- ノートPCのバッテリー容量やどのくらい劣化しているか分からないの?
- ノートPCの寿命を確認する方法って無いの?
- 買い替えの目安ってどう判断すればいれの?
ノートPCを長年使っていると「何かバッテリーの持ちが悪くなったな…」と思うことがあると思います。
そこで、ノートPCのバッテリー容量や劣化状況などを取得する方法や買い替えの目安などを解説していきます。
確認する方法もツールを開いて、コマンド1行を入力(コピペでOK)するだけで、すぐにできるので一緒に試してみて下さい。
実際の私が長年使ってきたノートPCで、定期的にバッテリー情報を取得しているので、その推移からどの程度使ったらこのぐらいバッテリーが劣化していくというのも示しつつ解説していきます。
また、バッテリー情報を元に、本当にバッテリーが消耗してバッテリー寿命が短くなっているのか、ネット接続やバックグラウンドのアプリが原因でバッテリーの持ちが悪いのか切り分けすることもできます。
バッテリー寿命が短くなっている場合は、買い替えの目安にもなってくるかと思うので「最近バッテリーの持ちが悪いな…」と思っている方は、ぜひ試してみて下さい。
バッテリー容量は実機のレビュー記事でも解説しているので、自分の機種と比較したり、買い替える際の目安にしたりしてください。
GPUの有無や各パーツの性能で消費電力は変わってくるので、一概にバッテリー容量だけで駆動時間の優劣は付けられませんが、参考にはなると思います。
ノートパソコンの選び方(性能/用途/画面サイズ/価格/重量など)やパソコン全体の寿命についても解説しているので参考にして下さい。
目次
ノートPCのバッテリー情報の確認について
ノートパソコンで取得できるバッテリー情報とその手順を解説していきます。
確認できるバッテリー情報【容量・寿命など】
今から紹介する方法で取得できるバッテリー情報は次の通りです。
- バッテリー容量
- バッテリーの劣化状況
- 充電回数
- 充電履歴
- バッテリー消費のグラフ
画像はその一部ですが、特にバッテリー容量と劣化状況の情報が役立ちます。
出荷時のバッテリー容量と現在のバッテリー容量を確認することができるので、どの程度バッテリーが消耗しているのか分かります。
具体的にバッテリーの消耗具合が数値で分かるので、ノートパソコンの買い替えの目安になりますね。
また、出荷時のバッテリー容量と現在のバッテリー容量を比較して、かなり少なくなっているのであれば、バッテリーの寿命が近いと判断できます。
一方で、バッテリー容量が少なくなって”いない”にもかからわず、バッテリーの持ちが悪いと感じる場合は、長時間のインターネット利用、高負荷な処理やバックグラウンドでアプリ等が実行され続けている可能性があるので、その辺りを改善すれば長持ちする可能性があると判断できます。
バッテリー情報の確認ツール
バッテリー情報を取得するためには、Windowsに標準で付いているツールを使って、コマンドを実行します。
ケンさん
Windowsに標準搭載されている「Windows PowerShell」か「コマンドプロンプト」を使用します。
起動方法は、Windowsのバージョンによって若干違いがあるため、2通りの起動方法を紹介しておきます。
【起動方法①】
※同じWindows 10でも、バージョンによっては表示される項目が違うので、表示されている方を使えば問題ありません。
管理者とそうでないものが2つあると思いますが、どちらでも構いません。
【起動方法②】
バッテリー情報の確認コマンド【使い方】
画面が出てきたら、以下のコマンドを入力してEnterを押しましょう。
コマンド:powercfg /batteryreport
※コピー&ペーストで入力できます。
画像では、Windows PowerShell (管理者)を使用しています。
コマンドの入力
Enter入力後
ファイルが保存されれば成功です。
画面にもファイルの場所が表示されますが、バッテリー寿命のレポートが「C:\Windows\System32\battery-report.html」として保存されます。
system32のフォルダ内はファイルが多いので、ファイル名で検索すると見つけやすいです。
バッテリーレポートの見方
出力されたファイルに書かれている内容について解説します。
項目は次の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
Battery report (基本情報) | コンピューター名、製品名、BIOS、OSのビルド情報や取得日。 |
Installed batteries | 搭載されているバッテリーに関する情報。 容量や充電回数が分かります。 |
Recent usage | 最近(過去3日間)の電力状態。 |
Battery usage | 最近(過去3日間)のバッテリーの使用量 |
Usage history | ACとバッテリーの使用履歴 |
Battery Capacity history | バッテリーの充電能力の履歴 この履歴でバッテリーの劣化具合を確認することができます。 |
Battery life estimates | 取得したデータをもとにした残りの駆動時間の見積もり。 |
今回は、2018年10月に発売された Surface Pro 6 を使ってバッテリー情報を取得します。
10月に購入して以降、1日8時間から12時間以上は使っているので、かなり酷使している方だと思います。
Battery report【バッテリー基本情報】
コンピューター名、製品名などを含め、コマンドを実行したパソコンの基本的な情報を確認することができます。
Installed batteries【バッテリーの種類/容量/充電回数】
名前、製造メーカー、個体識別番号、バッテリーの種類、設計上のバッテリー容量、実際の充電容量、充電回数が確認できます。
設計上(出荷時)のバッテリー容量は、45000mWh, 実際の充電容量は、48760mWhです。
購入直後は、設計上の容量より実際の充電容量の方が多いみたいですね。
Recent usage【直近のバッテリー使用状況】
最近(過去3日間)の電力状態を確認することができます。
SOURCEがACの場合は、電源ユニットを接続して充電している時の履歴で、Batteryの場合は、電源ユニットを接続せず、バッテリー駆動で使用している時の履歴です。
その時々で、バッテリーの残量がパーセンテージとmWhで確認できるようです。
データを確認すると101%, 102%と100%を超えちゃってますが、設計上のバッテリー容量をもとに計算しているからでしょうか。
Battery usage【直近のバッテリー容量の推移】
最近(過去3日間)のバッテリーの使用量をグラフで確認することができます。
DURATIONの時間分で、どれだけバッテリーを消費したかがわかるようです。
Usage history【バッテリーの使用履歴】
バッテリー駆動をしている時(BATTERY DURATION)と電源ユニットを接続している時(AC DURATION)の履歴が確認できます。
Battery Capacity history【バッテリー総容量/劣化/寿命】
バッテリーの充電能力の履歴で、これを確認することで劣化具合の推移を確認することができます。
劣化具合を見るには、FULL CHARGE CAPACITYを確認します。
Surface Pro 6 のバッテリーを確認すると次のようになります。
2018-10-30 ⇒ 47910mWh
2018-11-27 ⇒ 47020mWh
最大バッテリー容量が少しだけ少なくなっていることがわかります。
Surface Pro 6 を購入したのが、2018-11-21ですが、それ以前の履歴もありますね。
製造されて動作確認などで起動した際のデータが残っているのでしょうか。
製造されてから1か月で、約900mWh減っているようです。
結構減っているような気がしますが、この減り具合が一般的なのか分からないので何とも言えないですね。
また、人によってパソコンの使用時間が違うので、それによっても減り具合は全然違ってくるでしょう。
Battery life estimates【バッテリーの残り駆動時間】
取得したデータをもとにした残りの駆動時間を確認することができます。
AT FULL CHARGE の ACTIVEが、バッテリー駆動で使用し続けた場合の駆動時間。
AT FULL CHARGE の CONNECTED STANDBYが、スタンバイ状態にし続けた場合の駆動時間。
2018-11-27を確認すると、残り6時間52分使い続けることができます。
スタンバイ状態だと、残り269時間19分3秒持ちます。
おそらく6%で16時間持ったからというデータをもとに計算しているのだと思います。
バッテリーの寿命・買い替えの目安
ノートパソコンのバッテリーの寿命について、実際に数年間使ってどういう推移で劣化していくのか、劣化した際の症状、買い替えの目安などを解説していきます。
バッテリー寿命について
現在、ノートパソコンに使われるバッテリーのほとんどは『リチウムイオンバッテリー』で、スマホやモバイルバッテリーなど幅広く使われるタイプのものです。
リチウムイオン電池の場合、500回の充電サイクル回数を繰り返した時点で、電池容量が60%程度まで減少するとされている。携帯電話やスマートフォンで「100%まで充電をしてもすぐに電池がなくなる」という事象がよく見られるが、電池そのものが古くなり劣化が進んでいるのが原因であり、新品の電池に交換するのが良い。
リチウムイオンバッテリーの特性上、充電回数が500回程度とされ、500回充電するとバッテリー容量が大体60%程度まで減少するとされています。
500回を超えたからと言って、すぐにバッテリーが全く使えなくなることはありません。
ちなみに、2020/11/17に再度バッテリー情報を確認(購入から約2年)したところ、次のようになりました。
設計上容量 :45,000mWh
フル充電容量:26,600mWh
充電回数 :521回
設計上の容量が45,000mWhであるのに対して、フル充電容量は、26,600mWhなので、大体4割減少しています。
そのため、500回充電すると約60%程度になるというのは大体合っていますね。
バッテリー寿命の推移の実例【約4年分】
実際に数年間使ってきたSurface Pro 6で、定期的にバッテリー情報を取得しているので、どういう推移で劣化していくのか一例を見てもらおうと思います。
ケンさん
バッテリー推移
計測日 | バッテリー容量 | 充電回数 |
---|---|---|
2018/10/30 | 47,910 mWh | – |
2018/11/22 | 47,020 mWh | – |
2019/7/30 | 44,240 mWh | 260 |
2019/12/7 | 40,360 mWh | 372 |
2020/11/14 | 26,600 mWh | 521 |
2021/11/30 | 26,000 mWh | 545 |
2023/01/18 | 29,400 mWh | 558 |
ちなみに、Surface Pro 6は、1日8~12時間以上、基本的にACアダプタ接続しっぱなしという過酷な状態で約4年間使ってきたので、かなり劣化している方だと思います。
充電器は、外出時や気まぐれで外していた時もありましたが、基本的にはほぼ接続しっぱなしだったので、どういう基準で充電回数がカウントされているかは不明です。
2020/11/14までは、順調(?)にバッテリー劣化が進んでいることが分かります。
しかし、2020/11/14~2021/11/30の区間は、減少傾向がなくなりフラットになったと思ったら、最後になせが少し回復するという謎な推移となったので、ちょっと分からないですね。
また、連続でバッテリーを取得するとバッテリー容量が少し変わったりするので、正確さや信頼性はイマイチかもしれません。
記載しているバッテリー容量は、何回か実行していると安定してくるのでその値を参考にしていますが、あくまで目安程度にしておいた方が良いでしょう。
バッテリー劣化時の症状
バッテリーの容量が減少して劣化してくると普段作業している時に様々な症状がでてきます。
バッテリーが劣化して実際に私が経験した症状は次の通りです。
- 購入時は8時間ぐらい動いていたものが、2,3時間になる
- 特定の区間ですごい勢いでバッテリーが無くなる
- バッテリー残量40%ぐらいで急に画面が切れてシャットダウンやスリープが発生
正確には覚えてませんが、2020/11/14以降の充電回数500回以降ぐらいから、症状が出始めたかなという感じです。
これらの症状は、ガラケーやスマホの方が馴染みがあるような気がします。
購入してから2,3年ぐらい経つと、バッテリーの持ちが悪くなったと感じる方は多いと思いますが、それと同じですね。
年月が経つにつれて最大容量が減ってくるので、当然、MAXで充電しても動いてくれる時間は少なくなります。
また、100%~0%まで滑らかに減っていくのではなく、なぜか60%~20%の間は、一瞬で無くなるみたいな現象もありますね。
ノートパソコンの買い替えの目安について
ノートパソコンのバッテリー寿命の観点から見た時の買い替えの目安としては、次の通りです。
- 明らかに駆動時間が短く、最初と比較して1/2~1/3ぐらいになっている。
- 充電器なしで使う機会が多いので、バッテリー時間が短いのがストレスになっている。
- 上で解説した症状・不具合がでてきた。
こうなると、そろそろ買い替えのタイミングか、ダマしダマし何とか使っていくかになります。
ケンさん
最近では、作業内容にもよりますが、バッテリー駆動では1,2時間しか持たないので、充電器が手放せない状況ですね。
ここまでくると、充電器ありきでノートパソコンを使うのであれば問題ないですが、バッテリー駆動のみで使う方であれば、正直厳しいので買い替えをおすすめします。
個人的には、バッテリー容量が70%~60%ぐらいになると体感的に持ちが悪いな…と感じてくるので、このタイミングで良いかもしれませんね。
私はメーカーから実機を借りてレビューもしており、最近ではバッテリー容量も掲載しているので買い替えの参考になると思います。
最近のバッテリー容量の相場をまとめると次のようになります。
- バッテリー容量は、ビジネス向け, ゲーム向けに関わらず、45,000mWh前後が多い
- ハイスペックノートPCは、62,000mWh(G-Tune E5-144)、95,000mWh(GIGABYTE AORUS 15G)と大容量
- ただし、45,000から95,000と2倍以上になったからと言って、駆動時間は2倍にはならない
- パーツ構成やシステム設定、冷却性能で大きく変わる
また、ノートパソコンの選び方や使用用途別、価格別の目安スペックやおすすめPC、よくある質問なども解説しています。
≫ 関連記事:ノートパソコンの選び方・よくある疑問を徹底解説
ノートパソコンの累積使用時間の確認方法と目安
今までノートパソコンを何時間使ったか確認する方法と目安について解説します。
累積使用時間の確認方法
累積使用時間については、「CrystalDiskInfo」というフリーソフトで確認することができます。
上で解説したバッテリー情報では累積使用時間は分からないですが、ストレージが持っている情報を見ることで確認できます。
あくまで、バッテリーの使用時間ではなく、ストレージの使用時間なので、購入時からストレージを交換などしていないことが前提です。
交換してないということは、「ストレージの使用時間=ノートパソコンやバッテリーの使用時間」と一緒になるので、累積使用時間と言っても良いでしょう。
使用時間の目安
ストレージの使用時間の目安としては、経験上、2万時間を超えたり、CrystalDiskInfoの健康状態で「危険(赤色)」になったりすると危ないです。
バッテリーの劣化具合と使用時間の関係性は分かりませんし、バッテリーの寿命とは異なりますが、ストレージの寿命が来たらノートパソコン自体が使えなくなるので知っておいた方が良いと思います。
私は、PCを20年ほど使っており、今まで、HDD・SSD含めストレージを10台ぐらい使ってきましたが、経験上、パソコンの故障のほとんどがストレージの故障で、累積使用時間が2万時間ぐらい経過すると危なくなってくる印象があります。
2万時間を超えたら突然使えなくなったり、個体差や使用環境によっても大きく変わったりするので、ハッキリとは言えません。
しかし、その頃には、バッテリーの容量も劣化していると思うので、買い替えのタイミングとしては良い頃合いだと思います。
買い替えないにしても、データのバックアップはやっておいた方が良いですね。
バッテリー寿命をできるだけ長持ちさせる方法
ノートパソコンの劣化具合や寿命の確認方法を解説してきましたが、その上で何かできることはないかということで、できるだけバッテリーの劣化を抑える方法を解説します。
長持ちさせる方法としては主に次の通りです。
- 満充電(残量100%の状態)にしない。
- 残量0%の状態で放置しない。
- 無駄なバッテリー消費を避ける。
最初の1つ目、2つ目については、ノートパソコンと言うより、リチウムイオンバッテリー自体の特性ですね。
満充電や残量0%で放置するとバッテリーの劣化を早めるようなので、ACアダプターを繋ぎっぱなしにしない、0%にならないように定期的に充電するといった対策ですね。
おそらく、普通に使っていれば、0%になることはないと思います。
また、気づいたら満充電になってることが多いと思うので、こちらをきっちり対応するとなると大変な気がするので、気づいた時だけでも良いのかなと思います。
3つ目の無駄なバッテリー消費というのは、例えば次の通りです。
- 充電器が近くにあるのに、スマホをノートPCのUSBから充電する。
- 数時間使わないときは電源を切る、最低でもスリープにして電力消費を抑える。
- 外部モニターをUSB Type-Cなどで給電する。
- マウスを使う時は、バッテリー内臓式マウスを使って、ノートPCから電源を取らない
本来であれば、使わないで良い電力なので、その辺りはバッテリーの劣化を早めてしまうだけなので徹底的にカットしておきましょう。
ケンさん
そもそも、使用する電力を少なくしてしまえば、バッテリーの劣化も抑えることができるだろうという考えで、実際に比較実験をしたわけでは無いので、具体的にどのくらい抑えられるかとかは分かりません。
しかし、対策をすることで作業の快適さが大きく損なわれるとかでなければ、対策しておいた方が良いと思います。
まとめ:バッテリー寿命を確認して買い替えの目安としましょう!
ノートパソコンのバッテリー情報を取得する方法と数値の確認方法を解説しました。
最近バッテリーの持ちが悪いな…
そろそろ寿命かな…
と感じている方は、簡単に確認できるので、ぜひ一度試してみて下さい。
やり方は、「Windows PowerShell」か「コマンドプロンプト」を開いて次のコマンドを実行するだけです。
コマンド:powercfg /batteryreport
※コピー&ペーストで入力できます。
ケンさん
バッテリー情報を見ることで、
- バッテリーが消耗して寿命が近づいているのか
- ネット接続やバックグラウンドのアプリが原因でバッテリーの持ちが悪いのか
切り分けすることもできるので、改善や買い替えの目安になると思います。
バッテリーが設計上の容量(DESIGN CAPACITY)が60~70%ぐらいになると体感的にも「バッテリーの持ちが悪い…」と感じると思うので、不便を感じるようであれば、それを目安に買い替えを検討すると良いと思います。
ノートパソコンの実機レビューをする際は、バッテリー情報も取得としているので、容量の多いものが欲しい方は参考にしてみて下さい。
≫ 関連記事:実機のレビュー記事
また、ノートパソコンの選び方(性能/用途/画面サイズ/価格/重量など)やパソコン全体の寿命についても解説しているので参考にして下さい。