
GPUアクセラレーション機能とは何か?
FilmoraのGPUアクセラレーションでエンコードをするとどのくらい速くなるの?
と疑問に思っている方に向けて解説していきます。
結論を先に言うと、動画編集ソフトが悪かったのか、思っていたほど速くならないです。
※GPUアクセラレーション機能自体が遅くてダメということではなく、ソフトウェア毎のGPU処理の仕方によるところが大きいはずなので、他の動画編集ソフトであれば速くなる場合もあります。



≫ 関連記事:Filmoraの特徴や機能、ライセンスなどをまとめて解説
目次
GPUアクセラレーションとは?
GPUアクセラレーションとは、簡単に言うと、普段CPUで行っているエンコード処理をGPU(グラフィックボード)で行う機能のことです。
一般的に3Dゲームや映像などのグラフィックに関連する処理を行うグラフィックボードです。
しかし、そのた高い演算処理能力をグラフィック処理以外にも活かして、効率よく処理しようというものです。
動画編集の場合は、エンコード処理にグラフィックボードの演算能力を活用することで、エンコード時間を短縮することができます。
動画編集ソフトによって、GPUアクセラレーション機能の対応・非対応が変わってきますので、ソフトの購入前に確認することをおすすめします。
※GPGPUというような表記の場合もあります。
GPUの高い演算能力ってどのくらいなの?
上で、GPUの高い演算能力を活用してと述べましたが、CPUとGPUでどのくらい演算能力が違うの?というのを目安として確認しておきたいと思います。
あくまでスペック上の値の話なので、実際に動画編集などでGPUアクセラレーションをする場合は、全く異なる結果も十分あり得るので、単純にCPUとGPUのスペック上の違いと考えてください。
CPUとGPUの性能については、
- コア数
- クロック数
で大雑把に確認することができます。
【CPU】Core i7 7700Kの場合
クロック周波数:4.2GHz(最大4.5GHz)
コア数:4
【GPU】Geforce GTX 1070の場合
クロック周波数:1.506GHz(最大1.683GHz)
コア数:1920
簡単にまとめると次のようになりますね。
クロック数:CPU > GPU
コア数 :GPU >>>>> CPU
クロック周波数については、CPUの方が高いものの、GPUには、そのクロック周波数の差を十分に補えるほどのコア数があります。
そのため、単純な演算であればGPUの方が高性能と言うことになります。
しかし、この性能差がエンコード時間にそのまま直結することはなく、また、動画編集ソフトの処理の仕方によって速度も大きく変わってきます。
単純にパーツ同士の演算性能を超大雑把に比較するとこんな感じという参考までに。
GPUアクセラレーションとCPUのエンコード処理検証の条件
スペック上の性能差を述べたところで、今度は、Filmoraを使って実際にエンコード時間を比較してみたいと思います。
そのためにまず、CPUとGPUアクセラレーション使用時の動画編集ソフトや設定の条件を書いておきます。
【動画編集ソフト】
・Wondershare のFilmora8, および、9
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【比較用パーツ】
・CPU:Intel Core i7 7700K (型番:BX80677I77700K)
・GPU:Geforce GTX 1070 (ASUS製 DUAL-GTX1070-O8G)
【GPU関連設定】
左上のメニューの [ファイル] -> [設定] -> [パフォーマンス]からGPUの項目を設定します。
CPU使用時 :ビデオを…ハードウェア・アクセラレーションを有効にするをOFF
GPUアクセラレーション時:ビデオを…ハードウェア・アクセラレーションを有効にするをON
【編集動画情報】
・10分動画(15秒程度のカットを10分になるまで繋げた動画)
・テキストやBGMを計120個ほど追加
【出力映像に関する設定】
デフォルトの設定を使用



GPUアクセラレーションのエンコード実測値比較
最初に結論を述べた通り、想像していたよりエンコード時間は速くはなりませんでした。
【エンコード時間の実測値結果】
Filmora 9の場合
CPU:Core i7 7700K -> 4:55
※CPU使用率:80-90%前後
GPU:Geforce GTX 1070 -> 4:33
※CPU使用率:80%前後、GPU使用率:9-11%
22秒の短縮で、約8%速くなった。
Filmora 8の場合
CPU:Core i7 7700K -> 7:40
※CPU使用率:50%前後
GPU:Geforce GTX 1070 -> 6:52
※CPU使用率:30%前後、GPU使用率:4-9%
48秒の短縮で、約11%速くなった。
「う~ん。もっと速くなるものだと想像していたのですが、こんなものなのか。」というのが正直な感想。
CPU、GPUうんぬんより、Filmoraがバージョン8から9にバージョンアップして、格段に速くなった方が驚きですね。(笑)
一般的にGPUアクセラレーションがこのくらいなのか、この動画編集ソフトのGPUアクセラレーション機能がこのくらいなのか、確認したいところです。
(※何か情報を持っている方がいたら教えて欲しいです。)
※2019/02/23追記
Filmoraの場合、他の方の環境でも同様に、GPUアクセラレーションによる速度改善があまり見られないようです。
GPUを使ってエンコード速度を速めたいという方は、他の動画編集ソフトを検討する方が良さそうですね。
また別の動画編集ソフトを手に入れたら検証してみようと思います。
CPU, GPUの使用率について
GPUアクセラレーションを使用してエンコードしている時のタスクマネージャーを確認すると、Video Encodeが10%未満で、あまり使われていない模様。
一方で、CPUエンコード時よりかは低いもののGPUエンコード時もCPUを30%前後使用しています。
そもそもGPUに投げれる処理が少なくGPUの性能を引き出せないのか、Filmora内部の処理で上手くGPUと分担できるように処理がされていないのか。
少し疑問が残る結果ですが、1つの検証結果として残しておきます。
GPUアクセラレーション使用時のタスクマネージャー画面
まとめ:FilmoraのGPUアクセラレーションは意外と遅かった。
FilmoraでCPUとGPUを使ったエンコード時間の比較を行いましたが、大切なポイントをまとめると、
GPUアクセラレーションとは?
⇒ GPUをグラフィック関連の処理以外にも使おう!(動画編集の場合はエンコード処理に。)
スペック上では、圧倒的にGPUの方が高い演算能力を持っている。
グラフィックボード:Geforce GTX 1070 と CPU:Intel Cire i7 7700K でエンコード時間の実測値を比較したが、1割程度速くなるだけで、思っていたほど速くはならない。
有名な動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」もGPUを使ってエンコードできる機能があるようです。
軽く検証動画等を調べてみましたが、大体3倍程度速くなっているようで、動画編集ソフトでかなり違いが出るようです。
グラフィックボードを使ってのエンコードはあまり速くなりませんでしたが、Filmoraはかなりお手頃価格な買い切りタイプの動画編集ソフトなので、これから動画編集始めたいという方にはおすすめです。
①ダウンロードとインストール
②ライセンスの購入
③登録コード入力
とりあえず無料で試したい方は、①のみでオッケーです!
また、ダウンロード版とパッケージ版の違い・メリットも解説。
その他、特徴や機能、ライセンスなどFilmoraについてもっと知りたい方向けに、Filmoraを幅広く解説でまとめています。
どうも、ケンさん(



すみません
グラボの設定メニューに辿り着けません
どうやって設定メニュー行けば良いのですか?
コメントありがとうございます
左上のメニューの [ファイル] -> [設定] から表示できますよ
おそらくですが、このソフトのGPUアクセラレーションが弱いので
あまり変わらないと思います。
自分の環境でもGPUアクセラレーションを使用しても
CPUエンコードと比べてそこまで劇的な差はないです
ビットレートあたりの画質も悪いのでCPUエンコードが無難だと思います。
他の方の環境でもあまり変わらないのであれば、私の環境がたまたま悪かったということもなさそうですね。
Filmoraの場合は、あまりGPUに頼るのはやめた方が良さそうですね。
コメント・情報ありがとうございます。