- ゲーミングPCの容量ってどのくらいが良いの?
- ストレージにはSSD、HDDとか種類あるけど何がいいの?
ゲーミングPCを選ぶときに気になるのが、ストレージの容量をどのくらいにすれば良いのかとストレージの種類だと思います。
私は、PCの実機レビューをする際に、たくさんのゲームを実際にインストールして容量を確認していますし、ストレージの種類の違いによるパフォーマンスの差もチェックしているので、参考になるかと思います。
先に結論を言うと次のようになります。
・1~3ゲームで十分という方 ⇒ 512GB
・4~10ゲームを入れたい方 ⇒ 1TB
・ゲームの実況動画を撮りたい方 ⇒ 2TB以上
4~10ゲーム+動画分
※ストレージの種類はSATA SSD以上で、できればNVMe SSD
※規模感の大きい3Dゲーム(1本80GB程度)を想定
他にもゲーミングPCの目安スペック、ベンチ結果、よくある疑問、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!
目次
ゲーミングPCの容量の目安
ゲームの容量は、公式ページにある動作環境に書いているので、大体必要な容量は分かります。
大体、”最低○○GBの空き容量は必要“と書かれているので、最低でもその容量を用意しておく必要がありますが、ゲームのアップデートなどで動作環境の容量を超えたりする場合もあったりします。
一番確実なのは、実際にゲームをインストールしてみて自分で確認してみることがですが、そんなのは面倒だと思うので、実際にいくつかインストールしてチェックした容量を元に考察していきます。
世の中に出ているゲームは数多くあるのでプレイしたいゲームは無いかもしれませんが、大体1ゲーム当たり、このくらいの容量が必要なんだと参考になると思います。
また、色々なゲームを遊びたい方も、容量の大体の平均値を知っておけば、容量を選ぶ際の参考になります。
3Dゲーム別の容量
実際に計測した3Dゲームの容量は次の通りです。
ゲームタイトル | 動作環境の容量 | 実際の容量 |
---|---|---|
Apex Legends | 22GB以上 | 84GB |
Rainbow Six Siege | 85.5GB以上 | 56GB |
Fortnite | – | 24GB |
Far Cry 6 | 60GB以上 | 77GB |
Watch Dogs Legion | 80GB以上 | 57GB |
Human: Fall Flat | 500MB以上 | 3.3GB |
Snakey bus | 1GB以上 | 1.5GB |
規模の大きめな3Dゲームは、実際の容量で大体25~85GB程度、平均約60GBです。
また、Human: Fall FlatやSnakey busなどの小規模な3Dゲームだと数GB程度の容量が必要ですね。
動作環境の容量は、ゲームをインストールするために必要な空き容量を示しているので、実際の容量はその容量より少ないはずですが、Apex Legends, Far Cry 6, Human: Fall Flatのように動作環境の容量を超えてしまう場合があります。
おそらく、ゲームがアップデートされた際に、その分を含めたデータ容量で更新できていないのでしょう。
そのため、動作環境のギリギリの容量が空いていれば大丈夫というわけではありません。
また、実際の容量を定期的にチェックしていますが、アップデートによって10GB程度増減したりもします。
必ずしも、容量が増えるだけではなく、ステージや機能などの入れ替えや削除によって減ったりすることもあります。
アップデートによる容量増加も考えると、1本あたり80GBぐらいで見積もった方が良いでしょう。
プレイしてみたいゲームが決まっている場合は、80GB×ゲーム数でざっくり計算しておきましょう。
とは言え、新しいゲームをどんどん買っていくような方であれば、さらに余裕のある容量が良いですね。
2Dゲーム・ブラウザゲームの容量
実際に計測した2Dゲームの容量は次の通りです。
ゲームタイトル | 動作環境の容量 | 実際の容量 |
---|---|---|
Among Us | 250MB以上 | 430MB |
ブラウザゲームは、ブラウザ上で動作し、PC本体にゲームがインストールされるわけでは無いので容量を気にする必要はありません。
2Dゲームは、3Dゲームと比べて全体的に容量は少なく、数MBから数GB、多くても十数GB程度です。
高画質なムービーを使ったストーリーが多いゲーム(プリンセスコネクトなど)だと10GB前後が多いですね。
数MBや数GBであれば、あまり気にしなくてもいい容量なので、規模の大きい3Dゲームや2Dゲームの中でもストーリーでムービーが流れるゲームをいくつかプレイしたい方は気を付ける必要があります。
OSや他のデータも含めた容量の目安
ゲームの容量は大体わかってきましたが、この他にも次のようなことを考える必要があります。
- OSやゲーム以外のデータをどれぐらい使うのか
- ある程度余裕を持った容量にすること
OS自体の容量は、Windows 11で35GB、Windows 10で26GB程度必要です。
ただ、ネットサーフィンやソフトを使うことでキャッシュデータ(※)が溜まるので、その分も見越して容量に余裕を持たせておく必要があります。
私が4年ほど使っているWindows 10のPCでは、43GBまで増えているので、OSで50GB分程度は見ておきましょう。
※キャッシュとは、閲覧したウェブページのデータなどを一時的に保存して、次回以降にデータを使うことで素早く表示する機能のこと。
ケンさん
また、ゲーム以外にもOfficeデータや写真・音楽・動画などを保存する場合は、その容量も考えておいた方が良いでしょう。
PCの買い替えで、データ移行も考えている場合であれば、どの程度の容量か分かると思うので、それ+αぐらいや今までのデータの増え具合から、「次のPCは大体このくらいの容量でいけるだろう…」と考えましょう。
そうでない場合は、どの程度保存するかなんて実際に使ってみないと分からないと思うので、「Officeデータメインだから全部で5GBぐらい空けとくか…」「動画よく保存するから200GBぐらい見ておくか…」みたいな感じでざっくり考えておいた方が良いでしょう。
最悪、USBメモリや外付けのポータブルSSD・HDDなどにデータを逃がす方法もあるので、空き容量が無くなったら、データを消さないといけないことはありません。
おすすめのポータブルSSDやUSBメモリも紹介しています。
≫ 関連記事:PC歴約20年の私が使っているおすすめの周辺機器紹介
ゲーミングPCのストレージの決め方
ゲームの容量の他に、ストレージの種類(≒データ転送速度)も気を付ける必要があります。
ストレージの種類(NVMe SSD, SATA SSD, HDD)と違い
ストレージの種類には、大きく分けるとSSDとHDDに分けられ、さらに、SSDの中にもSATA SSD, MVMe SSDの2つがあります。
製品にもよって変わってきますが、大雑把にこの3種類を”容量”, “データ転送速度”, “容量あたりの価格”をまとめると次のような違いがあります。
規格 | 容量 | データ転送速度 | 容量あたりの価格 |
---|---|---|---|
NVMe SSD | 256GB, 512GB, 1TB, 2TB | 2300~3500MB/s | 高い |
SATA SSD | 256GB, 512GB, 1TB, 2TB | 450~550MB/s | 普通 |
HDD | 1TB, 2TB, 4TB, 8TB | 130~150MB/s | 安い |
この中のデータ転送速度が重要で、この違いによって、ゲームの起動時間やフィールドなどが変わる時のロード時間が短くなります。
結論を言うと、HDDはNGで、SATA SSDかNVMe SSDを選びましょう!
最近のゲーミングPCであれば、ほとんどNVMe SSDが搭載されているので、それほど迷うことはありません。
データ転送速度をグラフにすると次の通りです。
グラフを見るとNVMe SSDが圧倒的で、SATA SSDと比べても4倍ほど速いですが、ゲームのロード時間が1/4になるかと言われればそのようなことはありません。
それよりも、HDD(130~150MB/s)とSATA SSD(450~550MB/s)で大きく速度が変わってきます。
また、容量あたりの価格についてですが、SSDが登場した当時は、512GBでも結構な値段はしましたが、最近は、SSDも安くなっているので、1TB程度までなら、気軽に手を出せる値段になっています。
ただ、NVMe SSDの2TBとかになると3万円前後になってくるとで、ちょっと手の出しにくい価格になってきます。
データ転送速度でゲームの起動、ロード時間が違う
3種類のストレージで、FF14のベンチマークをしてロード時間を比較してみましょう。
このベンチマークは、ゲームのGPUの性能計測だけでなく、シーンが変わる際のロード時間も計測してくれます。
規格 | 読み込み速度 | ロード時間 |
---|---|---|
NVMe SSD | 2839.64MB/s | 11.872秒 |
SATA SSD | 562.67MB/s | 16.348秒 |
HDD | 173.74MB/s | 34.359秒 |
※ロード時間は、5シーンのロード時間の合計
一番速いのはNVMe SSDで11.8秒で、その次にSATA SSDで5秒弱プラスの16.3秒となります。
NVMe SSDは製品によっても変わってきますが、9秒台もあったのでやはり、NVMe SSDが速いです。
一方で、HDDは、SATA SSDの2倍以上の34秒という結果なので、HDDは避けた方が良いでしょう。
実際にベンチマーク中の画面を眺めていましたが、体感的にもNVMe, SATA SSDはそれほど気にならなかったですが、HDDはかなり遅いと感じました。
ベンチマークだから良いもののゲーム中のバトル開始時やフィールドが変わる時に、SSDと比べて2倍長くなるのは耐えられないと思います。
この結果から、できるだけNVMe SSDの方が良いがSATA SSDも許容範囲内、HDDは絶対避けるべき!という結論になります。
とは言っても、最近はどのPCでもNVMe SSDが使われていて、HDDが1台単体のゲーミングPCはほぼほぼ無いので、それほど気にしなくても大丈夫です。
ゲームの起動時が遅いのであれば最悪我慢もできますが、ロード時間となると1ゲーム毎、あるいは、1ゲームの中でも場所の移動時など色々なタイミングでロードされます。
そんな時に、ロード時間が長いとさすがにテンションが下がりますよね。
と言う訳で、HDDはNGです。
【注意点】ストレージ構成がSSD+HDDの場合はSSDにゲームをインストール
ゲームをインストールする際の注意点としては、ストレージ構成がSSDとHDDの場合は、SSDにゲームをインストールしてください。
最近のPCのストレージ構成は、NVMe SSD 1台が主流となっています。
ゲーミングPCであれば、最低ラインとしてNVMe SSDの512GBですね。
また、少し性能の高いPCを見ると、SSD 1台とHDD 1台の計2台のリッチなストレージ構成のものがあります。
メインストレージがSSDになるので、OSはSSDにインストールされて出荷されます。
この時に、ゲームをHDDに入れてしまうと、起動時間やロード時間が長くなってしまうので、SSDにインストールするようにしましょう。
基本的に、SSDとHDDの2台のストレージ構成の場合は、OSやアプリ、ゲームはSSDの方に入れるのが一般的です。
他に、Officeのデータ、写真や動画などのメディア、その他自分が作成したデータなどを保存するのにHDDを使います。
ケンさん
まとめ:1つのゲームを楽しむのか、色々楽しむのか自分のゲームスタイルを再確認しよう!
・1~3ゲームで十分という方 ⇒ 512GB
・4~10ゲームを入れたい方 ⇒ 1TB
・ゲームの実況動画を撮りたい方 ⇒ 2TB以上
4~10ゲーム+動画分
※ストレージの種類はSATA SSD以上で、できればNVMe SSD
※規模感の大きい3Dゲーム(1本70GB程度)を想定
購入時にどのくらいのゲームをするか分からない方も多いと思います。
分からないと言っても、自分が1,2つのゲームにどっぷりハマるタイプか、新しいゲームが発売される度、色々なゲームをしたくなるタイプかは分かると思います。
色々なゲームをするタイプであれば、1TBと大きめの容量がおすすめですね。
初期構成だと512GBのPCも多いので、もう少し必要な場合は、別途ストレージをグレードアップするなどカスタマイズをしておきましょう。
他にもゲーミングPCの目安スペック、ベンチ結果、よくある疑問、おすすめのゲーミングPCなども解説しています。
≫ 関連記事:ゲーミングPCに必要な目安スペックを徹底解説!