- ゲーミングPCを考えてるけどゲーム以外にもプログラミングってできるの?
- ゲーミングPCとプログラミング向けのPCって違いは何なの?
ゲームメインなのでゲーミングPCを検討しているけど、プログラミングも少しやりたいと考えている方もいらっしゃると思います。
最近は、手に職を付けたい!何か自分でツールを作ってみたい!という考えからプログラミングも人気な上、書籍だけでなくWeb上で勉強できるサービスも増えており、昔に比べて手が出しやすい環境となっています。
そこで、プログラミング歴約15年、ゲームもプログラミングもしていて、メーカーから実機を借りて色々ベンチマークしている私が、今までの経験も交え解説していきます。
ちなみに私は、プログラミングでWeb制作、Windows向けアプリ、スマホアプリ(iOS, Android)、データ分析、AI学習をやっているので、色々な視点から解説できると思います。
結論から言うと、
ゲーミングPCでプログラミングは基本的に快適なので何も心配いりません。
ただ、AI学習・データ分析をゴリゴリする場合は、もしかするとスペック不足になる可能性があります。
ケンさん
他にゲーミングPCでよくある疑問、目安スペック、ベンチ結果、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
目次
ゲーミングPCとプログラミングPCの違い
ゲーミングPCとプログラミング向けPCで、どういう部分が違うのか、スペックなどを比較しつつ解説していきたいと思います。
違いを知っておくことで、必要であれば柔軟にカスタマイズできるようになります。
まずは、ゲーミングPCとプログラミング向けPCのスペックを比較してみましょう。
ただ、PCメーカーにはゲーミングPCのカテゴリーがありますが、プログラミングにはそう言ったカテゴリーは無いので、スタンダードPCと普段私が使っているPCのスペックを参考にします。
サンプルとなるPCは、メーカーが変わってしまうと価格感などが変わってしまうため、マウスコンピューターに統一しています。
ミドルレンジスペックの比較
ゲーミングPC (G-Tune EL-B) | プログラミング向けPC (mouse X4-R5) | |
---|---|---|
CPU | Intel Core i5 12400F (19,791) | AMD Ryzen 5 5560U (15,477) |
メモリ | 16GB | 8GB |
GPU | GeForce RTX 3050 | AMD Radeon グラフィックス (CPU内蔵GPU) |
ストレージ | NVMe SSD:512GB | NVMe SSD:256GB |
価格 | 174,900円 | 109,800円 |
どちらも、その用途で使う場合に適したミドルレンジクラスを選びました。
ゲーミングPCの方が高いので、スペック的にもゲーミングPCの方が高くなります。
スペック面:全てにおいてゲーミングPCが上
CPUは同じミドルレンジですが、PassMarkのスコアではゲーミングPCの方が上です。
その他も、ゲーミングPCの方が上で、GPUに関しては、グラフィックボードとCPU内蔵GPUなのでかなり開きがあります。
また、ストレージ容量に関しても、ゲームはFortniteやFAR CRY 6などの規模の大きな3Dゲームで平均約60GB(アップデートや余裕を見て80GB程度)に対して、プログラミングは、1ツール当たり、数百MBから多くても1GBぐらいです。
そのため、容量もゲーミングPCの方が多くなっています。
このように、PCの性能を大きく左右するCPU・メモリ・GPU・ストレージは、全てにおいてゲーミングPCの方が上なので、プログラミングも問題なくできます。
逆に、プログラミング向けのPCでゲームをしようとすると、グラフィックボードが搭載されていないですし、メモリやストレージ容量も足りないということになります。
モニター面:リフレッシュレートとマルチモニター
モニターについても、ゲームとプログラミングで意識しなければいけない部分が異なります。
ゲーミングPC :モニターのリフレッシュレート(Hz)
プログラミング向けPC:モニターの作業領域の広さ(枚数)
ゲーミングPCの場合は、どれだけヌルヌルに動作するかが重要なので、モニターのリフレッシュレートを見ておく必要があります。
ゲームの快適さを示す指標としてFPS(※)がありますが、モニターのリフレッシュレートがFPS以上でなければ意味がありません。
※FPSとは、1秒当たりに描画されるフレーム数(frames per second=フレーム毎秒) を表しており、数字が高い方がヌルヌルで快適に動作します。
普通のモニターは60Hzなので、ゲームで60より高いFPSが出ていても表示しきれないことになります。
例えゲームで120FPSでていたとしても、60Hzの普通のモニターを使っていると60FPSまでしか表示できないので、120Hz以上のゲーミングモニターが必要になります。
また、なぜFPSが重要なのかについてはこちらを参考にして下さい。
≫ 関連記事:ゲームのFPS(フレームレート)とは?向上/計測方法も解説
一方で、プログラミングの場合は、どれだけ広い画面で作業できるか作業効率に大きく関わってきます。
プログラミングする時は、開発エディターと調べもの用にブラウザを開いて進めるので、これを1画面で表示するのは状況によっては厳しい時があります。
例えば、開発エディターでコードを1つ表示してブラウザであれば見れなくはないですが、コードを2つ表示した上に、ブラウザで何か調べたい場合は画面を切り替えないと厳しいです。
画面の切り替えが入ってしまうと作業効率が落ちてしまうので、やはりデュアルモニタにして効率よく進めたいものです。
≫ 関連記事:効率、生産性ってデュアルモニタで上がるのという話【論文・実体験】
このようにモニターと言ってもゲーム向けとプログラミング向けで見るべきところが違います。
ですが、ゲームやプログラミングが初心者の方は、ここまで気にする必要もないと思います。
普通のモニターでも60FPSまでしか出ませんがゲームは快適にできますし、プログラミングもめちゃくちゃやりづらいことも無いです。
ゲームのプロやストリーマー、プログラマー・エンジニアなどの方であればここまで追求しますが、自分がどこまで追求するのかや予算の兼ね合いで決めると良いでしょう。
ゲーミングPCでプログラミングはできるのか?【ほぼ快適】
スペックではゲーミングPCの方が高く問題ないことが分かって頂けたと思いますが、もう少しプログラミング視点を深掘りして解説していきます。
プログラミング中は高いスペックは不要
そもそもプログラミング自体は、それほど高いスペックは必要ありません。
プログラミングは、基本的に開発エディターにコードを書いて、実行するためにビルド(※)するだけです。
コードを書くのは文字を書くだけなので、PCの負荷的な話をするとメモ帳に文字を書いているのとほぼ変わりません。
コードを書いた時に、開発ツールが自動的にエラーチェックなどをしていますが、それでも負荷はほぼありません。
また、ビルドについても、個人や数人で開発する規模感のソフトウェアであれば、それほど負荷も時間もかかりません。
そのため、プログラミングをする際には、それほどスペックは必要ありません。
※ビルドとは、ソースコードファイルや画像などのリソースファイルをexe形式などの1つの実行ファイル(ソフトウェア)に変換すること。
ソフトウェア実行時は場合によって高いスペックが必要
プログラミングする時は、それほどスペックは必要ないと言いましたが、作ったソフトウェアを実行する際はまた別の話になってきます。
ソフトウェアを実行する際は、プログラミングした処理を順に実行していくことになるわけですが、そのコードを処理していくためにPCに負荷がかかります。
プログラミングにおいては、おそらくこの実行時に一番スペックが必要になります。
ケンさん
ただ、プログラミングによってはソフトウェアの実行が自分のPC以外になることもあります。
例えば、スマホアプリであれば実行環境は基本的にスマートフォンになるので、実行時におけるPC側の負荷はありません。
また、ウェブ開発においてもPHPなどの処理に関してはサーバー側で行うので、これもPC側の負荷(※)はほぼありません。
※プログラムで処理した結果をHTMLとして表示したり、CSSのデザインを適用するのはブラウザ側の役割なので、PC側の負荷となりますが、全然大したことはありません。
※ローカル(=自分のPC内)でサーバーを立てて検証する際にはPHPなどのプログラム処理も自分のPCで行うことになるので、PC側の負荷となります。
経験則で言うと、ミドルレンジスペックもあれば、Windows向けアプリ、スマホアプリ、Web開発は大丈夫ですね。
ただし、データ分析・AI学習においては、場合によってはハイスペックなものが必要になってきます。
この2つのソフトウェア開発は、上手く実装することでCPU・GPUのリソースをあるだけ使うことができるので、スペックが高ければ高いほど高速に処理できますし、メモリを増やせば扱えるデータ件数も増やすことができます。
この分野は、データ件数やAIの規模によって必要なスペックが全然違うので、ミドルレンジPCでも十分なこともあります。
検証用であればミドルレンジPCでも良いですが、実際の問題解決のために数万件、数千件のデータを処理するようなケースになるとハイエンドなデスクトップPCが必要になってきます。
デスクトップが良い理由としては、知識は必要なもののメモリやストレージ増設などが状況に応じでできること、長時間で高負荷な処理に耐えられるからです。
私は、プログラミングをするためにミドルレンジのノートPCとハイエンドのデスクトップPCを使っていますが、Windows向けアプリ、スマホアプリ、Web開発は、外出先でもできるように利便性の高いノートPCでやります。
一方で、データ分析・AI学習はプログラミング自体は、ノートPCとデスクトップPCの両方でしますが、実際にツールを実行するのは、負荷に耐えられるようにデスクトップPCで行っています。
基本グラボは不要、ゲーム制作・AI学習は必要
プログラミングにおいては、基本的にはグラフィックボードは不要です。
それほど高いグラフィック性能は必要とせず、CPU内蔵GPU(グラボなし)の性能で大丈夫です。
ただし、ゲーム制作などの3DCG関連やAI学習については、グラフィックボードが必要です。
プログラミングのために必要というより、ゲームとして3Dモデルなどを快適に表示させるためという感じですね。
そもそも、3Dゲームをする時にグラフィックボードが必要なので、ゲームを開発する時にも同じく必要になってきます。
また、AI学習は、AIの種類にもよりますが、GPUの演算能力を使って高速に学習させることができるので、グラフィックボードはあった方が良いですね。
勉強用や検証用で、GPUほどの性能がなくてもAIの学習が十分だとしても、GPUを使うためには環境構築や実行方法が異なってくるので、勉強のためにもあった方が良いです。
ただ、普段持ち運びのためにノートPCで、グラフィックボードを搭載するより、軽さ・コンパクトさを重視したい方は、無くても良いかなと思います。
ケンさん
ミドルレンジ(Core i5, 8GB, CPU内蔵GPU)でも十分
基本的にプログラミングは、それほどスペックが必要な用途では無いので、Web制作、Windows向けアプリ、スマホアプリ(iOS, Android)、検証・勉強レベルのAIであればミドルレンジクラスで十分でしょう。
そのため、PCメーカーのゲーミングPCから選べば、低いスペックをであってもこのレベルは超えるので特に心配はいりません。
ただ、メモリに関しては、次の理由から8GBから16GBの方が良いかなと思います。
- 開発エディターとブラウザで調べ物をしながらなど他のツールも使いつつプログラミングを進めるため。
- 時代の流れ的に、メモリの標準的な容量が8GBから16GBに変わりつつあるため。
私は、メモリ8GBのノートPCを使っていますが、2018年発売の4年前のものです。
もし、次新しくするなら間違いなくメモリは16GBにしますね。
ここに関しても最近のゲーミングPCの標準メモリは16GBなので問題ありませんね。
結論:基本的にゲーミングPCで超快適です
ゲーミングPCでプログラミングができるかについて、スペックの違いや経験から解説してきました。
結論をまとめると
ゲーミングPCでプログラミングは基本的に快適なので何も心配いりません。
ただ、AI学習・データ分析をゴリゴリする場合は、もしかするとスペック不足になる可能性があります。
例え、ゲーミングPCの中でもスペックが低めなものを選んだとしてもプログラミングはOKです。
AIに関しては、検証用・勉強用であればミドルレンジでも大丈夫だと思いますが、実際にAIを問題解決のために使おうとするとデータ件数やAIの規模感が大きくなり、一気に負荷が高くなったりするので、ハイスペックPCは欲しいですね。
とは言え、あまり負荷が高くならないこともあるので、必ずしもスペック不足になるとは言い切れません。
他にゲーミングPCでよくある疑問、目安スペック、ベンチ結果、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
また、プログラミングやAI・データ分析向けの目安スペックなども解説しています。
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このあたりの目安スペックとゲーミングPCの目安スペックを比較するのも参考になると思います。