
グラフィックボードについて知りたいという方向けに、グラフィックボードの役割、性能、機能などに関する知識を説明します。
・GPUの性能比較表(仕様/スコア/価格/コスパ)【定期更新】
コスパ(スコア対価格)の高いGPU、高性能なGPUを約50件のGPUデータと共に解説
・CPUの性能比較表やコスパ・信頼性などの観点からおすすめPCパーツも紹介しています。
目次
グラフィックボードとは?(概要・役割)
グラフィックボードとは、ディスプレイに映像を表示するためパーツです。
呼び方は様々で、グラフィックカード(グラボ)、グラフィックカード、ビデオカードなどです。
役割について
通常、グラフィックボードが搭載されいないパソコンの映像出力は、CPU内蔵のグラフィック機能を使って表示されています。
つまり、CPUはデータ演算だけでなく、映像出力の処理もしてくれています。
グラフィックボードは、CPUが行っている映像出力関連の処理を担当することで、CPUの負担を減らすという補助的な役割、あるいは、CPU内蔵のグラフィック機能の映像出力性能では不足している場合にグラフィックス性能を強化する役割を思っています。
パソコンの画面に表示される全ての映像出力に関わってきますが、メーラーやofficeなどのビジネスやインターネットをする場合であれば、CPU内蔵のグラフィック機能の性能で十分足ります。
そのため、グラフィックボードは必要ありません。
しかし、3Dゲーム、3DCG、3Dモデリングなどの3D関連の作業をする場合には、CPU内蔵のグラフィック機能では性能不足と言えるので、グラフィックボードを搭載する必要が出てきます。
3D関連の場合、ユーザーが見ている視点から見ると3Dの物体はどのように見えるかを常に計算して表示し続ける必要があります。
また、3Dゲームなどで太陽や松明などの光源がある場合は、その光源によって物体を明るくしたり、影を付けたりと言った処理が必要になってきます。
もちろん、他にも水溜りがあれば水面に反射する物体を、ガラスなどの透明な材質の物体があれば、屈折した上でその先の物体を表示する必要があります。
つまり、3D関連の映像出力では処理する演算がとても増えるので、グラフィック関連以外の処理もしているCPUだけでは限界と言うわけです。
性能不足の場合は、画面の更新に時間が掛かるのでカクカクとした映像出力になりストレスが溜まります。
快適な動作をするためには、必須なパーツとなります。
グラフィックボードの基本知識・性能について
グラフィックボードの性能の決めてとなる部分は、大きく分けてクロック数、コア数の2点になります。
クロック数
クロック数とは、コンピュータ内部で複数の電子回路がタイミングを揃えるために発信する信号の数のことです。
少し難しい言い方をしましたが、CPUとグラフィックボードでデータを送信したり受信したりする際に、タイミングを合わせる必要があります。
そのタイミングを合わせるために発信する信号のことです。
つまり、この信号の数が多ければ多いほど、データを送受信する間隔が短くなるので、高速な処理ができるということです。
1秒間にどれだけの信号を発信するかをHz(ヘルツ)という単位で表します。
例えば、1.5GHzであれば、毎秒15億回もの信号を発信していることになります。
とてつもない数ですね。(笑)
1GHz(ギガヘルツ)=1000MHz(メガヘルツ), 1MHz=1000KHz(キロヘルツ), 1KHz=1000Hzとなります。
グラフィックボードの場合、大体1.2GHz~1.5GHz程度でCPUと比較して低くなっています。
※パーツの役割が全然違うので、単純にCPUのクロック数と比較するのは違いますが。(笑)
コア数
コア数とは、グラフィックボードが演算を行う部分をコアと言いますが、そのコアの搭載されている数を言います。
グラフィックボードの場合、大体500個~4000個程度のコアが搭載されています。
CPUの場合は、コアが4個、多いものでも32個程度なので、CPUと比較してクロック数が低くてもコア数が多いため、高い演算処理能力を持っています。
型番
CPUの場合は、クロック数とコア数の2点を確認することで大体の性能を把握できますが、グラフィックボードの場合、この2点を確認しなくても型番を見ることで大体の性能を把握することができます。
グラフィックボードの型番の見方についてはこちらにまとめています。
TDP
TDPとは、Thermal Design Powerの略で、熱設計電力のことです。
簡単に言うと、グラフィックボードの最大動作時の消費電力のことで、グラフィックボードがフル稼働している時の最大消費電力を意味します。
自作PCをする人は、この電力が電源ユニットを選ぶ際に参考なります。
グラフィックボードメーカー(NVIDIA, AMD)
パソコン向けのグラフィックボードを製造しているメーカーで有名なのが NDIVIA と AMD の2社です。
グラフィックボードは、大体1年から2年程度の間隔で新製品が発表・発売されています。
グラフィックボードのシェアについて
グラフィックボードのシェア率だが、ベンチマークソフトを開発・提供しているPassmarkが直近の30日分のシェアグラフを発表しています。
NVIDIA製のグラフィックボードが約6割、AMD製のグラフィックボードが約2割となっています。
グラフィックを搭載しているパソコンの多くがNVIDIA製ということが分かります。
Intelは、Intel HD Graphics 630などのCPU内蔵のグラフィック機能だと思います。
また、Otherが約5%ありますが、何が含まれているのか全くわからなかったです。(笑)
グラフは、2018/11/07時点のものなので、最新の場合はサイトにて確認してください。
NVIDIA グラフィックボードの特徴・機能
NVIDIA製 グラフィックボードに搭載されている主要な特徴・機能について説明します。
以下の項目は、グラフィックボードよって、対応・非対応が決まっているので、購入時は注意が必要です。
NVIDIA SLI(SLI接続)
SLIとは、Scalable Link Interfaceの略で、複数のグラフィックボードを接続してグラフィック性能の向上を図る機能です。
SLI接続するためには、次の条件をクリアする必要があります。
・GPUチップ(GTX 1080, GTX 1070など)が同一であること。
・ビデオメモリ(VRAM)が同容量であること。
・SLIに対応しているマザーボードであること。
・SLIブリッジというパーツで、グラフィックボード同士を連結していること。
※クロック数は、違っていても低い方に合わせるため、問題なし。
VR Ready
VR Readyは、VRヘッドセットを使用してVR映像を楽しむことができます。
NVIDIA G-SYNC
NVIDIA G-SYNCは、映像の入力遅延やカク付きを除去し、滑らかな映像を提供する機能です。
この機能は、ディスプレイのリフレッシュレート(※)をGPUのフレームレートに合わせて動的に調整します。
調整することにより、入力遅延を最小限に抑えることができます。
※リフレッシュレート(Hz)とは、単位時間当たりの映像の更新回数のこと。映像の更新頻度を表す。
NVIDIA GameStream
NVIDIA GameStreamは、PCにリモートアクセスすることで、屋外や出先などで高いグラフィック性能を要求するゲームでも楽しめる機能です。
通常であれば、高いグラフィック性能のために持ち運びできないデスクトップパソコンを利用しているところが、そのデスクトップパソコンにリモートでアクセスすることで、どこでもゲームをすることができます。
ただし、リモートアクセスするための対応しているモバイル端末が必要となります。
AMD グラフィックボードの特徴・機能
AMD製 グラフィックボードに搭載されている主要な特徴・機能について説明します。
以下の項目は、グラフィックボードよって、対応・非対応が決まっているので、購入時は注意が必要です。
CrossFire テクノロジー
CrossFire テクノロジーは、複数のグラフィックボードを接続してグラフィック性能の向上を図る機能で、NVIDIAのSLIと同等機能。
CrossFireを使用するには、次の条件をクリアする必要があります。
・CrossFireに対応しているマザーボードであること。
・同じシリーズのRadeon のグラフィックボード
- NVIDIAのSLIより使用条件が少ないので、敷居はこちらの方が低め。
Radeon デュアル・グラフィックス
ディアル・グラフィックスは、対応したAMD製のCPUとグラフィックボードを組み合わせることで、さらに高いグラフィック性能を引き出す機能です。
CPUは、AMDのAPU(Aシリーズ・アクセラレーテッド・プロセッサー)が必要になります。
Radeon VR Ready
VR Readyは、VRヘッドセットを使用してVR映像を楽しむことができます。
NVIDIAのVR Readyと同等機能。
Radeon FreeSync テクノロジー
FreeSync テクノロジーは、リフレッシュレートを可変にして滑らかな映像を提供する機能です。
NVIDIA G-SYNCと同じく、映像の品質を高める機能です。
Radeon Chill
Radeon Chillは、ゲーム内の動作に応じてフレームレートを動的に変更することで、電力消費を抑えるグラフィック機能です。
つまり、ゲームの動きが激しい場合は、フレームレートを高めて最高のパフォーマンスで映像を提供し、ゲームの動きが少ない場合は、フレームレートを低くすることで、消費電力を抑えることができます。
まとめ
・グラフィックボードとは?(概要・役割)
・グラフィックボードの基本知識・性能について
・型番、コア数、クロック数
・グラフィックボードメーカー(NVIDIA, AMD)
・NVIDIAグラフィックボードの特徴・機能(NVIDIA SLI、VR Ready、NVIDIA G-SYNC、NVIDIA GameStream)
・AMD グラフィックボードの特徴・機能(CrossFireテクノロジー、Radeon デュアル・グラフィックス、Radeon VR Ready、Radeon FreeSync テクノロジー、Radeon Chill)
次のPCパーツの基礎知識は、補助記憶装置(ストレージ)についてです。
どうも、ケンさん(



・GPUの性能比較表(仕様/スコア/価格/コスパ)【定期更新】
コスパ(スコア対価格)の高いGPU、高性能なGPUを約50件のGPUデータと共に解説
・CPUの性能比較表やコスパ・信頼性などの観点からおすすめPCパーツも紹介しています。
そこで、約50件のGPUデータとそのデータを元に"コスパ", "性能"の観点からおすすめのGPUを解説しています。
仕様/スコア/価格(日本円)/コスパが一目瞭然!!
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