水冷式のBTOパソコンを取り扱っているメーカーってあるの?
水冷式で高いパフォーマンスを出したい!
という方向けに、水冷式のBTOパソコンを紹介します。
初心者の方向けにデスクトップパソコンに関する知識(性能/用途/価格/デザイン性など)も幅広く解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:デスクトップパソコンの選び方・よくある疑問を徹底解説
目次
水冷式のBTOパソコンについて
パソコンの冷却方式には、「空冷式」と「水冷式」があります。
主に発熱量の多いCPUを冷却するためのCPUクーラーの冷却方式のことを指します。
数はとても少ないですが、水冷式に対応したグラフィックボードも存在します。
(水冷式のグラフィックボードを搭載しているBTOパソコンについても後程紹介します。)
簡単にそれぞれの冷却方式を説明すると
空冷式 ⇒ ファンを回すことでパソコン内部の空気を循環させ、CPU(CPUクーラー)に風を当てて、冷却する方法。
水冷式 ⇒ ラジエーターによって冷やされた水を循環させることで冷却する方法。
実際どんなものかイメージが持てるように、画像も掲載しておきます。
空冷式CPUクーラー
(By 虎徹 Mark II)
水冷式CPUクーラー
水冷式CPUクーラーの方が冷却性能が高く、高負荷時には同じCPUでも高い性能を発揮できます。
そのため、3Dゲームや動画編集ソフトのエンコード時などの一時的に高負荷になる使用用途の場合は、水冷式のCPUクーラーの方が適していると言えるでしょう。
しかし、多くの家電量販店のパソコンやBTOパソコンでは、空冷式のCPUクーラーを搭載していることが一般的なため、水冷式を探し求めている方にとっては、残念なところです。
とは言え、BTOメーカーも結構数が少なかったりするので、後程、水冷式CPUクーラーを搭載しているBTOパソコンについても紹介します。
水冷式のメリットやパフォーマンス
水冷式を紹介する前に、水冷式のメリットやパフォーマンスについて簡単に解説しようと思います。
上でも述べたように、水冷式のCPUクーラーの方が冷却性能が高く、高負荷時には同じCPUでも高い性能を発揮できます。
しかし、空冷と水冷を比較した際に、冷却性能の”上限”が高いという話なので、次のような場合は、空冷式でも水冷式でもあまり大差ありません。
- CPUが低負荷時~中負荷時程度の状況の場合
- Celeron, Core i3などハイエンドではないCPUの場合
水冷式の効果が発揮できるのは、ハイエンドなCPU(=発熱が大きい)を搭載しているパソコンが高負荷になった時です。
空冷式では手に負えな程の発熱は発生した場合に、冷却性能不足によりCPUの性能は一時的に下がります。
一方で、水冷式の場合は、冷却性能の上限が高いので、冷却不足にならずに一定のパフォーマンスを維持し続けることができるというメリットがあります。
自作PCの場合であれば、水冷式の方がラジエーターのサイズ大きい分、取り付けが難しかったり、ケース内のスペースなどを考える必要があります。
また、そもそもラジエーターを搭載できるケースを選ばないといけないなど、確認しておくことがあるので空冷式より少し敷居が高かったりします。
ここが水冷式のデメリットでもあるのですが、BTOパソコンの場合はプロが組み立てを行ってくれるので、そういった組み立て時のデメリットは、全く関係ないのでおすすめです。
水冷式のBTOパソコンの紹介
では、水冷式のCPUクーラーを搭載したBTOパソコンを紹介します。
1つは、CPUだけでなく、グラフィックボードも水冷式のクーラーで冷却している珍しいタイプなので、3Dゲームなどグラフィックボードをガンガン使うという方におすすめです。
サイコムの水冷PC「Aqua-Master」シリーズ
水冷式のCPUクーラーが搭載されたBTOパソコンです。
CPUは、Intel, AMDの両方が用意されているので、CPUはAMD派という方にも良いですね。
性能について
高い冷却性能を活かせるように、CPUには、Core i5, i7, i9, Ryzen 5, 7と高性能なものが搭載されています。
動画編集のエンコードやなどの一時的に高負荷になる場面で、性能を発揮できそうですね。
また中には、32コア/64スレッドの超ハイパフォーマンスなCPU:AMD Ryzen Threadripper 2990WXが搭載された製品もあります。
デザイン性について
デザインに関しては、黒色のケースに小さめのクリアガラスが採用されており、内部を見れるようになっています。
他にもカスタマイズで、Cooler MasterかFractal Designのケースの中から変更することができるようです。
サイコムの高性能ながら静音、デュアル水冷ゲーミングPC 「Hydro」シリーズ
CPUとグラフィックボードを2つの水冷システムによって、高い冷却性能と静音性を誇るゲーミングPCです。
CPUを水冷式で冷却するBTOパソコンは比較的見かけますが、グラフィックボードまで水冷式で冷却できるパソコンは、このBTOメーカーしか見たことがありません。
少なくとも今まで他に見たことがありません。
性能について
ゲームのベンチマークで高い冷却性能と高いパフォーマンスを発揮しています。
グラフィックボードの温度、動作周波数、ベンチマークスコアの検証結果も掲載しているので確認してみて下さい。
シリーズでまとめて掲載されているデータもありますが、各パソコンのページに行くと、パソコン毎により詳細なデータが掲載されています。
「G-Master Hydro X299II」を例に挙げると、グラフィックボードの冷却システムのおかげで、通常より17%高いクロック数を維持し、かつ、コアの温度は最大で60℃程度(通常80℃程度)となっています。
デザイン性について
デュアル水冷システムによる高い性能を発揮できるだけでなく、ホワイトを基調としてダーク目のクリアガラスケースであったり、LEDでおしゃれに内部のパーツを照らすといったデザイン性の高さもなかなかです。
サイズ感について
水冷式にすると冷却性能は高くなりますが、パーツ自体が大きいのでケースもATX規格という大きなものになりがちです。
このシリーズもATX規格のケースが多いですが、中には、Min-ITX規格の比較的コンパクトなサイズのケースを使っているものもあるので、パソコンのスペースをあまりとれないという方にも良いですね。
水冷式にすることでファンの回転数も抑えることができるので、両立の難しい静音化と高性能化を実現した数少ないゲーミングPCです。
SEVENの水冷仕様のゲーミングPC
こちらは、SEVENが取り扱っている水冷式のゲーミングパソコンです。
大きく分けて、タイプが2通りあって、
- 静音ケース × 水冷式
- 冷却ケース × 水冷式
です。
画像の左が静音ケースで右が前面がメッシュタイプで冷却性能の高いケースです。
他にも10種類程度のケースから選択することができるので、比較的ケースの選択肢は多めです。
水冷式にしつつもケースのデザインも重視したいという方には、ケースの自由度が高くおすすめです。
初心者の方向けにデスクトップパソコンに関する知識(性能/用途/価格/デザイン性など)も幅広く解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:デスクトップパソコンの選び方・よくある疑問を徹底解説