
CPUとは? CPUについて知りたいという方向けに、CPUの役割、性能、機能などに関する知識を説明します。
・CPUの性能比較表(仕様/スコア/価格/コスパ)【定期更新】
コスパ(スコア対価格)の高いCPU、高性能なCPUを約100件のCPUデータと共に解説
・GPUの性能比較表やコスパ・信頼性などの観点からおすすめPCパーツも紹介しています。
目次
CPUとは?(概要・役割)
CPUとは、Central Processing Unitの略で、中央演算処理装置、中央処理装置のこと。
プロセッサーとも言います。
人間の体で例えると色々なことを考える頭脳にあたります。
役割について
CPUは、メモリ、ストレージ、グラフィックボードなどの他のパーツやマウス・キーボードと言った周辺機器からのデータを元に、あるいは、データを相互的にやり取りすることで、演算や制御と言った様々な処理を行います。
まさに「パソコンの頭脳」とも言える重要なパーツで、パソコンには絶対搭載されています。
CPUは、パソコン全体のパフォーマンス・処理速度に大きく関わってくるパーツになります。
そのため性能が高ければ高いほど、高速に処理を行うことできます。
しかし、性能が低ければソフトウェアの実行時間が長くなるので、あまりに長すぎるとストレスを抱えることになります。
例えば、Excelの関数を大量に使用して計算するような場合。
性能は重要ですが、高ければ高いほど価格も高くなってきますので、使用用途に応じてどのくらいの性能が必要かなどを検討した上で選ぶことをおすすめします。
CPUの基本知識・性能について
役割の部分で、「性能」と言いましたが、CPUのどの部分が性能に関わっているのか見ていきましょう。
CPUの性能の決めてとなる部分は、大きく分けて次の2点になります。
クロック数
クロック数とは、コンピュータ内部で複数の電子回路がタイミングを揃えるために発信する信号の数のことです。
少し難しい言い方をしましたが、CPUとその他のパーツでデータを送信したり受信したりする際に、タイミングを合わせる必要があります。
そのタイミングを合わせるために、発信する信号のことです。
つまり、この信号の数が多ければ多いほど、データを送受信する間隔が短くなるので、高速な処理ができるということです。
1秒間にどれだけの信号を発信するかをHz(ヘルツ)という単位で表します。
例えば、4.2GHzであれば、毎秒42億回もの信号を発信していることになります。
とてつもない数ですね。(笑)
1GHz(ギガヘルツ)=1000MHz(メガヘルツ), 1MHz=1000KHz(キロヘルツ), 1KHz=1000Hzとなります。
2001年頃から、GHzが当たり前になっているので、MHz,KHzという表記は、今ではあまり見かけません。
コア数
コア数とは、CPUが演算・制御を行う部分をコアと言いますが、そのコアの搭載されている数を言います。
基本的に、1つのコアにつき1つの処理しか実行できませんが、コア数が多いと同時に実行できる処理の数が増えるので、その分高速に処理することができます。
今でこそスマートフォンですらマルチコアが当たり前の時代になっていますが、パソコンもスマートフォンも、始めは1つのコアのみでした。
2005年頃から、1つのCPUに、2つのコアが搭載された「ディアルコアCPU」が登場します。
パソコン向けに開発されたCPUでは、2005年5月に発売された「Intel Pentium D」を始め、
AMDでも「AMD Athlon 64 X2」というものが登場しました。
2007年頃には、4つのコアが搭載された「クアッドコアCPU」が登場しています。
また、コアが6つの「ヘキサコア」、コアが8つの「オクタコア」も登場しており、
2016年では、スマートフォンにもヘキサコア、オクタコアのCPUが搭載されるほどマルチコアCPUが当たり前になっています。
1つのCPU内に、複数のコアを搭載しているCPUのことをマルチコアCPUと言います。
基本的には、1つのパソコン内に1つのCPUですが、ハイパフォーマンスのパソコンになると1つのパソコン内にCPUが2基搭載されているものがあります。
この場合は、マルチCPUと言います。
パソコンの購入や自作PCを考えている方は、コア数、クロック数は見ておきましょう。
性能には大きく関わっていませんが、基礎知識として他の項目についても説明しておこうと思います。
キャッシュメモリ
キャッシュメモリとは、CPUの演算後の演算結果を一時的に保存するための記憶装置です。
メモリも一時的に保存する記憶装置と言う意味では役割は同じですが、キャッシュメモリは、メモリより高速で小容量なメモリです。
CPUの高速な処理と(CPUと比較して)低速なメモリの間に入ることで、データのやり取りをスムーズにし、CPUをより効率的に動作させる役割があります。
低速なメモリのデータのやり取りに高速なCPUが合わせていては、CPUに待ち時間ができてしまいます。そうなればCPUを効率的に動作させることができないので、それを回避するためのキャッシュメモリです。
CPUによってキャッシュメモリは、1つだけでなく複数内蔵している場合があり、「1次キャッシュ」, 「2次キャッシュ」, 「3次キャッシュ」と呼ばれます。
TDP
TDPとは、Thermal Design Powerの略で、熱設計電力のことです。
簡単に言うと、CPUの最大動作時の消費電力のことで、CPUがフル稼働している時の最大消費電力を意味します。
自作PCをする人は、この電力が電源ユニットを選ぶ際に参考なります。
CPU関連の構成
パソコンの頭脳部分であるCPUを理解するには、CPUだけでは少し不十分。
CPUに関連して、CPUクーラー、CPUグリスについても知っておく必要があります。
CPUは、演算・制御を高速で行うので、非常に発熱するパーツです。
高温になるとCPUの性能が低下するので、CPUを冷却する仕組みが必要になってきます。
その役割をするのが、CPUクーラーとCPUグリスです。
構成について
下のようなCPUの上に、厚さ2mm程度のCPUグリスを塗ります。
そのCPUとCPUグリスの上に、CPUクーラーを乗せます。
CPU
CPUクーラー
CPUクーラーとは?
CPUクーラーとは、高温になるCPUを冷やすためのパーツです。
CPUは、高負荷な状態だと70、80℃前後もの温度になります。
その温度を下げないとCPUの性能が一時的に低下するため、冷やすための仕組みが必要となってきます。
その役割を担当するのがCPUクーラーです。
冷却する仕組みについて
CPUから発生した熱を金属を通して、CPUクーラーに移動させます。
CPUクーラーに搭載しているファンによって、温度の低い空気が流れ込むことで、温度を下げていきます。
このように空気を使って冷やす機構を「空冷」と言います。
一方で、水を使った「水冷」があります。
下の画像のように、ファンと手前にある水冷ヘッドが付いており、その2つをパイプで繋いだような構造となっています。
パイプの中には水が通っていて、水冷ヘッドからCPUの熱を吸収し、温まった水をパイプを通してファンの方に流していきます。
ファンには、水を冷やすためのラジエータが付いていて、冷やした後、再度CPUの方に送られるという仕組みです。
簡易空冷式CPUクーラー
CPUグリスとは?
CPUグリスとは、 CPU と CPU クーラーの間に塗るグリスのことで、 CPUの熱を冷却するためのCPUクーラーに、スムーズに伝える役割をします。
CPU と CPU クーラーの熱を伝える部分は、金属の素材でできていますが、金属の表面は細かく見るとギザギザしているので、金属同士を直接くっつけても、間に空気の層が入ります。
空気の熱伝導率は低いため、効率的にCPU クーラーに熱を伝えることができません。
そこで、空気層をなくし、熱をスムーズに伝えるための役割をしているのが CPU グリスとなります。
CPUグリスの注意点
CPUグリスは、経年劣化することで熱伝導率が下がるので、 長年メンテナンスせずに使っているとCPU クーラーに効率よく熱を伝えられなくなります。
その結果、 CPU クーラーの冷却性能が低下し、CPUの性能が下がることになります。
自作PCをする方は、2,3年に1回程度グリスを塗り替えることをおすすめします。
CPUメーカー(Intel・AMD)
パソコン向けのCPUを製造しているメーカーは、Intel と AMD の2社です。
CPUは、大体半年から1年程度の間隔で新製品が発表・発売されています。
この2社のCPUシェアについて
CPUのシェア率についてだが、ベンチマークソフトを開発・提供しているPassmarkが4半期毎に発表しているシェアチャートで確認できる。
2006年あたりまでは、大体半々と言った感じだが、その後、時間が経つにつれ、シェア率が大きく離されているのが分かります。
Intel CPUが約8割と圧倒的なシェアを持っており、AMDが2割程度です。
しかし、AMDも2016年に発売された「Ryzen」シリーズのCPUによって、少しずつですがシェアを取り戻しています。
このシェアチャートは、同社のベンチマークソフトの測定結果を元にしているので、ソフトの対応OSの関係でWindowsが動作するx86 CPU搭載のPCのみが対象です。
そのため、Macに搭載されているIntel CPUやあまりベンチマークを実行しないと考えられるビジネス向けのPCを含めると実際のシェアはもう少し変わると思います。
Intel CPU の特徴・機能
Intel製 CPU に搭載されている主要な特徴・機能について説明します。
以下の項目は、CPUよって、対応・非対応が決まっているので、購入時は注意が必要です。
インテル ハイパースレッディング・テクノロジー
ハイパースレッディング・テクノロジーとは、1つのコアで2つの処理を実行する機能です。
この機能によって、より多くの作業を並列処理することで、処理速度を高めています。
インテル ターボ・ブースト・テクノロジー
ターボ・ブースト・テクノロジーとは、必要に応じてCPUの動作周波数を一時的に引き上げることで、処理速度を高める機能です。
CPUの温度や消費電力を考慮して余力がある場合に、動的に動作周波数が変更されます。
CPUの仕様を確認すると、「ベース動作周波数」と「ターボ・ブースト利用時の最大周波数」という2つの項目があります。
ターボ・ブースト・テクノロジーの利用時の最大動作周波数は、未使用時とは別の項目で表記されています。
ECCメモリー対応
ECCメモリー対応とは、メモリのエラー修正機能(ECC)をCPUでサポートしているかを示します。
ECCとは、メモリのエラーを検出し、そのエラーを正しい値に訂正する機能のことです。
メモリの不具合には、過度な温度変化、電圧のストレス、メモリのビットを反転させる可能性のある宇宙線などが要因として挙げられます。
また、ECC機能を利用するには、CPU, メモリ, マザーボードなどでECCに対応している必要があります。
ECCメモリの機能は、主にデータに高い信頼性を保つ必要があり、何としてもエラー、データ破損や計算結果エラーを避けたい金融関連のシステム、データセンター、ワークステーションやサーバーなどのビジネス用途向けとなります。
コンシューマー向けであれば、それほど気にするものではありません。
4Kサポート
4Kサポートとは、4K解像度の映像出力に対応しているかどうかを示します。
4Kの解像度は、3840 × 2160です。
最大解像度
最大解像度とは、映像出力する際の最大の解像度を示します。
この解像度は、ディスプレイの最大解像度などによって、小さくなる場合があるので注意が必要です。
AMD CPU の特徴・機能
AMD製 CPU に搭載されている機能について説明します。
Intelと同等機能の場合、説明は省きます。
AMD SMT
SMTとは、Simultaneous MultiThreadingの略で、同期マルチスレッディング機能です。
Intelのハイパースレッディング・テクノロジーと同等機能。
AMD Turbo Core テクノロジー
Intelのターボ・ブースト・テクノロジーと同等機能。
まとめ
・CPUとは?(概要・役割)
・CPUの基本知識・性能について(クロック数、コア数、キャッシュメモリ、TDP)
・CPU関連の構成(CPUクーラー、CPUグリス)
・CPUメーカー(Intel・AMD)について
・メーカー別CPU の特徴・機能
次のPCパーツの基礎知識は、メモリについてです。
どうも、ケンさん(



・CPUの性能比較表(仕様/スコア/価格/コスパ)【定期更新】
コスパ(スコア対価格)の高いCPU、高性能なCPUを約100件のCPUデータと共に解説
・GPUの性能比較表やコスパ・信頼性などの観点からおすすめPCパーツも紹介しています。
そこで、約100件のCPUデータとそのデータを元に"コスパ", "性能"の観点からおすすめのCPUを解説しています。
仕様/スコア/価格(日本円)/コスパが一目瞭然!!
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