- ノートパソコンのスタンドってどういうタイプがあるの?
- スタンドを使う目的って何なの?
- どういう観点で選べば良いの?
ノートパソコン向けのスタンドには、大きく分けると「斜め・底上げ台」と「縦置き」の2タイプがあります。
この2タイプで使う目的や選び方が違うので、それぞれ解説していきます。
スタンドを使うことで、姿勢(体調)の改善、ノートパソコンのパフォーマンスや寿命の改善、より操作しやすくなるなどのメリットがあるので、自分が必要なタイプのスタンドの選び方を見て参考にしてもらえればと思います。
ノートパソコンの選び方(性能/用途/画面サイズ/価格/重量など)やよくある質問も解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:ノートパソコンの選び方・よくある疑問を徹底解説
目次
ノートパソコンの斜め・底上げスタンドの目的
ノートパソコンの斜め・底上げスタンドの目的は次の通りです。
- 姿勢を良くして肩や腰, 目の疲れを改善
- 放熱効果UPでパフォーマンス・寿命の改善
- キーボード入力がしやすくなる
- 外付けキーボードが使いやすい
姿勢を良くして肩や腰, 目の疲れを改善
ノートパソコンを使う時、通常は視線が下に向きますが、スタンドを使うとモニタの位置が上がるので、自然と視線も高くなります。
視線が低いままだと、背中が縮こまって猫背のようになりますし、縮こまっていることで変に力が入るので、肩や腰、目に負担が掛かります。
しかし、スタンドで視線を上げることで、背筋を伸ばしやすくなりますし、比較的余計な力を入れずにパソコンに向かうことができます。
これにより、肩や腰、目への負担も軽減できるので、これ由来の体調不良なども改善できるかもしれません。
ケンさん
放熱効果UPでパフォーマンス・寿命の改善
スタンドを使うことで、ノートパソコンの底に空間ができるので空気の流れが良くなり、放熱効果が上がります。
パソコンは発熱しすぎるとパフォーマンスを落として発熱しないように調整するのですが、放熱性能が高くなることで、本来のパフォーマンスを維持することができます。
ノートパソコンが発熱するのはCPUやGPUなどが内蔵されているキーボード側(※)ですが、長時間使った後に、デスクや裏面を触ると熱くなっているようであれば、スタンドを導入しても良いかもしれませんね。
※タブレットPCの場合は、モニタ側にCPUやGPUなどが集約されているので、モニタ側が発熱します。
キーボード入力がしやすくなる
キーボードの角度が真っ平より、浅く角度が付いている方が入力しやすくなります。
スタンドを使うことで、ノートパソコンでも浅く角度を付けることで、キーボード入力がしやすくなります。
入力しやすくなるかは人にもよるので、自分がどちらが入力しやすいか確認しておきましょう。
デスクトップパソコンで使うキーボードであれば、裏側に小さいスタンドが付いてるので角度を付けることができます。
しかし、ノートパソコンは本体にくっついているため角度をつけることができませんが、スタンドを使うことで可能になります。
外付けキーボードが使いやすい
スタンドを使うことで、普通にノートパソコンを置くよりデスクの使用スペースが減るので、そのスペースに外付けのキーボードを置くことができます。
そのため、「ノートパソコンのキーボードだと打ちづらい…」「外出時は本体のキーボードで良いけど、自宅では好きなやつ使いたい!」という方におすすめ。
通常であれば、ノートパソコンのキーボードが邪魔で手前にスペースがありませんし、本体を後ろにやってスペースを作ってしまうとモニタが見えづらくなってしまいます。
しかし、スタンドを使って斜めにすることで、デスクの使用面積が小さくなるので、外付けキーボードを置きやすくなります。
また、スタンドによってはノートパソコンを浮かせるようなものもあるので、その下のスペースにキーボードが置けるようになります。
ノートパソコンの斜め・底上げスタンドの選び方
ノートパソコンの斜め・底上げスタンドの選び方のポイントは次の通りです。
- ノートPCの画面サイズに対応しているか
- スタンドの高さ調整ができるか
- スタンドが折り畳み・持ち運びできるか
- スタンドの素材(アルミ/ABS樹脂/木製)
ノートPCの画面サイズに対応しているか
まずは、ノートパソコンの画面サイズがそのスタンドに対応しているか確認しておきましょう。
ノートパソコンは画面サイズによって、本体の大きさが大体決まりるので、14インチや15.6インチなどの画面サイズを基準に対応しているかどうか書かれています。
スタンドの仕様にも、17インチ以下に対応、13~17インチに対応など書かれています。
スタンドの高さ調整ができるか
ノートパソコンをスタンドに置くので、モニタの高さ、キーボードの角度などを調整できた方が良いです。
スタンドには色々な形状があるので、それによってどこが調整できるのかが変わってきますし、同じ形状のものでも、製品によってどこまで調整できるのかも変わってきます。
例えば、このような形状だと手前側はデスクに付いた状態で、後ろ側の高さを変えることで、キーボードに角度をつけたり、モニタの高さを調整します。
また、この形状だと、手前側も浮かせて調整できるので自由度が高くなります。
キーボードを浮かせても腕が疲れて入力しづらくなるだけなので、手前は浮かせなかったり、空いたスペースに外付けキーボードを置いたりというのが基本的な使い方になると思います。
スタンドが折り畳み・持ち運びできるか
スタンドによっては、折り畳みができるのか、持ち運びを前提とした軽量・コンパクト設計なのかが変わってきます。
そのため、スタンドを外出先や出張先でも使いたい、使わないときはコンパクトに収納しておきたいと考えている方は、この辺りも良く見ておきましょう。
折り畳みであればどちらもできますが、板タイプのものは平らにすることはできますが、コンパクトさや軽さで言うとそれほどはなく、どれも600g~1kg程度あります。
一方で、持ち運びに適したタイプだと200~300g程度で、なおかつ、5cm×30cm前後になるのでカバンにも入れやすいです。
他にも、色々な形状があるので、自分の用途に適しているか確認しておきましょう。
軽量重視のノートパソコンに付いても解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:軽さ重視のモバイルノートPC【600g~1kg】
スタンドの素材(アルミ/ABS樹脂/木製)
スタンドの素材には、アルミニウム、ABS樹脂(プラスチック)、木製などがあり、特に多いのがアルミニウムです。
1~1.5kg程度のノートパソコンを載せる台なので、ある程度強度があり、安定感のあるアルミニウムがおすすめですね。
また、スタンドが金属製なので熱が伝わり冷却性能が上がるということも聞きますが、それはあまり期待できません。
スタンドには滑り止めのパッドが付いているので、スタンドの金属とノートPCの金属の間には空間があり、熱はうまく伝わりません。
仮に、滑り止めパッドがなく密着できたとしても、細かいレベルで見ると金属はギザギザしているので、その間に熱伝導率の低い空気の層ができるため熱はうまく伝わりません。
デスクトップパソコンでは、CPUの熱を冷却するため、CPUの上にCPUクーラーを設置するのですが、空気の層をなくすためグリスを使います。
このグリスがないとCPUの熱がCPUクーラーにうまく伝わらず冷却できないのですが、スタンドにも同じことが言えます。
そのため、何となく冷却性能が上がりそうだからアルミにしようというのは、あまり期待しない方が良いと思います。
上でも説明した通り、スタンドを使うことで、ノートPCとデスク上に空間ができ、そこの風通しが良くなることで熱がこもりにくくなるという意味での冷却性能の向上は期待できると思います。
滑り止めが付いているか
最近のスタンドであれば、ほとんど付いているので問題ありませんが、滑り止めパッドが付いているか確認しておきましょう。
ノートパソコンは重量があるので、滑り止めパッドがないスタンドで角度を付けてしまうと滑り落ちる可能性があります。
ケンさん
おすすめの斜め・底上げスタンド
おすすめの斜め・底上げスタンドを次の観点から4つ紹介します。
- 最もスタンダードで人気のあるスタンド
- 持ち運びしたい方向けのコンパクト・軽量スタンド
- 持ち運びしたい方向けの貼るタイプの薄型スタンド
- オシャレなインテリアになる竹製のスタンド
最もスタンダードで人気のあるスタンド
2つの軸を調整することで高さを調整できるスタンダードなノートパソコン向けスタンドです。
アルミ合金製で見た目がかっこ良い上、安定感があり人気となっています。
耐荷重が20kgまでで、17インチ以下のサイズに対応しているので、幅広いノートパソコンで使うことができます。
持ち運びしたい方向けのコンパクト・軽量スタンド
軽量かつコンパクトになる折り畳みスタンドで、持ち運びしたい方向けです。
折り畳み時は、24×4×1.5cmのコンパクトさで重量は230g、フレームは細いですが、アルミ合金製なので強度がありますね。
10~15.6インチのサイズに対応しており、6段階の高さ調整が可能です。
持ち運びしたい方向けの貼るタイプの薄型スタンド
ノートパソコンの裏側に貼り付けて使うタイプの薄型のスタンドで、持ち運びしたい方向けです。
厚さ3mm、重さ89gの薄型で、11.6~15.6インチのサイズまで対応。
耐荷重は8kgなので、重くても2kg以下なノートパソコンは余裕ですね。
ノートパソコンに貼り付けるので出かける際の準備は楽で、わざわざスタンドで1アイテムを増やしたくない方におすすめ。
ただ、ノートパソコンの裏側には冷却用の吸気口があるので、その穴を塞いでしまう可能性が高いのがデメリットです。
吸気口のないノートパソコンや影響ない部分を切って穴を塞がないようにしたりなどの対策をしているユーザーもいるようです。
一応製品自体にも対策として穴はあけられているものの、塞いでしまう範囲が広いのでそのまま使うと冷却性能に悪影響が出てしまうかもしれません。
オシャレなインテリアになる竹製のスタンド
MY FAT GORILLAというドイツの会社発祥で、主に竹を使ったPCの周辺機器を作っているメーカーです。
資源の持続可能な生産、生分解性(微生物などの生物による分解)による環境にやさしい破棄ができる竹を使ったプロダクトを展開しています。
ケンさん
このスタンドは、高さ調整ができず、ノートパソコンを完全に浮かせる形になるので、別途外付けのマウスやキーボードが必須ですね。
また、フレームの下側にキーボードを格納できたり、スタンドを縦にすることで縦スタンドとしても使えるので、他のスタンドには無い機能もあります。
ノートパソコンの縦置きスタンドの目的
ノートパソコンの縦置きスタンドの目的は次の通りです。
- 外部モニタが使いやすい【デスクトップ化】
- 収納が省スペースになる
- タブレットやスマホ置きにもできる
外部モニタが使いやすい【デスクトップ化】
ノートパソコンをデスクトップ化をする際に、縦置きスタンドがあるとデスクのスペースを取らないので便利です。
「大きなモニタで作業したい!」「ノート買ったもののタッチパッドやキーボードが使いづらいから、自分が使い慣れたマウス・キーボードで操作したい!」という方におすすめですね。
外出先では、普段通りノートパソコンとして使って、自宅ではより良い環境でデスクトップ化する際に、この縦置きスタンドが役立ちます。
ノートパソコンには色々な画面サイズがありますが、「持ち運びやすさ」と「作業のしやすさ」はトレードオフの関係です。
例えば、持ち運びに便利な13.3インチのモバイルノートPCだと、その分画面が小さいので作業のしやすさは少し損なわれます。
毎日持ち運ぶのであれば、軽くてコンパクトなモバイルノートPCの方が良いですが、自宅限定ではあるもののデスクトップ化することで作業のしやすさも確保することができます。
そのため、縦置きスタンドがあることで、デスクトップ化する前提であえて軽くてコンパクトなモバイルノートPCを選ぶという選択肢も出てきます。
ノートパソコンをデスクトップ化するメリットや必要なもの・設定を解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:ノートパソコンをデスクトップ化する方法
収納が省スペースになる
ノートパソコンを使わない時、食事や書類作成、勉強などでノートパソコンが邪魔になる時に、縦置きスタンドに収納することでデスク上を広く使うことができます。
そのまま置いておくと、ノートパソコンの縦×横分のスペースが占領されることになりますが、縦置きスタンドがあれば立て掛けておけるので、かなり省スペースです。
近くの棚に収納があって面倒でなければ縦置きスタンドは不要ですが、少し遠い場所に棚があって移動するのが面倒な方にはおすすめですね。
タブレットやスマホ置きにもできる
縦置きスタンドは、ノートパソコンの収納だけでなく、タブレットやスマホを置くこともできます。
タブレットやスマホを平置きにして、場所を取っていて邪魔だなという方にもデスク上を簡単に整理できるのでおすすめです。
多くの縦置きスタンドで、2,3個の立てるスペースがあるので、ノートパソコンと一緒に立て掛けることもできます。
ノートパソコンの縦置きスタンドの選び方
ノートパソコンの縦置きスタンドの選び方のポイントは次の通りです。
- スタンドに何台縦置きできるか
- スタンドの幅は調整できるか
- スタンドに滑り止めは付いているか
- スタンドの素材(アルミ/ABS樹脂/木製)
スタンドに何台縦置きできるか
縦置きスタンドには、ノートパソコン以外にも、タブレットやスマホ、使い方によっては色々立て掛けることができるので、自分が何を置きたいのかを考えて、縦置きスタンドに何台置けるか確認しておきましょう。
多くのスタンドで、2,3個置けるようになっているので大丈夫だと思いますが、色々立て掛けたい方は、一度何を置くか洗い出してみると良いかもしれませんね。
製品の画像を見ると、中央のスリット部分がいくつあって何台置けるかに目が行きがちなんですが、外側にも置ける場合があるので、そこも見ておいた方が良いですね。
それで置ける台数も変わってきますし、外側の方に置けるタイプの方が、タブレットやスマホを置いた時に操作しやすいです。
スタンドの幅は調整できるか
縦置きスタンドの中央スリット部分の横幅を調整できるのか確認しておきましょう。
多くの製品で調整することができますが、中にはできないものもあります。
裏側に六角のネジが付いていて調整できるようになっています。
ネジによる調整が多く、私が買ったやつは、六角レンチと予備のネジが2つ付属していました。
スタンドに滑り止めは付いているか
多くの製品で滑り止めは付いているのですが、まれに付いていなかったり、底にしか付いていなかったりします。
やはり、底と横側の3面付いている方が安定感があるので、滑り止めは付いているものをおすすめします。
仮に滑り止めがなくても大丈夫な気はしますが、とは言え、ノートパソコンやタブレットなど効果なものを置くので安心しておける方が良いですよね。
また、アルミ製のスタンドだと一応表面はつるつるしているので大丈夫だと思いますが、置く時にノートパソコンなどの金属とこすり合ってキズが付いてしまうかもしれないので、キズ防止という意味でも滑り止めはあった方が良いです。
スタンドの素材(アルミ/ABS樹脂/木製)
縦置きスタンドの素材には、アルミニウム、ABS樹脂(プラスチック)、木製などがあり、特に多いのがアルミニウムです。
金属としての重量があり、ノートパソコンを置いても安定感があるので、個人的にはアルミニウムがおすすめ。
実際にノートパソコンのデスクトップ化をする際に、縦置きスタンドを色々検討したのですが、プラスチック製や木製だと軽いので、ノートパソコンなどの大きなものを立て掛けた時に、それでグラグラしたり、倒れたりしないか少し不安に思ったので断念しました。
ケンさん
おすすめの縦置きスタンド
おすすめの縦置きスタンドを次の観点から5つ紹介します。
- 最もスタンダードでおすすめな縦置きスタンド
- たくさん縦置きしたい方向けの5台収納スタンド
- 両サイドからがっちり挟み固定する重力収納設計な縦置きスタンド
- オシャレなインテリアになる木製の縦置きスタンド
- もう少し機能のある木製の縦置きスタンド
最もスタンダードでおすすめな縦置きスタンド
目的や選び方の解説で使った画像はこの製品で、スタンダードな縦置きスタンドです。
3箇所に立て掛けることができ、多すぎず少なすぎず丁度良い数です。
多すぎるとスタンド自体の横幅が大きくなるので、このくらいがいい感じです。
アルミニウムで程よい重さで安定感もあり、幅の調整や滑り止めも付いているので、必要十分ですね。
たくさん縦置きしたい方向けの5台収納スタンド
上のスタンドと同じメーカーで、5台収納できる縦置きスタンドです。
比較するとスリットが1箇所増え、外側も両方置けるようになっています。(さっきのは片側だけしか置けません。)
ノートパソコンやタブレットなどたくさん置きたい方向けですね。
両サイドからがっちり挟み固定する重力収納設計な縦置きスタンド
ノートパソコンなどを置くと両サイドが狭まり、がっちりホールドしてくれる縦置きスタンドです。
物を置くことで底が沈みこむことで、両サイドのフレームが近づいてきて横幅が自動的に調整してくれます。
ケンさん
オシャレなインテリアになる木製の縦置きスタンド
オシャレ重視で部屋のインテリアも良い木製の縦置きスタンドです。
横幅は調整することができますが、置けるのは1つのみなので機能を重視というよりデザインを重視したい方向け。
もう少し機能のある木製の縦置きスタンド
もう少し機能が欲しい、機能もデザインも両立したい方向けの木製の縦置きスタンドです。
手前に溝があるので、そこにタブレットやスマホを立て掛けることができます。
まとめ:より快適な環境が欲しいならスタンドも用意しよう!
ノートパソコン向けの「斜め・底上げ台」と「縦置き」の2タイプ、特徴が大きく違うので、それぞれの目的や選び方のポイント、おすすめのスタンドを解説しました。
同じスタンドでも、斜め・底上げ台は操作性や姿勢の改善、縦置きスタンドは収納と目的が全然違うので、自分がどちらのスタンドが欲しいのか決めやすいと思います。
目的は全然違いますが、どちらもパソコン周り、デスク周りの環境をより良くするものなので揃えておいて損はないかなと思います。
パソコンは作業する道具なので、どうしても本体の性能だったり、ポート数がどうとかだったりに目が行きがちなのですが、こういった周辺の環境を整えるのも作業効率がアップするので、ぜひ検討してみて下さい。
ノートパソコンの選び方(性能/用途/画面サイズ/価格/重量など)やよくある質問も解説しているので参考にして下さい。
≫ 関連記事:ノートパソコンの選び方・よくある疑問を徹底解説