
電源ユニットには、ケーブルを取り外しできるようになっているプラグインタイプと取り外しができないタイプに分かれます。
では、プラグインかそうでないかでは、どちらの方が良いのか、メリット等を解説していこうと思います。
結論から言うと、圧倒的にプラグイン対応している電源ユニットにすべきです。
目次
電源ユニットのプラグインについて
電源ユニットの構造は、
- 家庭用コンセントの交流電源を直流電源に変換するための本体部分
- 変換した電源を各パーツに供給するためのケーブル
の2つに分かれます。
通常は、下の画像のように本体からケーブルが束となって伸びています。
ケーブルは全部で5~10本程度あるので、束にするとかなりの太さであることが分かります。
しかし、プラグインに対応している電源ユニットの場合は、このケーブルを1本1本取り外しできるようになっています。
電源ユニット(左:プラグイン非対応、右:プラグイン対応)
右の画像を見て分かるように、ケーブルが1本もありませんね。
ケーブルを全て取り外している状態で、必要なケーブルを必要なだけ接続することができます。
つまり、使わない不要なケーブルは取り外しておいて、スッキリさせることができるというわけです。
しかし、このままでは「えっ?ただ、スッキリするという理由だけでプラグイン対応の電源をおすすめしているの?」ということになるので、具体的にどういったメリットがあるのか解説していこうと思います。
プラグイン対応の電源ユニットのメリット
プラグインに対応している電源ユニットのメリットは、大きく分けて3つあります。
- ケーブルの置き場所を考えなくて良い。
- 自作パソコン組み立て時の作業効率が格段に上がる。
- ケースによっては見栄えが良くなる。
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
ケーブルの置き場所を考えなくて良い。
プラグイン対応していない電源ユニットの場合、不要なケーブルはケース内の空いたスペースに押し込むことになります。
簡単に押し込むと言いましたが、意外とこれが難しかったりします。
ATX対応の大きめのケースで、電源ユニットの設置場所がケースの下側であれば、電源ユニットの奥に少しスペースのあるものが多いので比較的大丈夫ですが、決して広いということはありません。
スペース的にはギリギリといった感じです。
また、設置場所がケースの上側だとスペースが無いことがほとんどなので注意が必要です。
とは言え、無理に折り曲げて、ケーブルに余計な負荷をかけて収納するということは避けなければなりません。
無理な力を加えてケーブルを曲げると断線などの故障に繋がりかねないので、できるだけ負荷をかけないように空いたスペースに収納する必要があります。
しかし、プラグイン対応の電源ユニットであれば、不要なケーブルは取り外しておけるので、そういった心配がありません。
必要な時に必要なケーブルのみを接続しておくことで、ケーブルをどこに置いておこうかな。と考える必要がなくなります。
次にような場合を考えている方は、尚更プラグインに対応しているものが良いでしょう。
- Mini ITXなどの小型ケース
- 大容量電源
Mini ITXのみに対応している小型のケースであれば、ほとんど、電源ユニットとマザーボードのスペースで埋め尽くされるので、不要なケーブルを置くスペースがほぼほぼありません。
必要なケーブルをマザーボードやその他のパーツに接続して配置するのがスペース的に精一杯ということが多いです。
そのため、小型のケースを考えている方は、プラグインに対応している電源ユニットをおすすめします。
また、電源ユニットの容量が大きければ大きいほど、その分多くの電源供給ができるわけなので、ケーブルの本数が多くなりがちです。
その分、多くのパーツを搭載してケーブルを多く使用するパーツ構成であれば問題ないのですが、不要なケーブルが大量に出てしまって収納しないといけないとなれば、なかなか難しいものがあります。
そのため、使用するケースのサイズによってプラグインにするかどうかを決めると良いでしょう。
自作パソコン組み立て時の作業効率が格段に上がる。
パソコンを組み立てる際、電源ユニットのケーブルって意外と邪魔になります。
もちろん、必要なケーブルであれば仕方ありませんし、接続してしまえば比較的作業しやすくなります。
しかし、不要なケーブルが縦横無尽にビロンビロンと飛び交うことで、作業中、目障りだったり、手に当たって不快になったりと「邪魔だなー」と思うことが多々ありました。
そうなる前に、不要なケーブルを空いたスペースに収納しておけば良いんじゃないの?と思うかもしれません。
しかし、何だかんだでケーブルを整理する際に、
- 「このケーブルの通し方の方が良いんじゃないか。」
- 「ケーブルの根元で交差してるから、こう持ってきた方が無理な力が加わらず負荷が少ないんじゃないか?」
と考えていると、最後にケーブルを収納した方が良いなと思ってきます。
小さいことで悩んでいるのは分かっているのですが、どうも気になってしまいます。(笑)
それがプラグイン対応の電源ユニットでは、不要なケーブルが無いので縦横無尽に飛び交うこともありません。
必要な時に必要なケーブルだけを接続です!
ケースによっては見栄えが良くなる。
最近では、サイド部分がクリアパネルやクリアガラスのケースが増えています。
その際、プラグインに対応していない電源ユニットだと不要なケーブルが見えてしまって、見栄えが悪くなりますよね。
ケースの構造上、区切りがあって外からは見えないようになっているスペースがあれば、そこに不要なケーブルを収納してケーブルを見えないようにするということができますが、このスペースがあるかどうかはケースによって異なります。
もし、そのようなスペースが無ければ、束になったケーブルが見えるので見栄えが良くありません。
せっかく、こだわってパソコン内部が見えるおしゃれなケースを選んでいるので、内部もスッキリ見栄えよく済ませたいところですよね。
メリットをまとめると、次にようになりますね。
不要なケーブルを取り外しておくことで、組み立て中に目障りになったり、手に当たって邪魔ということが無い。
また、
- Mini ITXなどの小型ケース
- 大容量の電源ユニット
- ケースに収納できるスペースが無い。
といったように、ケースバイケースでプラグイン対応の電源ユニットにすべきということを述べました。
それ以外の場合は、作業中の不便さに目をつぶれば、プラグイン対応でなくても良いかもしれません。
とは言え、プラグイン対応の方が、様々なケースに対応できるということは間違いないので、プラグイン対応の電源ユニットをおすすめします。
プラグイン対応の電源ユニットのデメリット
では、次にデメリットについてです。
デメリットは、1点ありまして、
- 接触抵抗により僅かに供給される電力量が低い
という点です。
接触抵抗により僅かに供給される電力量が低い
プラグイン対応の電源ユニットは、プラグ部分の取り外しが可能となっているため、その部分で接触抵抗が発生します。
プラグ部分の接触により、プラグイン非対応の電源ユニットと比べ、少しだけ供給される電力量が低いというデメリットがあります。
接触抵抗とは、2つの導体を互いに接触させて電流を流すと,その接触部に電圧降下と温度上昇が生じる現象のことです。
とは言え、OCのように電圧量を意識する状況でもない場合は、さほど気にすることは無いでしょう。
また、このデメリットの対策として、セミプラグイン方式の電源ユニットがあります。
これは、
- メイン用の24pin
- 12V補助用4+4pin
- PCI Express用の6+2ピン
は、プラグイン非対応で取り外しができず、
その他のケーブルに関しては、プラグイン方式で取り外しができるというものです。
そのため、OCをするという方やデメリットを気にされる方は、セミプラグイン方式の電源ユニットの方が良いかもしれませんね。
プラグイン方式の電源ユニットの価格について
「プラグインで取り外しができる機構が付いている分、電源ユニットの価格が高いのかな?」と思ったのですが、実はそれほど変わりません。
多少は高くなりますが、気になるほどではないと思います。
試しに、電源容量と変換効率が同じ電源ユニットで比較してみましょう。
玄人志向 STANDARDシリーズ 550W フルプラグインATX電源 「KRPW-GK550W/90+」
Cooler Master のMWE Gold 550 550W 「PS799 MPY-5501-ACAAG-JP」
両方とも容量は550Wで、80PLUSはGoldの電源ユニットです。
価格は、プラグイン対応が8,294円、非対応の方が7,538円です。
※2019/03/30時点の価格。
プラグイン対応の方が数百円高いですが、何千円違うというほどでもありません。
組み立て作業の手間などを考えると十分に価値があると思っています。
フルプラグインの電源ユニットをお探しの方は、「電源ユニット プラグイン」という感じで検索して探してみましょう。

まとめ:プラグイン対応の電源ユニットにすべき
私は、今まで3つの電源を購入しましたが、全てプラグイン非対応の電源ユニットでした。
その当時は、プラグイン対応というのを知りませんでした。(笑)
「なんだよ。プラグイン対応の電源ユニットを使った上で書いた記事じゃないのかよ。」と思われるかもしれません。
しかし、自作パソコンを組み立てる度、ケーブルが目障りだったり、手に当たったりと邪魔だ邪魔だと感じていたので、みなさんに、少しでも楽に組み立てれるようにメリットなどをまとめてみました。
私も次に自作パソコンをする際には、”絶対に”、”絶対に”、”絶対に”プラグイン対応の電源ユニットにしようと思っています。(笑)
どうも、ケンさん(

一応デメリットはあります。
プラグイン式のPSUは、プラグと言う接点が追加されているため、直出しのケーブルに比べて、接点抵抗により僅かに供給される電力量が低いと言うデメリットですね。
OCのような電圧量を意識する状況であれば、プラグイン式より直出し式を選ぶべきとも言えます。
そう言ったデメリットの一部を補うため、セミプラグイン式と呼ばれる、20+4pinや4+4pin、6+2pinが直出しで、その他がプラグインであるタイプが存在するわけです。
コメントありがとうございます。
接点抵抗と言うのは初めて聞きました!
セミプラグイン方式の電源ユニットは、非対応にするか全部対応するかどちらかにすればいいのに…と思っていたのですが、そういった理由があったのですね。
勉強になりました。
デメリット部分については、訂正させて頂きました。