
バックアップの種類として、増分・差分・完全バックアップの3種類がありますが、用途に応じて適切な方法を使うようにしましょう。
バックアップに要する時間やストレージ容量の節約に繋がります。
目次
バックアップの種類とは?
バックアップには、いくつか種類があります。
どれを用いるかによって、バックアップにかかる時間やバックアップ先のストレージに必要な容量が異なってくるので、理解した上で、どの種類の方法でバックアップするかを検討しましょう。
バックアップの種類は、次の3種類です。
- 完全バックアップ(フルバックアップ)
- 増分バックアップ
- 差分バックアップ
ひとまず、この3つの方法の特徴を簡単にまとめておきます。
各種バックアップの特徴
完全 | 増分 | 差分 | |
バックアップ時間 | 長い | 短い | 中間 |
ストレージ容量 | 多い | 少ない | 中間 |
復元時間 | 短い | 長い | 中間 |
リスク | 小さい | 中間 | 小さい |
では、1つ1つ解説していきます。
バックアップ時間や復元時間も気になるかもしれませんが、一番気になるのは、バックアップの種類のよって、どれだけストレージ容量が必要になるかが重要なポイントだと思います。
この容量によって、どれだけのストレージ容量を用意すれば良いか異なってきますからね。
完全バックアップ(フルバックアップ)
完全バックアップは、毎回バックアップを実行する度に、対象となるファイルを全てバックアップする方法です。
特徴としては、次のようになります。
バックアップ時間:長い
ストレージ容量 :多い
復元時間 :短い
リスク :小さい
毎回全てのデータをバックアップするので、バックアップ時間が長く、ストレージ容量が多くなります。
そのため、定期的に実行する場合は、増分・差分バックアップの方が適しています。
一方で、復元時間については、1つのイメージファイルから復元できるので他の方法と比較して時間はかかりません。
バックアップデータが増分・差分と違って、1つのイメージファイルで完結しているので、何かしら他のイメージファイルが破損、削除されていても復元可能なので、リスクとしては小さいです。
では、完全バックアップ時のデータ増加量を表にしてみましょう。
初日は10GB、1日毎に2GBのデータをバックアップする場合を想定しています。
完全バックアップのデータ増加具合
日付 | 8月1日 | 8月2日 | 8月3日 | 8月4日 | 8月5日 | 8月6日 |
10GB | 12GB | 14GB | 16GB | 18GB | 20GB | |
バックアップ合計容量 | 10GB | 22GB | 36GB | 52GB | 70GB | 90GB |
※橙色の部分は1日で増加するバックアップデータ
全てのデータをバックアップするため、毎日バックアップするとすごい勢いでストレージの容量を消費していくことになります。
20GBのデータであるにもかかわらず、バックアップデータは、90GBにもなっているので、ストレージがすぐに一杯になってしまうでしょう。
まぁ、何回も同じ部分のデータをバックアップしていることになるので仕方ないですね。
データ容量が多くなってしまう方法なので、完全バックアップを行う場合は、直近数日分は残しておいて、それ以前の古いものは削除していくというような運用方法が必要なってくるかと思います。
増分バックアップ
増分バックアップは、初回だけ完全バックアップを行い、それ以降は”前回バックアップ時から“の増えた分だけをバックアップする方法です。
特徴としては、次のようになります。
バックアップ時間:短い
ストレージ容量 :少ない
復元時間 :長い
リスク :中間
バックアップの時間は一番短く、ストレージの使用量についても一番少ない方法ですね。
完全バックアップのように、同じデータを何回もバックアップデータに含めるわけでは無いので、ストレージの使用量は抑えることができます。
基本的に、バックアップ元とバックアップ先が同じ容量になるので、効率的と言えるバックアップ方法でしょう。
また、前回から増えた分のデータをバックアップするだけなので、バックアップに要する時間も短いですね。差分のみなので、
一方で、復元時間については、複数のイメージファイルを全て参照しつつ復元していくことになるので、時間が掛かります。
また、リスクに関しても、複数のイメージファイルが揃っている必要があり、1つでも抜けると復元できなくなってしまうので注意が必要です。
とは言え、データが消えるリスクは、バックアップしないよりかは遥かにマシなので、それほど気にすることは無いと思います。
では、増分バックアップ時のデータ増加量を表にしてみましょう。
初日は10GB、1日毎に2GBのデータをバックアップする場合を想定しています。
増分バックアップのデータ増加具合
日付 | 8月1日 | 8月2日 | 8月3日 | 8月4日 | 8月5日 | 8月6日 |
10GB | ||||||
2GB | ||||||
2GB | ||||||
2GB | ||||||
2GB | ||||||
2GB | ||||||
バックアップ合計容量 | 10GB | 12GB | 14GB | 16GB | 18GB | 20GB |
※橙色の部分は1日で増加するバックアップデータ
合計20GBのデータがあったとしても、バックアップ先のデータ容量も20GBです。
データの重複無しに、増加した分だけバックアップするので当然ですね。
差分バックアップ
差分バックアップは、初回だけ完全バックアップを行い、それ以降は”初回バックアップ時から“の差分をバックアップする方法です。
増分と違う点は、”前回バックアップ時から”か”初回バックアップ時から”という点です。
特徴としては、次のようになります。
バックアップ時間:中間
ストレージ容量 :中間
復元時間 :中間
リスク :小さい
バックアップの時間、ストレージの使用量については、完全と増分の中間という感じですね。
とは言え、初回バックアップ時からの差分を毎回バックアップするわけなので、ストレージ容量の消費は、完全バックアップほどでは無いものの激しいですね。
一方で、復元時間については、初回の完全バックアップ分のイメージファイルと最新のイメージファイルの2つから復元することができるので、増分バックアップより早く復元することができます。
また、リスクに関しても、2つのイメージファイルがあれば良いわけなのでリスクは小さめですが、初回の完全バックアップのイメージファイルが破損してしまうと復元できなくなるので注意が必要ですね。
では、差分バックアップ時のデータ増加量を表にしてみましょう。
初日は10GB、1日毎に2GBのデータをバックアップする場合を想定しています。
差分バックアップのデータ増加具合
日付 | 8月1日 | 8月2日 | 8月3日 | 8月4日 | 8月5日 | 8月6日 |
10GB | ||||||
2GB | 4GB | 6GB | 8GB | 10GB | ||
バックアップ合計容量 | 10GB | 12GB | 16GB | 22GB | 30GB | 40GB |
※橙色の部分は1日で増加するバックアップデータ
初回以外は、完全バックアップのようなものなので、こちらも結構な勢いでストレージの容量を消費していくことになります。
バックアップは増分バックアップがおすすめ!!
バックアップをする際に一番に気にするのは、バックアップ先のストレージ容量だと思います。
バックアップや復元の時間に関しては、バックアップソフトが実行してくれるので、特に時間がかかっていようが放っておけば良いだけです。
つまり、ストレージ容量の観点から言えば、増分バックアップがおすすめということです。
3種類のバックアップ方法で、上の表を参考にバックアップデータの容量の推移をグラフ化してみました。
データの容量推移
上では、8月6日までしかありませんが、このグラフでは2週間分まで伸ばしています。
※点線部分が伸ばした分です。
グラフを見て分かるように、完全バックアップと差分バックアップの場合は、曲線になっており、日を追うごとに容量の増加率が高くなっていることが分かると思います。
このまま続けていけば、いくら2TB、4TBのHDDがあったとしても、すぐに無くなってしまうでしょう。
一方で、増分バックアップは、直線で少しずつ増加していることが分かります。
差分バックアップの場合は、毎回同じデータ量のバックアップなので、どこまで行っても比較的少ないままとなっています。
そのため、長期的なバックアップを考えているのであれば、増分バックアップがおすすめかなと思っています。
とは言え、完全や差分バックアップでも定期的に不要なバックアップのイメージファイルを削除することで運用できるとは思います。
まとめ:バックアップは必ずしておきましょう!
バックアップは、データを守るためには必須です。
消えてから、「バックアップしておけば良かったー」と後悔しても遅いです。
私は、この後悔を経験しており、それ以降はバックアップするようになりました。
みなさんには、1回も経験して欲しくないので、まだバックアップしていないという方は、ぜひ、今のうちにバックアップをしてみてください。
バックアップに必要なものをまとめているので、こちらを参考に進めると手っ取り早いです。
どうも、ケンさん(



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