IntelがGPUを発売してからデスクトップPC向けは色々な方が検証していますが、ノートPC向けの方ではゲーム性能はどうなのか、価格とのコスパはどうなのか徹底検証していきます。
- インテル製GPU搭載モデル「Intel Arc A550M」
- 軽め・中程度の3Dゲームは最高画質で快適、重めの3Dゲームは画質調整が必要
- Intel Arc A550M搭載モデルの価格と性能のコスパは若干悪い
では、ドスパラで販売している『GALLERIA UL7C-AA3』の魅力やスペックを実機で徹底的にレビューしていきます。
ケンさん
目次
GALLERIA UL7C-AA3の注目ポイント
GALLERIA UL7C-AA3の注目ポイントについて詳しく解説してきます。
インテル製GPU搭載モデル「Intel Arc A550M」
ゲーム向けのグラフィックボードと言えば、NVIDIAのGeForceシリーズやAMDのRadeonシリーズが主流ですが、そこにインテルも参入しました。
インテルは今まで、CPUに内蔵されるGPUであるIntel Iris Xeグラフィックス、Intel UHD グラフィックスを作ってきたものの、3Dゲームをするほどのグラフィック性能はなく、普段使いやビジネス向けに最低限映像を出力するためのものでした。
昔にグラフィックボード単体で出していた時期があるようですが、実に24年ぶりということでかなりのブランクがありますね。
ノートPC向けのGPUは、6月に登場したArc A370Mに続き、ミドルレンジGPUのArc A550M、ハイエンドGPUのA770Mが登場し、今回レビューするGALLERIA UL7C-AA3は、ミドルレンジのArc A550M搭載のゲーミングPCとなります。
実際にゲームの性能をベンチマークして、どの程度快適に遊べるのか、GeForceのどのクラスのGPUになるのか、コスパはどうなのかなど徹底的に検証していきたいと思います。
軽め・中程度の3Dゲームは最高画質で快適、重めの3Dゲームは画質調整が必要
ゲーム性能に関して、先に結論をまとめると次のようになります。
軽め・中程度の3DゲームはFHD・最高画質で60~100FPS程度
重めの3Dゲームは最高画質では厳しく、画質調整をして60FPS前後
ApexやFortniteは、標準画質であれば120FPSぐらい
画質調整も含めると、色々な3Dゲームを60FPSの快適ラインで遊ぶことができますが、重い3Dゲームはギリギリという結果です。
ゲームによっては画質調整しても60FPSが出ないものも出てくると思います。
また、3Dゲームがいけるので、2Dゲームやブラウザゲームも基本的にはOKですね。
全てのゲームが快適とはいかないものの、快適に遊べるゲームの幅を考えると、まずまずのパフォーマンスです。
GPU | 3DMark |
---|---|
RTX 4070 Laptop GPU | |
RTX 4050 Laptop GPU | |
RTX 4060 Laptop GPU | |
RTX 3060 Laptop GPU | |
RTX 3070 Ti Laptop GPU | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1660 | |
RTX 3050 Ti Laptop GPU | |
Intel Arc A550M | |
GTX 1650 Ti | |
GTX 1650 | |
Intel Iris Xe (CPU内臓) | |
AMD Radeon (CPU内臓) | |
Radeon Vega 8 (CPU内臓) | |
Intel UHD (CPU内臓) |
※ノートPC向けのみを表示
3DMarkで計測したグラフィックスコアを比較するとRTX 3050 Ti Laptop GPUとGTX 1650 Tiの中間ぐらいですね。
詳しくは、GPU性能やゲームのFPSを計測しているので参考にして下さい。
Intel Arc A550M搭載モデルの価格と性能のコスパは正直よくない
ゲーム性能については先ほど説明した通りですが、肝心なのがコスパです。
性能に対して価格が高ければイマイチですし、安ければ買いと言えるのですが、正直言ってコスパは良いとはいえないです。
同メーカーのノートPCで比較すると次のようになります。
GALLERIA UL7C-AA3 | GALLERIA RM7C-R35T | GALLERIA RL7C-R35H | |
---|---|---|---|
CPU | Intel Core i7-12700H | ||
メモリ | 16GB | ||
GPU | Arc A550M | GeForce RTX 3050 Ti | GeForce RTX 3050 |
ストレージ | 512GB Gen4 NVMe SSD | ||
価格 | 172,980円 | 175,980円 | 164,980円 |
同じ17万円台でみると性能の高いRTX 3050 Tiがありますし、より性能の近いRTX 3050であれば16万円台であります。
数千円の差で収まってはいるのものの他の製品と比較すると、少しコスパは下がりますね。
ただ、個人的にレビューする前はもっとコスパが悪いと思っていたので、数千円の差で収まっているのはいい意味で予想を裏切られましたね。
正直コスパを最優先に考えるのであれば他の製品が良いのですが、インテルの1世代目のグラボにしては良い感じに詰めてきた印象です。
今後、インテルも本格的に参入し、グラフィックボードメーカーが3社になることで価格競争が起きてグラボ全体が安くなる可能性もあります。
そのため、今後の価格競争を期待したい!単純にインテルの今後を応援したい!というユーザーにおすすめできるかなと思います。
GALLERIA UL7C-AA3のスペック
GALLERIA UL7C-AA3のスペックは次の通りです。製品名 | GALLERIA UL7C-AA3 |
---|---|
CPU | Intel Core i7-12700H |
メモリ | 16GB |
GPU | Intel Arc A550M |
ストレージ | 512GB |
サイズ | (横)358.3 x (縦)235 x (高さ)22.3 mm |
重量 | 本体:約2.0kg |
バッテリー | 約6.3時間 |
ディスプレイ | 15.6インチ リフレッシュレート144Hz 非光沢フルHD 液晶 (1920×1080ドット表示) |
インターフェース | 3.2Gen1 Type-A x3 Thunderbolt4 Type-C x1 (USB4対応/DP1.4対応 / PD非対応) マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子 x1 (3.5mm / CTIA) HDMI2.1 x1 |
生体認証 | 顔認証 |
価格 | 約17万~ |
※製品仕様や販売価格については、2022/12/16の執筆時点のもので、今後変更される可能性があります。
外観
ガンメタリックを基調としたカラーリング。
ゴツゴツしたかっこいいイメージがあるゲーミングPCですが、最近のデザインの傾向としては、シンプルさ、スマートさですね。
(GALLERIA UL7C-AA3)
(他のモデル)
外見で他のモデルとの大きな違いはエッジ部分が青色になっていることですね。
Intelのイメージカラーを意識しているかのような綺麗な青でオシャレな仕上がりです。
以前のモデルより、横2cm・縦1cmほど広くなったトラックパッドで操作性もOK!
GALLERIAのロゴは天板とキーボード側の左上に刻印されています。
ゲーミング感のあるかっこいいロゴではあるものの本体カラーとのコントラストが低めなので、ロゴが主張され過ぎず馴染んでいるのが良いですね。
ファンの吸気口・排気口
ファンは左右に2基搭載されていて、排気口・吸気口は裏側とリア部分にあります。
排気口となるリア部分の方は目立たない設計になっており、閉じている時は見えません。
後程、計測器を用いてファンの静音性も検証していきます。
使用用途別の快適度
使用用途 | 快適度 | コメント |
---|---|---|
普段使い (ウェブ, 動画視聴等) | ◎ | とても快適 |
ビジネス用途 (Office, メーラー等) | ◎ | とても快適 |
ブログ執筆 | ◎ | とても快適 |
ゲーム | ○ | 軽量級・中量級の3Dゲームは、高画質設定で60~100FPSでるので快適。 重量級は最高画質では厳しく画質調整が必要。 |
画像編集 | ◎ | とても快適 |
動画編集 | ◎ | FHD動画であれば長時間の動画でも快適に編集作業ができます。 ※4K動画編集は未検証。 |
プログラミング | ◎ | Visual Studioなどの開発環境はとても快適に動作します。 |
トレード (株/FX/仮想通貨) | ◎ | とても快適 |
データ分析・AI学習 | ○ | これから勉強し始める方、検証用であればOK ※本番環境用としては、ノートPCだと長時間利用は厳しい |
本体サイズ・重量
実測値 | 公称値 | |
---|---|---|
横 | 35.7 mm | 358.3 mm |
縦 | 23.4 mm | 235 mm |
高さ | 26 mm | 22.3 mm (最薄部) |
A4より1回りほど大きいサイズ感なのでリュックであれば問題なく持ち運べますね。
重量について
実測値 | 公称値 | |
---|---|---|
本体 | 約2kg | 約2.0kg |
充電器 | 約583.3g | – |
合計 | 約2.6kg | – |
重さはほぼ公称値通りで、本体と充電器で約2.6kgなので、パソコンと充電器だけを持ち運ぶ分には全然負担になりませんね。
ただ、大学生など教科書やプリントなどの荷物が多い方で、それと一緒に運ぶとなると少し重いかなという印象です。
充電器は、ゲーム向けだと結構な電力が必要なので重量・サイズが大きめになりがちですが、ゲーミングノートPCであれば大体このくらいのサイズ感になります。
特別、大きいわけでも小さいわけでもないですね。
ディスプレイ
ディスプレイ | 15.6インチ リフレッシュレート144Hz 非光沢フルHD 液晶 (1920×1080ドット表示) |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
縦横比 | 16:9 |
リフレッシュレート | 144Hz |
光沢 | 非光沢 |
タッチパネル | × |
ベゼル (枠) | (横)7 x (縦)9mm |
リフレッシュレートが144Hzで、ゲーミング仕様の高リフレッシュモニターを搭載しています。
過去に240Hzモニター搭載のモデルもありましたが、今回はグラボの性能的にもそこまで高FPSにはならないので、144Hzは丁度良いですね。
後程、ゲームのベンチマークもしていきますが、最高画質で軽量級・中量級の3Dゲームが60~100FPS、シューティングゲームなどで画質を調整すれば、安定して120~144FPSはいくと思いますね
シューティングゲームのような1フレーム単位で勝敗を分けるような場合は、高リフレッシュレートモニターの方が状況判断や行動を早く出せて有利なので、そういう面でもメリットがありますね。
非光沢液晶なので暗い画面でも映り込みはほとんどないですね。
ケンさん
キーボード・タッチパッド
キー配列 | 日本語配列 |
---|---|
テンキー | × |
バックライト | ○ |
RGBライト | × |
タッチパッド | (横)13.2 x (縦)8.3cm |
キーピッチ | 19mm (標準:19mm) |
キーストローク | 1.06mm (標準:2~3mm) |
キーが独立したアイソレーションタイプで、打鍵感もしっかりとしていて打ちやすかったです。
キー配列については、以下のポイントをチェックしています。
- Ctrlが左下に無い(ショートカットキーが使いづらい)
- Enterが1マス分(押し間違い)
- Shiftキーが小さい(押し間違い)
- DelとBackSpeceがEnterの上に無く変な場所にある
- 記号キーや矢印キーが変な場所にあったり、小さかったり
ケンさん
この辺りは全然大丈夫ですね。
かなり前のモデルでは、ちょっと納得いかないキー配列もあったのですが、ここは改善され続けてきたので問題ありません。
キーボードが変われば最初慣れるまでに時間はかかりますが、慣れてしまえば問題なく使える打鍵感、キー配列となっています。
キーボードのバックライトについて
キーにはバックライトが搭載されているので、暗い場所での作業でもしっかりとキーを確認しつつ、文字入力をすることができます。
インターフェース
インターフェース周りは次のようになっています。
左側
LANポート x1
3.2Gen1 Type-A x2
マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子 x1 (3.5mm / CTIA)
右側
3.2Gen1 Type-A x1
HDMI2.1 x1
電源コネクタ
全体的にポートは豊富ですね。
USB Type Aが3つもあるので、全て埋まって足りなくなるということはないでしょう。
また、Type-CでDisplayPortに対応しているので、HDMIと本体モニターを合わせて最大3画面のマルチディスプレイができます。
LNAポートもあるので有線で高速通信したい場合も柔軟に対応できます。
カメラ
カメラ | 画素数 | プライバシー シャッター |
---|---|---|
フロントカメラ | 約100万画素 | × |
カメラの画質は画像の通りで、画質・画素数は良くもなく悪くもなく標準的なカメラです。
カメラの位置が上側なので、下に付いているよりも顔映りが良くなるのでおすすめ。
ZOOM会議などやる方はカメラの位置も気にしておいた方が良いでしょう。
また、IR専用カメラも搭載しているので顔認証も使うことができます。
面倒なパスワード入力を省き、一瞬でログインすることができます。
ケンさん
GALLERIA UL7C-AA3のベンチマーク
検証機のスペック
製品名 | GALLERIA UL7C-AA3 |
---|---|
CPU | Intel Core i7-12700H (14コア/20スレッド, 2.3GHz Max 4.7GHz) |
メモリ | 16GB |
GPU | Intel Arc A550M |
ストレージ | 512GB |
電源モードは、一番パフォーマンスができるようにするため、”最適なパフォーマンス“で検証していきます。
ネット環境は有線接続です。
アプリ実行の総合的パフォーマンス
アプリケーションの実行における総合的なパフォーマンスを計測する『PCMark10』のベンチマーク結果です。
一般的なアプリとクリエイティブ系のアプリの総合スコアは、公式の推奨スコアの約2.5, 3倍と大幅に超えています。
ビジネス系アプリは約1.5倍超と他の項目に比べて低いものの公式の推奨スコアは超えています。
ベンチマーク以外にも、ブラウザや動画再生などの普段使い、ゲーム、動画編集、プログラミングなど色々な作業してみましたが、快適でカクつきなどのストレスはありませんでした。
カテゴリ | 項目 | スコア |
---|---|---|
一般的なアプリ | アプリの起動 | 13885 |
ビデオ会議 | 8439 | |
ウェブブラウジング | 10041 | |
総合スコア (推奨スコア:4100以上) | 10556 | |
ビジネス系アプリ | スプレッドシート作業 | 7078 |
文書作成 | 7883 | |
総合スコア (推奨スコア:4500以上) | 7469 | |
クリエイティブ系アプリ | 写真編集 | 15398 |
動画編集 | 6011 | |
レンダリング | 11524 | |
総合スコア (推奨スコア:3450以上) | 10217 | |
総合スコア | 6670 |
カテゴリ別に推奨されるスコアは以下の通りです。
カテゴリ | 推奨スコア | 解説 |
---|---|---|
一般的なアプリ | 4100以上 | 一般的な用途で様々な簡単なタスクをする場合 |
ビジネス系アプリ | 4500以上 | 事務作業と軽いメディアコンテンツ作業をする場合 |
クリエイティブ系アプリ | 3450以上 | 写真/動画/その他コンテンツの編集をする場合 |
ストレージ性能
ストレージは、SSDの中でも高速なPCI Express 4.0対応のNVMe SSDが搭載されており、理論上の読み込み速度が最大で7GB/sと高速です。
実測値は、読み込み速度が毎秒約6.7GB, 書き込みが毎秒約4.9GBと高速です。
OSやゲームのロード時間も速かったですし、移動先のストレージも同程度の速度であれば、大容量のデータ移動もストレスは無いレベルですね。
読み込み速度 | 書き込み速度 | |
---|---|---|
シーケンシャル | 6739.2 MB/s | 4892.9 MB/s |
ランダム | 888.8 MB/s | 377.4 MB/s |
CPU性能
CPUは『Intel Core i7-12700H』を搭載しており、14コア/20スレッド、クロック周波数が2.3GHz(最大 4.7GHz)と仕様としては、ハイエンドCPUとなります。
ノートPCの中で、今までレビューした中で最も性能が高いですね。
実際に使ってみた感じで言うと、軽めの作業は全然余裕で、クリエイティブ用途などの重めの作業でも大丈夫です。
特に言うことは無いほど十分な性能です。
PCを買ってから、何か新しいことを始めたい!となっても、スペック不足が理由で断念…ということはよっぽどのことがない限りないですね。
項目 | Cinebench R23 | Cinebench R20 |
---|---|---|
CPU | 11594 | 5729 |
CPU(Single Core) | 1769 | 679 |
CPU | CINEBENCH R20 |
---|---|
Core i9-14900HX | |
Core i7-13700H | |
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 4800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 5 4600H | |
Core i7-10875H | |
Core i7-10750H | |
Core i5-11400H | |
Core i7-9750H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5-10300H | |
Ryzen 5 3500U | |
Core i5-10210U |
※ノートPC向けのみを表示
グラフは、計測数の多いCINEBENCH R20を掲載していますが、レビュー時点ではトップの性能。
GPU性能(ゲーム含む)
ブラウザゲーム、2Dゲームから3Dゲームの中でもグラフィックが綺麗で重めなものまで楽しむことができます。
先に結論を言うと
軽め・中程度の3DゲームはFHD・最高画質で60~100FPS程度
重めの3Dゲームは最高画質では厳しく、画質調整をして60FPS前後
ApexやFortniteは、標準画質であれば120FPSぐらい
項目 | スコア |
---|---|
グラフィックスコア | 4352 |
グラフィックテスト1 | 27.8 FPS |
グラフィックテスト2 | 25.41 FPS |
CPUスコア | 10110 |
CPUテスト | 33.97 FPS |
総合スコア | 4758 |
他のGPUと比較すると次のような結果です。
GPU | 3DMark |
---|---|
RTX 4070 Laptop GPU | |
RTX 4050 Laptop GPU | |
RTX 4060 Laptop GPU | |
RTX 3060 Laptop GPU | |
RTX 3070 Ti Laptop GPU | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1660 | |
RTX 3050 Ti Laptop GPU | |
Intel Arc A550M | |
GTX 1650 Ti | |
GTX 1650 | |
Intel Iris Xe (CPU内臓) | |
AMD Radeon (CPU内臓) | |
Radeon Vega 8 (CPU内臓) | |
Intel UHD (CPU内臓) |
※ノートPC向けのみを表示
3DMarkでは、グラフィックスコアだけでなく、5タイトルのゲームの推定FPSも算出してくれるので普段は目安として掲載していますが、今回は精度が低かったので省いています。
例えば、Fortniteでは、FHD・最高画質で180FPSと結果がでたのですが、実際にゲームで計測すると80FPS程度で、インテルのグラボのデータが少ないせいか精度の高い数値が出せないのだと思います。
他のゲームも同スペックのグラボの結果とは大きく乖離していたので、ゲーム性能については、3DMark以外のゲームベンチマークのみを掲載します。
軽量な3Dゲーム:ドラゴンクエストX
グラフィック設定 | スコア | 平均FPS | 評価 |
---|---|---|---|
最高品質 | 8922 | 89.1 FPS | とても快適 |
標準品質 | 10105 | 99.7 FPS | すごく快適 |
低品質 | 11087 | 108.5 FPS | すごく快適 |
普通の3Dゲーム:FF14
設定 | スコア | 平均FPS | 最低FPS | ロード時間 (合計) | 評価 |
---|---|---|---|---|---|
最高品質 | 8850 | 60.8 FPS | 26 FPS | 13.5 秒 | 快適 |
高品質 | 10724 | 71.7 FPS | 40 FPS | 12.8 秒 | 快適 |
標準品質 | 13648 | 94.2 FPS | 31 FPS | 13.5 秒 | とても快適 |
重めな3Dゲーム:FF15
グラフィック設定 | スコア | 平均FPS | 評価 |
---|---|---|---|
高品質 | 2866 | 32.5 FPS | やや重い |
標準品質 | 4446 | 46.6 FPS | 普通 |
軽量品質 | 5710 | 61 FPS | やや快適 |
PSO2
グラフィック設定 | スコア | 平均FPS |
---|---|---|
ウルトラ | 4575 | 48.7 FPS |
中 | 12655 | 80.6 FPS |
最低 | 29534 | 133.5 FPS |
Far Cry 6
グラフィック設定 | 平均FPS | 最低FPS | 最高FPS |
---|---|---|---|
最高 | 51 FPS | 44 FPS | 56 FPS |
高 | 60 FPS | 50 FPS | 65 FPS |
中 | 69 FPS | 58 FPS | 76 FPS |
低 | 80 FPS | 68 FPS | 89 FPS |
Rainbow Six Siege
グラフィック設定 | 平均FPS | 最低FPS | 最高FPS |
---|---|---|---|
最高 | 32.6 FPS | 61.2 FPS | 148.5 FPS |
とても高い | 31.5 FPS | 60.1 FPS | 148.7 FPS |
高 | 31 FPS | 60.9 FPS | 146.2 FPS |
中 | 34.8 FPS | 66.8 FPS | 160.9 FPS |
低 | 43.7 FPS | 82.2 FPS | 186.1 FPS |
Rainbow Six Siegeは軽い3Dゲームで、このスペックであればで平均150FPSぐらいはでるはずなのですが、32.6FPSとイマイチな結果となりました。
最高FPSは申し分ないですが、現時点ではインテルのグラボとは相性が悪いゲームなのかもしれません。
VR:VRMark
VRゲームのパフォーマンスを計測する『VRMark』のベンチマーク結果です。
PCの映像をVR機器に出力した際のFPS値が分かるので、VRでゲームをプレイしたい方は参考になると思います。
VRMark Orange Room | |
---|---|
スコア | 6393 |
平均FPS | 139.4 FPS |
推奨構成FPS | 109 FPS |
最低構成FPS | 81 FPS |
画像編集性能(Adobe Photoshop)
Adobe Photoshopで18MP(1800万画素)の画像を使って、画像を開く、リサイズ、回転などの基本的な操作やフィルター処理の時間を計測し、最終的にカテゴリ別にスコア化しています。
項目 | スコア |
---|---|
総合スコア | 869 |
GPU処理 | 80.6 |
一般的な処理 | 102.6 |
フィルター処理 | 71.3 |
操作別の処理時間については次の通りです。
項目 | 処理時間(秒) |
---|---|
ファイルを開く | 0.96 |
500MBにリサイズ* | 3.2 |
回転 | 1.32 |
マジックワンド選択 | 4.43 |
マスク リファインメント | 6.88 |
ペイントバケット | 2.08 |
グラデーション | 0.6 |
カメラフィルター | 9.02 |
レンズ補正 | 25.13 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 23.45 |
ノイズ低減 | 15.51 |
スマートシャープ* | 18.73 |
フィールドほかし* | 18.09 |
チルトシフトぼかし* | 15.41 |
虹彩絞りぼかし* | 15.44 |
広角補正フィルター | 38.68 |
ゆがみ | 5.9 |
PSDファイル保存 | 109.6 |
PSDファイルを開く | 10.52 |
※「*」はGPU処理
フルサイズの一眼レフは2000万画素以上が主流なので、ベンチマークで使用した1800万画素は、それより少し小さい解像度です。
縦横のピクセル数で言うと、大体5,200×3,500ぐらいになります。
そのため、一眼レフの写真を編集したい方は、上記の処理時間より少しだけ時間が長くなると考えて下さい。
一方で、FHD(1,920×1,080)は約200万画素なので、そのくらいのサイズ感の画像を扱うのであれば処理時間は1~3秒ぐらいになりますね。
ブログに使う図や画像、イラスト制作、アイコン・ロゴ・バナー制作などの小さい画像の編集は余裕ですね。
動画編集性能(Adobe Premiere Pro)
Adobe Premiere Proで、YouTube向けを想定した動画編集でハードウェアエンコードをした場合の時間を計測します。
※動画は過去にYouTubeに公開したもので、カット、テロップ、BGMなど一般的な解説動画向けの編集をしています。
もう少し性能の高いGPUであれば、1分ちょいぐらいになりますが、それでも10分の動画が2分なら十分快適なレベルです。
メモリも16GBなので長時間の編集でもOKで、編集時も特にカクつくことはなかったです。
また、Pugetというプラグインを使って、4K編集向けのパフォーマンスもチェックしました。
Adobe Premiere Proで4Kの素材動画を使って、編集した動画の再生(1倍、2倍、4倍速、マルチカメラ)、エフェクト、動画のエンコードをベンチマークし、最終的にカテゴリ別にスコア化しています。
項目 | スコア |
---|---|
総合スコア | 1013 |
出力処理 | 59.8 |
ライブ再生 | 204.9 |
エフェクト処理 | 39.1 |
GPU処理 | 46.2 |
操作別のパフォーマンスについては次の通りです。
カテゴリ | 項目 | FPS / スコア |
---|---|---|
4K H.264 150Mbps 8bit | マルチカメラのライブ再生 | 59.94 FPS |
ライブ再生 | 59.94 FPS | |
2倍速のライブ再生 | 119.88 FPS | |
4倍速のライブ再生 | 192.94 FPS | |
エンコード(H.264 40Mbps UHD) | 85.78 FPS | |
エンコード(PRORES 422HQ UHD) | 62.01 FPS | |
ライブ再生スコア | 437.7 | |
エンコードスコア | 76.3 | |
4K ProRes 422 | マルチカメラのライブ再生 | 59.94 FPS |
ライブ再生 | 59.94 FPS | |
2倍速のライブ再生 | 117.13 FPS | |
4倍速のライブ再生 | 106.64 FPS | |
エンコード(H.264 40Mbps UHD) | 89.92 FPS | |
エンコード(PRORES 422HQ UHD) | 40.69 FPS | |
ライブ再生スコア | 104.2 | |
エンコードスコア | 62.8 | |
4K RED | マルチカメラのライブ再生 | 41.68 FPS |
ライブ再生 | 43.04 FPS | |
2倍速のライブ再生 | 18.35 FPS | |
4倍速のライブ再生 | 11.21 FPS | |
エンコード(H.264 40Mbps UHD) | 35.64 FPS | |
エンコード(PRORES 422HQ UHD) | 22.45 FPS | |
ライブ再生スコア | 72.8 | |
エンコードスコア | 40.3 | |
4K Heavy GPU Effects | アドバンスドエフェクト(Prores 422HQ UHD) | 15.62 FPS |
エクストリームエフェクト(PRORES 422HQ UHD) | 3.15 FPS | |
エフェクトスコア | 19.7 | |
4K Heavy CPU Effects | アドバンスドエフェクト(Prores 422HQ UHD) | 45.69 FPS |
エクストリームエフェクト(PRORES 422HQ UHD) | 8.11 FPS | |
エフェクトスコア | 58.4 |
※「*」はGPU処理
4K編集なのでプロ向けにはなりますが、4K H.264だとライブ再生は、2倍速までコマ落ちなしでスムーズに再生することができます。
しかし、4倍速となると若干コマ落ちするので、編集の見落としやカクついてストレスになるかもしれません。
エンコードは85FPSなので、10分の動画であれば7分程度で出力できます。
また、動画全体にエフェクトをかける場合、エフェクトによっては重くなりますが、一部分のモザイクとかであれば問題ないと思います。
4K編集でこのパフォーマンスなら解像度が1/4となるFHD編集であれば快適に編集できますね。
バッテリー容量・駆動時間
GALLERIAのモデルの中では標準的な容量です。
今までレビューしてきた中では、46,740mWh、62,320mWh、82,044 mWhのパターンが多かったのですが、このモデルでは丁度中間ですね。
ファンの静音性
騒音レベル | |
---|---|
アイドル時 | 33.1 dBA |
普段使い時 (PCMark10) | 29.6 dBA |
ゲーム時 (FF15 / FHD / 標準品質) | 47.8 dBA |
CPU高負荷時 (Cinebench / CPU100%) | 47.6 dBA |
アイドル時と普段使いは30dBA前後とファンは静かですね。
集中力も途切れることなく作業することができます。
一番音が大きいゲーム時で47.8dBAなので目安としては普通の範囲ですが、PCとしては少しうるさいです。
ケンさん
他のモデルでは、55dBA前後出ていたケースもあるので、それと比べるとマシですが、それでも音を気にする方は厳しいでしょう。
動画視聴やネットサーフィンなど普段使いであれば、無音か気にならないレベルです。
しかし、ゲームをすると結構うるさく、シューティングゲームで足音などの小さな音、どこから向かってきているのか音の方向性も聞き分けようとすると難しかったです。
ここまで求める方は、ヘッドセットをするか、ゲーム時も40dBA以下で安定したデスクトップのGALLERIAシリーズが静かでおすすめ。
騒音レベルの目安
デシベル(dBA) | 目安① | 目安② | 具体例 |
---|---|---|---|
70 | うるさい | かなりうるさい、かなり大きな声を 出さないと会話ができない | ・騒々しい街頭 ・セミの鳴き声 (2m) |
60 | 非常に大きく聞こえうるさい、 声を大きくすれば会話ができる | ・普通の会話 ・洗濯機、掃除機、テレビ | |
50 | 普通 | 大きく聞こえる、通常の会話は可能 | ・家庭用クーラー (室外機) ・換気扇 (1m) |
40 | 聞こえる会話には支障なし | ・静かな住宅地 ・図書館 | |
30 | 静か | 非常に小さく聞こえる | ・郊外の深夜 ・ささやき声 |
20 | ほとんど聞こえない | ・ささやき ・木の葉のふれあう音 |
GALLERIA UL7C-AA3の実機レビューまとめ
ドスパラの『GALLERIA UL7C-AA3』を実機レビューしました。
- インテル製GPU搭載モデル「Intel Arc A550M」
- 軽め・中程度の3Dゲームは最高画質で快適、重めの3Dゲームは画質調整が必要
- Intel Arc A550M搭載モデルの価格と性能のコスパは若干悪い
インテル製のミドルレンジGPUを搭載したゲーミングノートPCをレビューしましたが、全体的にゲーム性能は悪くなく、軽め・中程度なら快適です。
重めの3Dゲームは画質調整が必要なものの快適ラインではありますが、ゲームによっては厳しいものも出てくるという結果になりました。
24年ぶりにグラフィックボードに参入したインテルですが、その第1世代目にしては思っていたよりも悪くはなく、快適にゲームできる性能は出してきています。
価格的に少しコスパは悪いものの、今後グラフィックボードのメーカーが3社になって価格競争による値下がりを期待したり、単純にインテルを応援したいユーザーにはおすすめの1台ですね。