リーズナブルな割に、快適に遊べるゲームタイトルは多いのでコスパの高いモデルとなっており、ゲームのエントリー向けモデルとしておすすめの1台ですね。
- 価格の割に重めの3Dゲームでもそこそこ楽しめる
- ゲーム/超高負荷時はうるさいのでコスパより静音性が欲しい方は不向き
では、レノボで販売している『Legion T550i』の魅力やスペックを実機で徹底的にレビューしていきます。
ケンさん
目次
Legion T550iの注目ポイント
Legion T550iの注目ポイントについて詳しく解説してきます。価格の割に重めの3Dゲームでもそこそこ楽しめる
今回レビューしたスペックは、CPU:Intel Core i5-10400、GPU:NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERで、Legion T550iシリーズの中では一番低いモデルです。
一番低いスペックでありながらも、重めな3DゲームであるFF15でも標準品質の画質設定で70.2FPSもでるので快適です。
その割に価格が10万円と安いのが良いところで、マウス、キーボード、モニターなどの周辺機器を別途購入しても、12万円前後に抑えることができると思います。
他にも『GPU性能(ゲーム含む)』で、色々なゲームタイトルを検証しているので参考にして下さい。
ケンさん
ゲーム/超高負荷時はうるさいのでコスパより静音性が欲しい方は不向き
ファンに関しては、ゲーム中はちょっとうるさく、CPU100%近い超高負荷時になるとかなりうるさかったです。
ゲーム中であればギリ許容できる範囲ですが、音に敏感な方にはちょっとおすすめしないです。
また、使用用途によって異なってきますし、超高負荷時になることは少ないと思いますが、もしなった時にうるさくなることは理解しておくべきでしょう。
どんなときも静かに作業したい方には不向きですが、価格の割にゲームのパフォーマンスや遊べる幅が広くコスパが高いので、静音性か価格かどちらを取るかですね。
Legion T550iのスペック
Legion T550iのスペックは次の通りです。製品名 | Legion T550i |
---|---|
CPU | Intel Core i5-10400 Intel Core i7-10700 |
メモリ | 8GB / 16GB |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1650 Super (4GB) NVIDIA GeForce RTX 2060 (6GB) NVIDIA GeForce RTX 3070 (8GB) |
ストレージ | 256GB (SSD) + 1TB HDD 256GB (SSD) + 2TB HDD 512GB (SSD) + 1TB HDD |
サイズ | (横)185 x (縦)456 x (奥行)457 mm |
重量 | 本体:約16kg |
インターフェース | 【前面】 USB 3.0 x 2、ヘッドホン・マイクロホンコンボジャック x 1 【背面】 USB 3.0 x 2、USB 2.0 x 2、USB 3.0 Type-C x 1、 オーディオポート x 3(ライン出力 x 1、ライン入力 x 1、マイクロホン x 1)、 イーサネットコネクター x 1 【グラフィックボード】 DisplayPort x 2、HDMI x 1 |
価格 | 約10万~ |
※製品仕様や販売価格については、2021/11/07の執筆時点のもので、今後変更される可能性があります。
外観
ブラックをベースとしたデザインで、フロントパネルが特徴的。
斜めのボーダー柄に、LEGIONのロゴマーク。
ロゴマークは、LEDで青く光ります。
LEDは設定で、常時ON/OFF、点滅などを選ぶことができます。
カラーバリエーションは選べないので、画像のような青色のみ。
もう一つ外観の特徴としては、リアの上がっている部分で持ち運びしやすい工夫がされています。
リアとフロント部分に手をかけることができるので、簡単に持ち上げることができます。
デスクトップPCなので、それほど持ち運ぶことも無いと思いますが、購入時の搬入や部屋のレイアウトを変えたい時などに便利ですね。
使用用途別の快適度
使用用途別の動作の快適度は、次の通りです。
使用用途 | 快適度 | コメント |
---|---|---|
普段使い (ウェブ, 動画視聴等) | ◎ | とても快適 |
ビジネス用途 (Office, メーラー等) | ◎ | とても快適 |
ブログ執筆 | ◎ | とても快適 |
ゲーム | ○ | 軽量級・中量級の3Dゲームは、高画質設定でも 80~100FPSでるので、とても快適。 重量級は、3Dゲームによって快適かそうでないか分かれてくる。 |
画像編集 | ◎ | とても快適 |
動画編集 | ◎ | Youtube向けのFHD動画であれば快適に編集・エンコードができます。 ※4K動画編集は未検証。 |
プログラミング | ◎ | Visual Studioはとても快適に動作。 個人の規模感で開発する分には十分な性能 |
トレード (株/FX/仮想通貨) | ◎ | とても快適 |
データ分析・AI学習 | ○ | 勉強・検証用レベルであれば十分快適 ※本番環境用としてはもう少し高性能なGPUも視野に入れていいかも。 |
本体サイズ
実測値 | 公称値 | |
---|---|---|
横 | 183 mm | 185 mm |
縦 | 458 mm | 456 mm |
奥行 | 455 mm | 457 mm |
サイズはほぼ公称値通りで、一般的なゲーミングPCよりコンパクトなサイズ感です。
縦は、リアの上がっている部分も含めているので、実際の見た目はもう少しコンパクトな感じ。
横幅は、約18cmなので一般的なゲーミングPCより4cmほど小さいです。
数cmの違いですが、意外とこの長さで置ける置けないが変わったりするので、他のモデルでは置けなかったとしても、Legion T550iなら置けるかもしれないので、スペースがあまり取れない方には良いかもしれません。
インターフェース
インターフェース周りは次のようになっています。
フロント
ヘッドホン・マイクロホンコンボジャック x 1
リア
USB 2.0 Type-A x 2
USB 3.0 Type-C x 1
オーディオポート x 3 (ライン出力 x 1、ライン入力 x 1、マイクロホン x 1)
イーサネットコネクター x 1
HDMI x 1
Display Port x 2
マザーボード側に映像出力ポートが無く、USBポートがメインのシンプルなインターフェースです。
人によってはUSBポートが少し物足りない印象ですが、Type-Cが付いているのは良いですね。
映像出力はグラフィックボードの3ポートですが、グラボは構成によって違うので手元にあるディスプレイのポートでいけるか事前に確認しておきましょう。
内観・拡張性
将来的に、メモリやストレージの増設も考えている方は、どれだけ空きスロットがあるか確認しておきましょう。
(左:主要パーツ側、右:裏配線側)最近は、内部も塗装されてオシャレなパソコンが多い印象だったので、銀色の鉄板は少し驚きました。
ですが、サイドパネルがクリアで内部を見れるわけでも無いので、塗装分のコストを削減できるのであれば納得ですね。
ケンさん
では、各パーツを細かく見ていきます。
メモリ
メモリは合計4スロットで、2スロットの空きがあります。
CPUクーラーとは全く干渉しないので、増設は簡単ですね。
HDD・SSDスロット
搭載できるストレージは次の通り。
・M.2スロット x2(内1つは標準搭載のSSD占有)
・3.5インチHDD x2
1つはCPUクーラーの下で使用中、もう一つは、グラフィックボードの下で比較的増設しやすい位置にあります。
HDDは2つ搭載でき、内1つは1TBのHDDが搭載されています。
2.5インチベイは無いので、SSDを搭載したい場合は、変換マウンタを別途用意する必要があります。
横から挟み込めばOKなので、ツールレスで増設は簡単ですね。
PCI Express
・PCI Express x16 x1(グラフィックボード)
・PCI Express x1 x1
・PCI Express x4 x1
CPUクーラー
CPUクーラーはコンパクトなサイズ感ですが、ハイエンドCPUを冷やすには少し性能不足な感じがしますね。
致命的とまでは全然いかないですが、ゲーム中や超高負荷時にファンの回転数が上がるので、ちょっと冷やしきれてない印象があります。
Legion T550iのベンチマーク
検証機のスペック
製品名 | Legion T550i |
---|---|
CPU | Intel Core i7-10700 (8コア/16スレッド, 2.9GHz Max 4.8GHz) |
メモリ | 16GB |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPER |
ストレージ | 256GB (NVMe SSD) |
本モデルでは専用のソフトウェアで、「パフォーマンス・モード」「バランス・モード」「静音モード」の3つを選ぶことができます。
今回のベンチマークでは、最もパフォーマンスを発揮できる「パフォーマンス・モード」で検証していきます。
アプリ実行の総合的パフォーマンス
アプリケーションの実行における総合的なパフォーマンスを計測する『PCMark10』のベンチマーク結果です。
カテゴリ別の総合スコアにおいて、公式の推奨スコアの約2倍前後の性能があります。
実際に、いくつかのアプリケーションで作業してみましたが、快適に動作しており、処理速度やカクツキなどのストレスはありませんでした。
カテゴリ | 項目 | スコア |
---|---|---|
一般的なアプリ | アプリの起動 | 12961 |
ビデオ会議 | 7523 | |
ウェブブラウジング | 9293 | |
総合スコア (推奨スコア:4100以上) | 9676 | |
ビジネス系アプリ | スプレッドシート作業 | 9262 |
文書作成 | 6934 | |
総合スコア (推奨スコア:4500以上) | 8013 | |
クリエイティブ系アプリ | 写真編集 | 9204 |
動画編集 | 5598 | |
レンダリング | 10950 | |
総合スコア (推奨スコア:3450以上) | 8263 | |
総合スコア | 6180 |
カテゴリ別に推奨されるスコアは以下の通りです。
カテゴリ | 推奨スコア | 解説 |
---|---|---|
一般的なアプリ | 4100以上 | 一般的な用途で様々な簡単なタスクをする場合 |
ビジネス系アプリ | 4500以上 | 事務作業と軽いメディアコンテンツ作業をする場合 |
クリエイティブ系アプリ | 3450以上 | 写真/動画/その他コンテンツの編集をする場合 |
ストレージ性能
ストレージは、高速なNVMe SSDを搭載しているので、読み込みが毎秒3.2GBとかなり速いです。
体感的にもOSやアプリの起動、ゲームのロードに遅さを感じることなくスムーズです。
HDDも標準で1TB搭載されているので、データ保存用として活用できそうですね。
読み込み速度 | 書き込み速度 | |
---|---|---|
シーケンシャル | 3200.4 MB/s | 1536.7 MB/s |
ランダム | 1131.7 MB/s | 979.8 MB/s |
読み込み速度 | 書き込み速度 | |
---|---|---|
シーケンシャル | 3200.4 MB/s | 1536.7 MB/s |
ランダム | 1131.7 MB/s | 979.8 MB/s |
CPU性能
CPUは『Intel Core i7-10700』を搭載しており、8コア/16スレッド、クロック周波数が2.9GHz(最大 4.8GHz)と仕様としては、ハイエンドCPUとなります。
3,000後半あれば、3Dゲーム、動画編集などの高負荷な用途でも、ストレスなく快適に作業できます。
項目 | スコア |
---|---|
CPU | 3711 |
CPU(Single Core) | 477 |
ただ、同じIntel Core i7-10700の中ではパフォーマンスが伸びませんでしたね。
このベンチマークではCPU使用率が100%になるのですが、この時にファンが凄い回転していたので十分に冷やしきれず、スコアが低くなったのではないかと思います。
CPU | CINEBENCH R20 |
---|---|
Core i7-14700F | |
Core i7-12700K | |
Core i7-13700F | |
Core i7-12700 | |
Core i5-14400F | |
Core i5-13400F | |
Ryzen 7 5700X | |
Ryzen 7 3700X | |
Core i5-12400 | |
Core i7-10700 | |
Core i5-11400 | |
Ryzen 5 3600 | |
Core i7-10700F | |
Ryzen 5 3500X |
※デスクトップPC向けのみを表示
GPU性能(ゲーム含む)
項目 | スコア |
---|---|
グラフィックスコア | 4519 |
グラフィックテスト1 | 29.05 FPS |
グラフィックテスト2 | 26.23 FPS |
CPUスコア | 10231 |
CPUテスト | 34.37 FPS |
総合スコア | 4932 |
また、3DMarkで算出される各種ゲームのFPSは次の通りです。
ゲーム | 設定 | FPS |
---|---|---|
Battlefield V | 1440p Ultra | 50+ FPS |
1080p Ultra | 60+ FPS | |
Apex Legends | 1440p Ultra | 65+ FPS |
1080p Ultra | 80+ FPS | |
GTA V | 1440p Ultra | 30+ FPS |
1080p Ultra | 50+ FPS | |
Fortnite | 1440p Ultra | 50+ FPS |
1080p Ultra | 65+ FPS | |
Red Dead Redemption 2 | 1440p Ultra | Less than 20 FPS |
1080p Ultra | Less than 30 FPS |
※Ultraはゲームのグラフィック設定が最大を意味します。
※レイトレーシング機能はオフ。
GPUはGTX 1650 SUPERなので、グラフを見て分かる通り、グラフィックボードの中では性能は低い方です。
とは言え、快適と言える60FPSを超えるゲームも多く、価格の割に遊べるベームの幅が狭いということはありません。
GPU | 3DMark |
---|---|
RTX 4090 | |
RTX 4080 | |
RTX 4070 Ti | |
RTX4070 SUPER | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 4070 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti | |
AMD Radeon RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 4060 | |
RTX 3060 | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1660 SUPER | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 SUPER |
※デスクトップPC向けのみを表示
その他、ゲームのベンチマークでグラフィック性能を確認してみましょう。
軽量な3Dゲーム:ドラゴンクエストX
グラフィック設定 | スコア | 平均FPS | 評価 |
---|---|---|---|
最高品質 | 22939 | 213.3 FPS | すごく快適 |
標準品質 | 22914 | 202.5 FPS | すごく快適 |
低品質 | 23904 | 217.7 FPS | すごく快適 |
普通の3Dゲーム:FF14
設定 | スコア | 平均FPS | 最低FPS | ロード時間 (合計) | 評価 |
---|---|---|---|---|---|
最高品質 | 12332 | 84.8 FPS | 51 FPS | 10.5 秒 | とても快適 |
高品質 | 13861 | 94.6 FPS | 58 FPS | 10.2 秒 | とても快適 |
標準品質 | 19728 | 141.6 FPS | 70 FPS | 10 秒 | 非常に快適 |
重めな3Dゲーム:FF15
グラフィック設定 | スコア | 平均FPS | 評価 |
---|---|---|---|
高品質 | 4779 | 50.7 FPS | やや快適 |
標準品質 | 6714 | 70.2 FPS | 快適 |
軽量品質 | 8770 | 90 FPS | 快適 |
VR:VRMark
VRゲームのパフォーマンスを計測する『VRMark』のベンチマーク結果です。
PCの映像をVR機器に出力した際のFPS値が分かるので、VRでゲームをプレイしたい方は参考になると思います。
VRMark Orange Room | |
---|---|
スコア | 6881 |
平均FPS | 150 FPS |
推奨構成FPS | 109 FPS |
最低構成FPS | 81 FPS |
動画編集のエンコード性能
(コメント:エンコード時間)
エンコード時間 | 00:01:30 |
---|
※動画は過去にYouTubeに公開したもので、カット、テロップ、BGMなど一般的な解説動画向けの編集をしています。
10分の動画が1分半なので、かなり早いです。
ハイエンドのCPUが活きているのだと思います。
ファンの静音性
ファンに関しては、アイドル時に関しては問題ないのですが、ゲーム中は一般的なゲーミングデスクトップPCの中ではちょっとうるさいですね。
また、CPU100%近い超高負荷時になるとかなりうるさいです。
超高負荷時はちょっと厳しいのですが、ゲーム中であればギリ許容できる範囲かなと思います。
ケンさん
超高負荷になることは少ないと思いますが、もしなった時にうるさくなることは理解しておくべきでしょう。
どんなときも静かに作業したい方には不向きですが、価格はかなり安いので、静音性か価格かどちらを取るかですね。
(左:超高負荷時、中央:FF15ベンチ実行時、右:アイドル時)騒音レベル | |
---|---|
超高負荷時 | 67.7 dBA |
FF15ベンチ実行時 | 49.0 dBA |
アイドル時 | 32.2 dBA |
FF15ベンチ実行時は、CPU使用率が20%程度、GPU使用率が90%~100%でした。
騒音レベルの目安
デシベル(dBA) | 目安① | 目安② | 具体例 |
---|---|---|---|
70 | うるさい | かなりうるさい、かなり大きな声を出さないと会話ができない | ・騒々しい街頭 ・セミの鳴き声 (2m) |
60 | 非常に大きく聞こえうるさい、声を大きくすれば会話ができる | ・普通の会話 ・洗濯機、掃除機、テレビ | |
50 | 普通 | 大きく聞こえる、通常の会話は可能 | ・家庭用クーラー (室外機) ・換気扇 (1m) |
40 | 聞こえる会話には支障なし | ・静かな住宅地 ・図書館 | |
30 | 静か | 非常に小さく聞こえる | ・郊外の深夜 ・ささやき声 |
20 | ほとんど聞こえない | ・ささやき ・木の葉のふれあう音 |
Legion T550iの実機レビューまとめ
レノボの『Legion T550i』を実機レビューしました。
- 価格の割に重めの3Dゲームでもそこそこ楽しめる
- ゲーム/超高負荷時はうるさいのでコスパより静音性が欲しい方は不向き
一番低いスペックのモデルで約10万とリーズナブルで、マウス、キーボード、ディスプレイの周辺機器を別途購入しても、12万円前後に抑えることができると思います。
価格の割に、幅広いゲームを快適にプレイできるので、エントリーのゲーミングPCとしてはコスパは高いですね。
唯一、静音性が少し不十分なので、コスパを取るか、静音性を取るかの選択になってくると思います。
ケンさん
ハイエンドなGPUが搭載されていたり、ストレージが充実したラインナップもあるので、公式ページを参考にして下さい。