- ゲーミングPCが欲しいんだけど、メモリ容量ってどれくらいが最適なの?
- 動作環境のメモリ容量じゃなくて実際ゲームで確認したデータが知りたい!
- メモリ容量が過不足の場合ってどうなるの?
色々なゲームをベンチマークした結果を元に、最近のゲームでは、どのくらいのメモリ容量が最適なのか解説していきます。
結論から言うと、
最近のゲームであれば、メモリ容量16GBが最適です。
8GBだと足りないゲームも多いですし、32GBは持て余してしまうでしょう。
ただ、ブラウザや2Dゲームしかしない方であれば8GBもアリ。
他にもゲーミングPCの目安スペック、ベンチ結果、よくある疑問、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
目次
ゲーミングPCはどれくらいのメモリ容量が必要か結論
メモリ容量は16GBが最適と結論付けたのですが、他も含めて、そのメモリ容量だとどうなってしまうのか解説してきます。
なぜ、最適なメモリ容量がこれになったかの検証については後程解説していきます。
メモリ容量:16GB【おすすめ】
3Dゲームをするには最適なメモリ容量で、メモリが原因でゲームがカクついたり、動作しないといったことはありません。
実際にいくつかのゲームで確認しましたが、メモリ消費量が多くなりがちな重い3Dゲームであっても、約13GBのメモリ使用量(※)だったので、少し余裕がある状態です。
※ゲームだけでなく、OSなどPC全体のメモリ使用量
最近のゲーミングPCのメモリ容量が最低でも16GBであること、どのゲームも推奨動作環境のメモリ容量が16GB以内に収まっていることからも、ゲームをする上でメモリ容量は16GBが最適です。
メモリ容量:8GB 【2Dゲームならアリ】
メモリ8GBは、インターネットや動画視聴などの普段使い、ビジネス用途の標準的な容量です。
ゲームを遊ぶには、軽めの3Dゲームがものによってはいけるかも?と言う程度で、3Dゲームを遊ぶ分には明らかに不足しています。
ただし、ブラウザゲームや2Dゲームを遊ぶ分には8GBでもOKです。
2Dゲームは3つほどしか試していませんが、どれも8GBのPCでも快適に動作しました。
2Dの中でも、グラフィックが良くてメモリ使用量も高いものだと難しいかもしれませんが、3Dゲームほど容量が必要なことも無いですし、大体の2Dゲームはできるんじゃないかなと思います。
そのため、ブラウザゲームや2Dゲームしかしないという方であれば、メモリ容量は8GBもアリですね。
一方で、少しでも3Dゲームをする、したくなるかもしれない…という方は16GBがおすすめ。
メモリ容量:4GB 【メモリ不足】
メモリ4GBは、普段使いの用途でもあまりおすすめできない容量です。
ブラウザで2,3個タブを開けばメモリが一杯になる程度の容量なので、ゲームをするにはあまりにメモリ不足です。
動作がカクつく以前に、起動も難しいかもしれませんね。
ゲーム用途でPCを検討しているのであれば、絶対に避けましょう。
メモリ容量:32GB or 64GB【多すぎ】
最適なメモリ容量は16GBですが、それ以上に多い32GB、64GBはアリなのか気になる方もいると思います。
重い3Dゲームでもメモリの使用量はPC全体で約13GBなので、32GB以上はゲームをする分には多すぎます。
ゲーム用途自体、リソースをある分だけ使う(32GBあれば32GBギリギリまで使う)ような用途ではないので、メモリ容量がありすぎてもあまり意味はありませんね。
多くのメモリ容量が使われないままになってしまうので、そこにお金を掛けてしまうのはもったいないので、本当に32GB以上必要なのかもう一度考え直しましょう。
例えば、ゲーム以外にも、ゲーム実況などで動画編集をするという場合であれば、32GB以上でもOKです。
クリエイティブな用途は何かとメモリ容量が必要になってくるので、普通に動画編集する分には16GBでも行けますが、編集のクオリティを追求し始めると32GB以上あった方が良いです。
このように、ゲーム以外にも用途があって、そちらの用途で32GB以上必要なのであれば全然OKです。
しかし、ゲームのみや普段使いなどのメモリをあまり使わない用途のみで32GB以上の容量は少しやり過ぎです。
メモリ不足は動作しない・カクつきの原因
ゲームを起動するときに、あるいは、ゲーム中にメモリ容量が不足することになれば、次の2つの現象が発生します。
- ゲームの動作が重くなり、カクカクになる
- ゲームを実行できない、または、ゲームが強制終了する
PCの仕組みとして何かプログラム(ゲーム)を実行すようとすると、プログラムを実行するのに必要なメモリを確保したり、様々なデータを読み込んで処理したりすることでメモリ使用量が増えています。
必要なメモリを確保できない、メモリ増加で使えるメモリが無くなってしまう場合、それ以上プログラムを実行できないので、メモリ不足の旨の警告が出たりして終了します。
また、終了しない場合もありますが、その場合は、メモリに保存されている優先度の低いデータを一時的にストレージ(SSD/HDD)に退避(移動)させる(=スワッピング)ことでゲームに必要なメモリを確保しようとします。
退避させたデータは、また必要になればメモリに戻します。
何だ!メモリ不足になっても上手いことやってくれるじゃないか!
と思われるかもしれませんが、これが発生するとゲームの動作が重くなり、カクカクになります。
とてもじゃないですが、快適にゲームができているとは言えない状況になります。
なぜ重くなるかと言うと、メモリを一時的にSSDやHDDに退避する際に、データの移動が発生するわけですが、このデータ転送速度がメモリと比べて遅いからです。
速度が速いと言われるSSDですら、メモリと比較すると速度は遅いので、データを退避している間に待ち時間が発生します。
この待っている間はプログラム(ゲーム)は止まってしまうので、コンマ数秒~数秒のプチフリーズが頻発することになります。
他の処理が進まず、最終的にゲームの動作が重くなることに繋がるというわけです。
そのため、メモリ容量は多くなくても良いので、最低限のボーダーラインを超えるようにしておきましょう。
メモリ容量が不足しないことの重要性を分かって頂けたと思いますので、ゲームのベンチマークのメモリ使用量を元に、どのくらいの容量が最適な見ていきましょう。
ゲーミングPCはどれくらいのメモリ容量が必要か検証
最適なメモリ容量を検証するために、前提となる検証方法を共有しておきます。
メモリ容量の検証方法【7ゲーム検証】
メモリ容量の検証は、ゲームのベンチマーク実行中にMSI Afterburnerでログを記録して、ゲーム毎にメモリ使用量の最大値を参考にします。
MSI Afterburnerは、メモリ使用量、CPU, GPU使用率、温度など様々なハードウェア情報を記録できるツールです。
このようなログが取れ、その中の”RAM usage”を参考します。
このメモリ使用量は、PC全体のメモリ使用量です。
ゲームのみではないので、できるだけゲーム以外のメモリ使用量が変わらないように、ゲームのベンチマークやMSI Afterburner以外は何も実行していません。
ゲーム以外のメモリ使用量のほとんどがOS分だと思いますが、Windows 11だと起動時のメモリ使用量は4.5GBです。
この4.5GBにゲーム分のメモリ使用量が乗っかってくるので、最低でもこの合計容量+α(余裕分)のメモリ容量を搭載しているPCが必要になります。
今回ベンチマークするゲームは、以下の7つのゲームを対象とします。
- Rainbow Six Siege
- DQX
- FF14:暁月の終焉
- PSO2:NGS
- Far Cry 6
- FF15
- Watch Dogs: Legion
基本的に、下に行くにつれて重い3Dゲーム(=FPSが低いゲーム)になるので、メモリ使用量は増えるんじゃないかなと予想しています。
それぞれのゲームで画質設定を選ぶことができ、設定によってテクスチャや光・影などのクオリティが違います。
メモリに関して言えば、設定が高い方がメモリの使用量が高くなるので、最大値を取れるように、画質設定は”最大”にして検証します。
解像度は、1,920×1,080のFHDで行います。
検証は、GALLERIA ZA7C-R37Tでやっていきます。
製品名 | GALLERIA ZA7C-R37T |
---|---|
CPU | Intel Core i7-12700K (12コア/20スレッド, 2.70GHz-5.00GHz) |
メモリ | 16GB |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti 8GB GDDR6X |
ストレージ | 1TB(NVMe SSD) |
メモリ容量の検証結果【現状16GBが最適】
ゲームのベンチマーク実行後、MSI Afterburnerのログを頼りに、各ゲームでメモリが最大値になったときの容量をまとめると次のようになります。
ゲームタイトル | 推奨動作環境のメモリ容量 | 実際に使用したメモリ容量 |
---|---|---|
Rainbow Six Siege | 8GB | 10.83GB |
DQX | 3GB | 6.25GB |
FF14:暁月の終焉 | 8GB | 8.41GB |
PSO2:NGS | 8GB | 8.52GB |
Far Cry 6 | 16GB | 11.71GB |
FF15 | 16GB | 10.89GB |
Watch Dogs: Legion | 8GB | 12.72GB |
検証したゲームの中で、Watch Dogs: Legionの12.72GBが一番メモリ使用量が高いので、これをカバーできる16GBが最適なメモリ容量となりますね。
16GBあれば、重めの3Dゲームまで幅広くカバーすることができますし、ゲーム中にブラウザで色々調べたりする余裕もありますね。
他のゲームを見ても10GBあたりが多いので、どのゲームもこのくらいのメモリ容量で実行できるように設計されているような感じはありますね。
ゲーム会社側もたくさんのユーザーが遊べるように、それほど高いスペックを要求しないように設計しているはずです。
もし、メモリ8GBだとDQXなど軽めの3Dゲームがかろうじてできるぐらいですね。
3Dゲームができるので、2DゲームやブラウザゲームもOKです。
中には、推奨動作環境のメモリ使用量を超えているものがいくつかありますが、これは動作環境の情報がリリース当時のもので古いためだと思います。
Windowsの8, 10, 11とバージョンが上がる度、メモリ使用量が高くなる傾向がありますし、ゲーム自体のアップデートによるものも影響してそうなので、それらが影響していそうです。
ちなみに、同じゲームで画質設定が変わったら、どのくらいメモリ使用量が変わるにか気になったので、そちらも調べてみました。
一番メモリ使用量が高かったWatch Dogs: Legionでまとめると次のようになります。
画質設定 | 実際に使用したメモリ容量 |
---|---|
推奨動作環境 | 8GB |
Ultra | 12.72GB |
Very High | 12.46GB |
High | 12.37GB |
Medium | 12.GB |
Low | 12.32GB |
ゲームの画質設定によって、メモリの使用量は変わらないみたいですね。
他のゲームもいくつか見てみましたが、大きな変動はなく誤差程度でした。
おそらく画質設定で影響があるのは、GPU使用率やGPU内のメモリ容量だと思うので、PC全体のメインメモリにはあまり影響ないのだと思います。
最近のゲーミングPCのメモリ容量
最近のゲーミングPCであれば、低めのスペックだとしてもメモリ16GBが標準仕様となっています。
なので、特にアップグレードしたりとか、メモリ容量を気にして選ばないといけないとかはしなくてOKですね。
※中古やフリマアプリ等で売買されているものではなく、PCメーカーが販売しているゲーミングPCに限ります。
ちなみに、ゲーミングPCでは、メモリ32GBは珍しい方でほとんどが16GBです。
普通にゲームする分には、現状は32GBも要らないですね。
もし、ゲームの生配信やゲーム実況のために録画しつつゲームをするような場合は、32GBあった方が良いかもしれません。
まとめ:ゲーミングPCのメモリ容量は16GBがおすすめ!
実際にいくつかのゲームをベンチマークして、どれくらいメモリ容量があれば良いのかを検証しましたが、結論としては次のようになります。
最近のゲームであれば、メモリ容量16GBが最適です。
8GBだと足りないゲームも多いですし、32GBは持て余してしまうでしょう。
ただ、ブラウザや2Dゲームしかしない方であれば8GBもアリ。
ゲーム会社としても、必要なスペックを高くし過ぎると遊んでくれる人が少なくなるので、そこはユーザーの手の出しやすいスペックで遊べるように設計されています。
そのため、メモリ容量も含めて、そこまで高いスペックが必要になることは滅多にないです。
また、メモリをいくら搭載したとしても、ゲーム用途自体が、リソースをあるだけ使うような用途ではないので、メモリ容量がありすぎてもあまり意味はありませんね。
他にもゲーミングPCの目安スペック、ベンチ結果、よくある疑問、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!