- VSPECってあまり良く聞かないPCメーカーあるけど、どういうメーカーなの?
- PC選びに失敗したくないけど、性能や価格ってどんな感じなの?
約20社もあるPCメーカーの中で、どこが自分に合っているか調べるのは大変なので、VSPECでここだけは知っておいて欲しいポイントに絞って解説していきます。
私はPC歴約20年で、色々なメーカーから実機を借りて使い勝手や性能などをレビューしているので、そういった知識や経験も含めて解説していきます。
簡単にまとめておくと
- 自作PCレベルのフルカスタマイズができるデスクトップPCのみを扱ったBTOメーカー
- PCケースが約100種類と豊富でデザイン重視派の方におすすめ。
- カスタマイズの選択肢が多く、パーツのメーカーなども細かく自分好みにカスタムしたい方におすすめ。
ケンさん
他のメーカーの特徴や良い点・悪い点、コスパ・デザイン・サービスなどの重視別の紹介もまとめているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:PCメーカーの一覧と重視別おすすめPCメーカーを解説【20社】
目次
BTOメーカー「VSPEC」とは?
VSPECは、株式会社ウィズテックが運営するBTOメーカーで、創業から20年ぐらい運営している老舗パソコンショップです。販売はWebのみで行われており、大手BTOメーカーにように店舗は持っていません。
1人5,000台以上のパソコンの組み立て実績を誇るプロ集団が対応してくれるようなので、これはかなり心強いですね。
VSPECのサイトには、活用事例として納入実績や評価が掲載されていますが、個人から法人、病院など幅広く納品しているようです。
比較的小規模なBTOメーカーですが、大手とは路線をずらした自作PCレベルの自由の高いフルカスタマイズができることできる上、複数画面のデイトレード向けBTOパソコン、無音パソコン、キューブ型PCなども取り扱っており、ニッチなニーズを捉えたBTOメーカーと言えるでしょう。
自作PCは時間や技術が無くて難しいけど、自作PC並みの自由度でパーツをカスタマイズしたい方におすすめのメーカーです。
もちろん、ビジネス向けの標準的なパソコンやグラフィックボード搭載のゲーミングPCなども取り扱っています。
正直、知名度はあまりないですが、運営歴、何千台の組み立て、納入実績などを見ると技術は確かなようですね。
大手のように広告を打ったり、eスポーツのスポンサーになったりということはしていないので知名度は低いものの、広告費がない分、PCの価格に反映されていると考えればデメリットというわけでもないですね。
BTOメーカー「特徴」の特徴・押しポイント
ターゲット | 中級者(シンプルモード) 上級者(フルカスタムモード) |
---|---|
特徴 | ・ケースが豊富 ・自作PCに近いカスタマイズ項目とパーツの多さが魅力 ・カスタマイズでPCパーツが型番だけなので選びづらい(上級者向け) |
取扱商品 | デスクトップ |
取扱商品2 | ゲーミングPC クリエイターPC FX・デイトレ向け 静音・無音PC サーバー |
セール頻度 | ない |
スペック絞込み検索 | 〇 |
保証期間 | 標準保証:1年 延長保証:2, 3年 |
保証内容 | ・初期不良無償対応(14日以内) ・故障の無償交換 |
サービス | ・短納期サービス ・PC設置サービス |
サポート・相談 | お問い合わせフォーム 電話 |
納期 | 約10営業日 有料の短納期サービス:約5営業日 |
パーツ販売 | × |
店舗 | × |
下取りサービス | × |
データ復旧サービス | × |
分割払い | 〇 |
カスタマイズ性 | カスタマイズ項目の多さ:多い パーツ選択肢の多さ :多い |
ケース選択肢 | ベースモデル:多い カスタマイズ:多い(約100種) |
PCパーツのメーカー記載 | あり |
パーツ画像 | あり ※カスタマイズ画面で「フルカスタムコース」を 選び、「商品を見る」から一部閲覧可 |
パーツ解説 | なし |
OS | 選択 |
Office | 選択 |
セキュリティソフト | 選択 |
周辺機器の豊富さ | 多い |
ポイントは次の通りです。
- BTOメーカーで一番自由度が高くフルカスタマイズができる
- PCパーツが豊富でデザイン重視ユーザーに超おすすめ!【約100種】
- FX・株のデイトレ向けのパソコンがある
ケンさん
BTOメーカーで一番自由度が高くフルカスタマイズができる
VSPECの最も特徴的なのが、カスタマイズができる項目が多く、1つ1つの項目でパーツの選択肢が豊富という点です。
カスタマイズできる項目は46種類で、それぞれ約20~100種類の中から選ぶことができます。
ちなみに画像で表示しているので半分ぐらいですね。
大手メーカーだと選択肢が少ないですし、多少パーツの選択肢の多いBTOメーカーであっても、VSPECの方が群を抜いています。
そのため、自作PCは時間や技術的に難しいけど、自作PCと同じレベルで自由度の高いカスタマイズをしたい方におすすめのBTOメーカーとなっています。
大手のBTOメーカーだと、PCパーツのメーカーや型番は基本的に書かれていませんが、VSPECであれば全部書かれているので、メーカーなどにもこだわりたい方には良いですね。
また、全ての項目をカスタマイズしないといけないことはないですが、全部の項目を決めていくとなると相当時間がかかります。
なので、「CPUクーラーはこのメーカーが良いな…」「PCケースは強化ガラスで白ケースが良いな…」など、こういった選ぶ時間を楽しめる方であれば、ぜひ1度使ってみて欲しいです。
PCパーツが豊富でデザイン重視ユーザーに超おすすめ!【約100種】
PCのデザインを重視したい方にとっては、PCケースの豊富さは重要になってくるかと思います。
VSPECは、PCケースの豊富さで言うとBTOメーカーの中で一番で、約100種類のPCケースから選ぶことができます。(時期によって多少変動することはあります)
PCケースの豊富さ2番目のメーカーがSEVENで、約20種類なので、圧倒的に飛び抜けていることが分かります。
そのため、PCケースのデザインを自分好みにしたい方は、絶対に候補に入るBTOメーカーですね。
中身が見える強化ガラス、かっこいい白ケース、ワンポイントで光るオシャレなLEDライティング、高級感のあるアルミニウム製のケースなど色々な特徴のケースがあるので、
大手メーカーのような、コストや在庫削減のために黒色で無難な形状をした汎用的で万人受けするようなケースが嫌だ!という方には超おすすめです。
FX・株のデイトレ向けのパソコンがある
VSPECでは、BTOメーカーでは珍しいFX・株のデイトレ向けの多画面のPCも取り扱っています。
一般的なPCの違いは主に、マルチディスプレイに最適なGPUを搭載していることです。
GPUを搭載していないスタンダードPCの場合、CPU内蔵GPUになるので最大3画面までです。
ゲーミングPCのような高性能なGPUであれば、CPU内蔵GPUと合わせて結構な数を表示することができますが、デイトレに高性能なGPUは要らないので、その分PCの価格が高くなってしまいます。
そこで、デイトレ向けPCでは、そこまで高性能ではなく丁度良い性能、かつ、多くの映像出力ができるようなGPUが搭載されています。
これにより4、6、8、9、12画面とかなりの枚数を使ったマルチディスプレイ環境を構築することができます。
長期の取引やスイングトレードであえば同時に監視する銘柄は少ないので画面が1枚でも問題ありません。
なんならスマホ1つで取引できるぐらいです。
しかし、デイトレードとなれば、話は変わってきます。
デイトレードの場合は、秒、分単位で銘柄を監視し続ける必要がある上、1銘柄だけではなく、10~50と多くの銘柄を同時に監視する必要が出てきます。
銘柄の表示方法にもよりますが、通常の1画面や2画面のデュアルディスプレイだととてもじゃないですが狭すぎます。
そのため、こういったデイトレ向けのマルチディスプレイ環境が必須になります。
VSPECの自由度の高いフルカスタマイズについて
BTOパソコンメーカーであるVSPECでは、ベースとなるPCを選ぶとPCパーツなどを調整することができるカスタマイズ画面に行きます。
カスタマイズは少しPCの知識が必要なので難しく感じる方もいると思いますが、VSPECでは他のメーカーと比べてカスタマイズし易いのか、また、パーツの選択肢の多さやどういった感じでカスタマイズすればいいのか解説します。
パーツが多く自作PCレベルのフルカスタマイズが可能【BTOメーカーで一番】
VSPECでは、他のBTOメーカーと比べて圧倒的にカスタマイズ項目が多く、1つ1つの項目の中でも選択肢が多いです。
自作PCをする場合、自分でPCパーツを全て決めれるので最も自由度が高いですが、VSPECはそれと同水準の細かさでカスタマイズができます。
CPU, メモリ, グラフィックボード、ストレージなどの基本的なパーツだけでなく、次の項目もカスタマイズできます。
- CPUクーラー(空冷・水冷)
- CPUグリス
- マザーボード
- OC / LEDメモリー
- 最大5台のストレージ(M.2 SSD、SATA SSD、HDD)
- RAIDボード
- パーティション設定
- ケースファン
- イルミネーション
- サウンド機器
- 無停電電源装置(UPS)
- その他周辺機器(マウス、キーボード、モニター、モニターアーム、スピーカー、デスクなど)
基本的にカスタマイズは全ての項目を変更する必要はないですが、とにかく項目が多いので1つ1つ見ていくのは大変です。
そのため、手っ取り早くPCが欲しい方というより、1つ1つどんなパーツにしようか選ぶのも楽しい!と思える方向きですね。
ケンさん
それこそ時間や技術力がないけども、自作PCのような自由度の高さで色々カスタマイズして、自分だけのオリジナルのPCが欲しい方に最適なBTOメーカーです。
VSPECのカスタマイズ画面は、始めは「シンプルコース」という比較的選択肢の少ないカスタマイズ方式が選択されています。
上に挙げたパーツもカスタマイズしたい場合は、上級者向けの「フルカスタムコース」を選択する必要があります。
コースを選択するとカスタマイズが一度リセットされる仕様になっているので、フルカスタマイズしたい方は、まず最初に「フルカスタムコース」を選択しておきましょう。
PCケースの画像を見るには「フルカスタムコース」を選択
どんなPCケースがあるのかケース一覧を見たい場合は、カスタマイズ画面で見ることができます。
まずは、適当にベースモデルを選びましょう。
その次に「シンプルコース」から「フルカスタムコース」を選びます。
PCケースの「商品を見る」からケース一覧を見ることができます。
※フルカスタムコースにしないと「商品を見る」ボタンが表示されません。
画像の無いPCケースもありますが、その場合は、型番が載っているので検索してみましょう。
ケンさん
カスタマイズの項目とパーツの種類の豊富さについて述べましたが、PCケースについても例外ではありません。
PCケースは、約100種類から選ぶことができます。(取り扱い状況は時期によっても変わります。)
PCケースの特徴としては、中身が見える強化ガラス、かっこいい白ケース、ワンポイントで光るオシャレなLEDライティングなど様々。
また、静音性の高い密閉タイプや通気性が良く冷却性能が高くなるメッシュタイプ、高級感のあるアルミニウムと形状や素材も色々。
カラーバリエーションは、ブラック・ホワイトケースが多く、グレーや赤色が数点ある感じですね。
ケンさん
ここまでPCケースを取り揃えているBTOメーカーはほとんどありませんね。
特に大手メーカーだと、汎用的で万人受けするようなケースが多く、コストや在庫削減の観点から豊富な種類は用意していません。
そのため、スペックももちろん重要ですが、それと同じかそれ以上にデザインにもこだわりたい方は、絶対に一度は見ておきましょう。
フルカスタマイズなのでPC上級者向き
VSPECはシンプルコースでもカスタマイズ項目が多く、フルカスタムコースになるとさらに多くなります。
そのため、1つ1つ選んでいくだけで正直疲れるので、その選ぶ過程も含めて楽しめる方向きですね。
また、パーツの役割などの説明がなかったり、型番のみ表記で細かい仕様が分からなかったり、画像がないものも多いので外観が分からなかったりと少し不便なところがあります。
そのため、ある程度PCパーツについて知識があることが前提で、型番から検索して仕様や外観を調べられる方でないとなかなか難しいです。
そういう意味では、フルカスタムコースは上級者向きになるかなと思います。
型番での検索は、プルダウンメニューからは文字列のコピーができないので、「商品を見る」から一覧を出してそこからコピーして調べていくのが良いかなと思います。
VSPECの保証・サービスについて
どのPCメーカーも保証制度はありますが、VSPECではどのような保証があるのか解説します。
VSPECでは、主に次のような保証・サービスがあります。
- PC購入で無料で付く「1年標準保証」
- 3年まで保証できる「延長保証」
- PCを早く届けてくれる「短納期サービス」
- PC初心者に優しい「PC設置サービス」
PCに詳しくない初心者の方やもし飲み物とかこぼして壊れた時どうしよう…と考えてしまう方は検討してみましょう。
標準保証と延長保証について【最長3年】
標準保証は、PCを購入した際に無料で付いてくる1年間の保証です。
延長保証は、標準保証を延長することができる有料オプションで2年, 3年のどちらかで延長することができます。
保証の年数は標準保証も含まれたものなので、例えば3年だと、1年の標準保証 + 2年の延長保証で計3年間の保証を受けられる形となります。
延長保証の費用は次の通りです。
延長保証2年:12,100円
延長保証3年:24,200円
初期不良の対象となる期間は2週間で、他のメーカーと比較しても標準的な長さです。
また、保証の対象となるのは自然故障で、想定外の環境、部品の改造・分解、火災などによる損傷は対象外となります。
初期不良も自然故障も保険の対象であれば、動作不良のパーツを同製品の新品と交換してくれます。
飲み物をこぼしたり、落下したり、どこかにぶつけてしまったりなどの事故は物理破損で対象外になります。
VSPECでは物理破損も保証してくれるオプションがないので、ここもカバーしたい方はそのオプションがあるメーカーにしましょう。
修理費は故障の内容で変わってきますが、平均で5万円ほどかかるようなので、これを踏まえた上で延長や物損故障のオプションが必要そうかを考えると良いでしょう。
ケンさん
他のPCメーカーの保証との比較や延長保証はするべきなのかについてはこちらで解説してます。
≫ 関連記事:BTOメーカーの保証の内容や期間を徹底比較!【保証重視の方必見】
≫ 関連記事:パソコンの保証や延長保証は必要?何年にすべきなのか解説
PCを早く届けてくれる「短納期サービス」
VSPECでは、通常の納期が約10営業日のところを約5営業日にする「短納期サービス」があります。
通常の納期が約10営業日なので、土日祝が休み、運送のことを考えると手に届くまで2週間程度かかると思います。
正直、あまり早い方ではなく、BTOメーカーの中では比較的長いですね。
短納期サービスにすれば、おそらく1週間程度で手元に届くので、少しでも早くPCを使いたい方は選んでおくと良いでしょう。
カスタマイズ画面の下の方にある「納期指定」から選ぶことができます。
PC初心者に優しい「PC設置サービス」
パソコンの設置・初期設定などを代行してくれる『PC設置サービス』があります。
PCのケーブル接続や初回起動時のセットアップ、ネット接続、ブラウザ・メールなどの設定が分からない…、面倒だから全部丸投げしたい!という方に嬉しいサービスですね。
専門のスタッフが訪問して、パソコンの設置からインターネットの接続までの設定を行ってくれます。
オプションのプランとしては、モニタの台数、ネット設定の有無、デスク組み立ての有無、PCキッティング(基本設定や必要なソフトのインストール)などで変わり、価格も変わってきます。
一番安いプランで1万円とオプションとしては高いですが、実際に人が訪問して作業してくれるので、どうしてもこのくらいの価格になってきます。
その上で、この価格だとしてもPCの設定などを丸投げしたい!と思う方であれば検討してみましょう。
PC設置サービスのオプションは、「フルカスタムコース」時のみにしか出てこない項目なので、カスタマイズする前に必ず「シンプルコース」から「フルカスタムコース」に切り替えておきましょう。(切り替え時に選択した内容がリセットされるので必ず最初に変えること。)
カスタマイズ画面の下の方に「PC設置サービス」のオプションがあるので、必要な方は忘れずにチェックを入れましょう。
大手と比較するとサポートが限定的
VSPECはそこまで大きい会社ではないので、大手メーカーと比較するとサポートや保証の種類が限定的ではあります。
標準保証と延長保証は業界の水準ではありますが、物理破損やデータ復旧などのサービスはありません。
PCについて知識がある方であれば、ある程度対応できるので標準的な保証ぐらいあれば良いかなと思えるので、特に問題はありません。
また、問い合わせについては次の通りです。
お問い合わせ方法:電話・お問い合わせフォーム
お問い合わせ時間:電話は平日10:00~17:00(祝日11:30~17:00、土日は定休)
大手と比較するとチャットやLINEでの気軽でレスポンスの早いやり取りができなかったり、問い合わせ時間が短かったりと言ったデメリットがあります。
会社員の方だと平日10:00~17:00に電話するのは厳しそうなので、必然的にお問い合わせフォームからの連絡になると思います。
そうなると、やり取りに時間がかかってしまいますね。
大手だと24時間カスタマーサポートが付いていたりするので、問題が起きても早く解決すると思います。
これらの点が別に問題ない方であれば、VSPECはコスパも高いのでおすすめですね。
まとめ:自作PCレベルの自由度の高さでフルカスタマイズしたい方は絶対VSPEC!
VSPECの、PCパーツやケースの豊富さ、カスタマイズのし易さ、セールなどの特徴を説明しました。
他のメーカーと比べても、カスタマイズの項目数、PCパーツやケースの豊富さは群を抜いてトップクラスとなるでしょう。
知識・技術・時間などの理由から自作PCはなかなか難しい…でも、自作PCレベルで自分好みなPCが欲しい方に最適なBTOメーカーです。
1つ1つ選んでいくのは大変ですが、その大変さも楽しめるぐらいPC上級者向けのBTOメーカーで、色々自分好みにフルカスタマイズして、自分だけの1台を手に入れましょう。
PCは1度買うと4,5年は使うと思うので、後悔のないように徹底的にこだわってやりましょう!
他のメーカーの特徴や良い点・悪い点、コスパ・デザイン・サービスなどの重視別の紹介もまとめているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:PCメーカーの一覧と重視別おすすめPCメーカーを解説【20社】