけの風量を確保することができます。
つまり、
1つの”高速”回転のファンの騒音 > 2つの”低速”回転のファンの騒音
と2つのファンを搭載した方が騒音が小さくなるという訳ですね。
静音性を高めることができるパーツと選び方
では、次に静音性を高めるのために、どのようにパーツを選べば良いかについて解説していきます。
先に、簡単に結論だけ述べると
PCケース:密閉型ケース、パネルに防音材を搭載したケース
CPUクーラー:社外品のCPUクーラー、または、水冷式CPUクーラー
ケースファン:自動制御のPWM対応、静音設計、120mm, 140mm以上
電源ユニット:静音ファン搭載、低負荷時ファン停止機能付き
HDD:できるだけSSDを搭載【使用用途による】
グラフィックボード:水冷式GPUクーラー【価格面で厳しい】
一般的には、PCケース、CPUクーラー、ケースファン、あたりで静音化を目指し、カスタマイズなどで運良く選ぶことができれば、電源ユニットにも手を出していくのが妥当かなと思います。
また【】付きのところは、条件が合えば、手を出していく程度です。
合わなければコストパフォーマンスが悪くなる結果となるので、あまり気にしなくても良いかなという印象。
さらっと全体を解説しましたが、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
PCケース:密閉型ケース、パネルに防音材を搭載したケース
まずは、静音設計のPCケースにすることで、ケース内から発生するファンの音などを軽減します。
静音設計のPCケースのポイントは、次の2つです。
メッシュ構造ではなく、密閉構造のケースにすること
【左:密閉構造のケース、右:メッシュ構造のケース】
見て分かるように、右のケースは、フロント部分がメッシュ構造になっています。
これでは、フロント部分についているケースファンなどの騒音がだだ漏れですね。
一方で、密閉型は、音が漏れるところが少ない分、静音性が高いという訳です。
完全に密閉されているわけでは無いので、吸気・排気は可能です。
サイド、フロント、トップパネルなどに防音材・吸音材が搭載されていること
【左:Fractal Design Define R6、右:Cooler Master Silencio S400】
両方のケースで、サイドパネル、トップパネルなどに防音材・吸音材を搭載しています。
静音性に特化したPCケースは、密閉型だけでなく、防音材の有無も重要になってきます。
防音材搭載のケース自体は多くありませんが、各社BTOメーカーの「静音パソコン」を見ると防音材を搭載していることが多いです。
CPUクーラー:社外品のCPUクーラー、または、水冷式CPUクーラー
CPUクーラーは、CPUを冷却するためのパーツですが、Intel純正(リテール)のCPUクーラーだとファンが小さく静音性が低いです。
少なくとも
- ファンが大きく冷却性能の高い社外品のCPUクーラー
- 高性能なCPUの場合は、水冷式CPUクーラー
を搭載することで、静音性を高めることができます。
【左:Intel 純正CPUクーラー、中央:社外品CPUクーラー、右:水冷式CPUクーラー】
Intel 純正CPUクーラーの場合は、ファンのサイズが小さいのでCPUが高負荷(CPU使用率:80%以上)な状況になると、ファンの回転数が上がり、結構うるさいです。
一方で、社外品のCPUクーラーは、
- ファンのサイズが大きい
- ヒートシンク部分が大きく冷却性能が高い
ということから、ファンの回転数が低く静音に繋がります。
また、高性能なCPUの場合は発熱量が大きくなるので、高負荷時などは、社外品のCPUクーラーでは冷やしきれない場合があります。
そういった場合は、ファンの回転数が上がり騒音に繋がる可能性があるので、より冷却性能の高い水冷式CPUクーラーにすべきですね。
その中でも、2つ、3つと多数ファンが搭載されているものを使うことで、1つ1つのファン回転数を下げ、静音性を高めることができます。
ケースファン:自動制御のPWM対応、静音設計、120mm, 140mm以上
ケースファンは、PCケースに取り付けられるケースのこと。
一般的には、画像のようにフロント部分やリア(背面)、トップ、ボトム部分に取り付けることができます。
ケースファンを選ぶポイントとしては、次の3つですね。
・PWM対応:パソコンがファンの回転数を自動制御する。
・120mm, 140mm以上:ファンが小さいと騒音の原因になる。
・静音設計:dB(デシベル)が低い。
PWM対応でないと回転数が固定になってしまうため、冷却性能は十分であるにもかかわらず高い回転数で回転し続けるということが起きます。
やはり、低負荷時は回転数を下げて、高負荷時のみ回転数を上げるというように柔軟に制御してくれるPWM対応ケースファンの方が、静音性が高いと言えるでしょう。
また、PWM対応ケースファンは、「このくらいの温度の場合は、このくらいの回転数で…」という感じでソフトウェアからユーザーが細かく設定することもできるので、柔軟に調整することができます。
ファンのサイズは、上で述べた通り、大きければ大きい方が良いですが、一般的には、120mm, 140mmのどちらか。
スリム型や小型のパソコンの場合は、92mm, 80mmなどファンが小さくなるので静音性の観点から言うとおすすめできません。
ミニタワー、ミドルタワーケースのパソコンから120mmのケースファンが搭載できるという感じですね。
最低でも120mmのケースファンを搭載しておきたいところです。
BTOメーカーでも静音化をテーマにしているパソコンの場合は、dB値の低い静音ケースファンを採用していることが多いですね。
また、カスタマイズでも静音ケースファンが用意されていたりします。
電源ユニット:静音ファン搭載、低負荷時ファン停止機能付き
静音性の高い電源ユニットを選ぶには、次の2つのポイントが重要です。
- 静音ファンの搭載
- 低負荷時ファン停止機能付き
電源ユニットはファンが1つ搭載されていますが、そのファンも静音タイプのものを選びます。
また、高機能・多機能な電源ユニットになると低負荷時にファンを停止する機能が付いているものもあります。
とは言え、BTOメーカーのカスタマイズで、そういった機能のある電源ユニットの選択肢は珍しいです。
BTOメーカー「SEVEN」だと静音性高い電源ユニットの選択肢が豊富なので、一度確認してみると良いかもしれません。
HDD:できるだけSSDを搭載【使用用途による】
HDDは、ファンは搭載されていませんが、
- HDD内部のディスクを回転させるモーター
- データの読み書きを行うためのヘッダー部分
が動くので、少し音がでます。
とは言っても、ファンの騒音に比べると小さい音なので、パソコンに耳を近づけないと分からないと思います。
HDDの内部画像
赤枠で囲った部分が動くのでここから音がします。
対策としては、HDDはやめてSSDにすることです。
SSDにするとモーターなどの駆動部分が一切ないので、そもそも音がなりません。
とは言え、動画編集やバックアップ用など大容量が必要な場合は、無理して全部SSDにする必要は無いと思っています。
使用用途的に、SSDの容量で十分という方は、SSDを選ぶと良いでしょう。
グラフィックボード:水冷式GPUクーラー【価格面で厳しい】
グラフィックボードにも1つ~3つのファンが付いています。
もちろん、このファンも騒音の原因となるので、高負荷なゲームでファインの回転数が上がればうるさく感じると思います。
水冷式CPUクーラーより、数はかなり少なくなりますが、グラフィックボードにも水冷式クーラーがあります。
これにより、さらに冷却性能を高めると共に、静音性も高めることができそうですね。
とは言え、取り扱っているBTOメーカーはかなり少なく、おそらく次の2つのみです。
静音性の高いBTOパソコンの紹介
騒音の原因と対策、静音性の高いパソコンを選ぶポイントを解説しました。
しかし、
これらを含めてBTOパソコンを探すの面倒くさそう…
となると思います。
実際、私も探していて面倒くさいと思いました。(笑)
ということで、上で解説したことを踏まえて、おすすめの静音パソコンを紹介しようと思います。
もう一度、簡単におさらいをしておくと、静音性の高いパソコンは次のようになります。
PCケース:密閉型ケース、パネルに防音材を搭載したケース
CPUクーラー:社外品のCPUクーラー、または、水冷式CPUクーラー
ケースファン:自動制御のPWM対応、静音設計、120mm, 140mm以上
電源ユニット:静音ファン搭載、低負荷時ファン停止機能付き
HDD:できるだけSSDを搭載【使用用途による】
グラフィックボード:水冷式GPUクーラー【価格面で厳しい】
これら全て満たすパソコンは、なかなか難しく、あったとしても高価格帯になるので、少し絞りたいと思います。
主に、PCケース、CPUクーラー、ケースファンを意識して、余裕があれば静音性の高い電源ユニットを選べるものを紹介します。
【SEVEN】静音性の高いPCケース「Fractal Design Define R6」が採用されたパソコン
パーツだけでなくケースにも吸音材を取り付けるなど静音性を意識した作りになっています。
【静音性ポイント】
・内部に吸音素材を採用
・静音性の高い電源ユニット搭載(カスタマイズの選択肢も豊富)
・PWM対応の静音140mmファン「Dynamic X2 GP14」を3基標準搭載
・水冷式CPUクーラー
画像のように内部のサイドパネル、トップパネル、フロントパネルには、防音性の高い吸音素材が採用されています。
【ストーム】内部に吸音材搭載の静音仕様のミニタワー型PC「PG-TG」
パーツだけでなくケースにも吸音材を取り付けるなど静音性を意識した作りになっています。
【静音性ポイント】
・内部に吸音素材を採用
・PWM対応静音ケースファン120mmを2つ搭載
・水冷式CPUクーラー
画像のように内部のサイドパネル、トップパネルには、吸音素材が採用されています。
他のメーカーのセール情報を確認する。
この他にもBTOメーカーで静音性の高いパソコンを探したい方は、ケース検索ツールで検索できます。
まとめ:騒音に悩まされている方には静音PCがおすすめ!
静音性を売りにしているBTOパソコンはいくつかあるので、それを見るのが手っ取り早いですが、原因と対策を知って知識を持った上で選んだ方が、購入後に「失敗した!」とならずに済むと思っています。
ぜひ、参考にしていただいて、静かな環境で集中して作業できるようなパソコンを手に入れましょう!
他のメーカーのセール情報を確認する。
どうも、ケンさん(



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